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勝手にリリース10周年記念!
「Woke Up With A Monster」再考
  「僕はテッド・テンプルマンの姿を一度も見なかったよ」(ロビン・ザンダー)

  デビュー以来、約17年の長きに渡る、決して円満とはいかなかったエピックとの関係を終えたCTは、新たにワーナー・ブラザーズと契約。「Lap Of Luxury」以降、レーベルの"お仕着せ"による外部ライターの楽曲をアルバムに入れざるを得ず、不満のつのっていたCTが新天地で目指したのは当然のように原点回帰…ラフで実際のライヴに近いバンド・サウンドであった。契約の際、CTがテープを送らず、敢えてワーナーの重役をレコーディング・スタジオに招いて生で演奏を聴かせたのは「この4人で音を鳴らせばCTのサウンドになるんだぜ、外の連中なんか必要ないんだ」という主張だったのだろうか、それともそこまでは計算していなかったのか。「Woke Up With A Monster」のレコーディングに迎えられたプロデューサーは大御所のテッド・テンプルマン。Van Halenの一連の名作を聴き返すに、CTとの組み合わせはかなり興味をひくが、メンバーの話を総合するとテッドは音楽的なディレクションは何もせず、アーティストの仕事がしやすい環境をつくる、「名前だけ」のプロデューサーとして機能していたようだ。ロビンが語っていたように「テッドは、必要ないものはむやみにアーティストに与えない『反プロデューサー的』な考えだった」のだ。
 結果、ほとんどセルフ・プロデュースでレコーディングされた「Woke Up With A Monster」はエピックでの最後の作品「Busted」とは対照的に、装飾が最小限にとどめられたナチュラルなサウンドのアルバムになったのである。
  
  このアルバムに伴うツアーではオープニング・ナンバーとしてずっと演奏された、いかにもCTらしい軽快なR&Rチューン"My Gang"  Beatlesサウンドを基調に、陰りのあるメロディとへヴィなギター・サウンドが自然に音楽シーンの時流と調和したアルバム・タイトル・トラック。日本ではアルバムからの1stシングルとしてリリースされ、ラジオでも頻繁にオン・エアされた"You're All I Wanna Do"  日本のファンの長きに渡る渾身的なサポートへの感謝が込められた美しいバラード"Never Run Out Of Love"  数多いCTの名曲の中でも屈指の美旋律を持つ傑作"Didn't Know I Had It"  ロビン・ザンダーとシンガー・ソングライターのマーク・スピロというコンビによって書かれた実験的なポップ・ロック"Ride The Pony" これもまたライヴ映えするAC/DC直系の"Girlfriend"  CTとしては少々異色な構成を持つソリッドなハード・ロック"Let Her Go"(クレジットには書かれていないが、ロビンと"The Flame"を書いたニック・グラハムの共作)  "Didn't Know I Had It"同様、憂いのある美しいメロディが絶品の"Tell Me Everything"  CTとしては珍しくブルーズ・フィーリングを前面に出した"Cry Baby"  そしてアルバムを締めくくるのは、Rolling Stonesを連想させる「間」を活かしたアレンジが印象的な"Love Me For A Minute" ※日本盤には更にボーナス・トラックとしてハチャトリアンの"剣の舞"を収録。

  1994年の来日公演は、東京厚生年金会館で2回観た。
ハードで、荒々しくそしてエモーショナルな「Woke Up With A Monster」のサウンドがそのまま反映されたような、勢いに満ちたパフォーマンスが印象的だった。今でも忘れない。生で聴く"Didn't Know I Had It"のなんと美しかったこと!
協力・ユタカさん(Movin' Jelly)
Cheap Trick/Woke Up With A Monster Cheap Trick
/Woke Up With A Monster(1994)

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