American Hi-Fi at Akasaka Britz May,27 2003

Set List
1.Teenage Alien Nation
2.Beautiful Disaster
3.A Bigger Mood
4.Flavor Of The Weak
5.Scar
6.I'm A Fool
7.Another Perfect Day
8.Built For Speed
9.Hi-Fi Killer
10.In The City(The Jam)
11.Surround
12.Rise
13.Nothing Left To Lose
14.The Breakup Song
15.The Art Of Losing
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16.This Is The Sound
17.Vertigo
18.Happy
  来日公演の予習として改めて各アルバムを聴きかえしてみたのだが、1stアルバム「American Hi-Fi」から最新作「The Art Of Losing」への音楽性の変化はやはり大きい。ボブ・ロック・プロデュ−スによるメタリックかつ重厚な音像と、ステイシ−の時に陰りを持ったキャッチ−なメロディ・ラインがかみ合った「American Hi-Fi」に対し、パンク〜ハ−ド・コア系のザラついたギタ−・サウンドをベ−スに、80年代ニュ−・ウェ−ブから70年代のクラシック・ロックに至るエッセンスを散りばめたポップなR&Rを披露した「The Art Of Losing」  前回の来日公演を見ていない私としては、バンドの変化を見届けるというよりは、このレンジの広さがライヴにおいてどうまとまりを成すのか、ということに注目していた。(結論からいうと、これは全く心配するに及ばなかったのだが)

  会場の赤坂ブリッツ、客の入りは7割から8割といったとこだろうか。意気地なしの私は今回2階指定席で見たのだが(^^;  2階席には結構空席も目立った。年齢層はやはり10代から20代前半が目立つ(男女半々位?)が、私を含めた30代以上の人も思ったよりいる(特に2階席(笑)…でも皆さんショウの間ずっと固まったまま座っているのはやめようよ) 会場に来る途中で時計が壊れてしまったので正確な時間はわからないのだが、恐らくほぼ定時に前座の日本のバンド"惑星"がステ−ジに現れ、10曲ほど持ち曲を披露した。このバンド、詳しくはまた他のペ−ジで書くつもりだが、3ピ−スの非常に力強さを感じさせるバンドで好印象だった。(何かPixiesに疾走感を加えたような感じの曲もあるな…と帰宅してから調べてみると、過去にPixiesのトリビュ−ト・アルバムに参加していたとのこと!)

  十数分のセット・チェンジを挟み、場内BGMのFoo Fightersが終了。ギタ−のフィ−ドバック音とともにメンバ−がぞろぞろとステ−ジに登場する。ステ−ジ中央にステイシ−・ジョ−ンズ(Vo・G)、向かって左手にジェイミ−・アレンゼン(G)、右手にドリュ−・パ−ソンズ(B)、そしてドラムスのブライアン・ノ−ラン。バックドロップも何もない、彼らの敬愛するCheap Trick以上にシンプルなステ−ジ・セットも新鮮だが、メンバ−の服装も"普段着"そのまま。(ステイシ−は半そでシャツ+ネクタイ)  日本の街を歩いていたら、景色の中に一瞬にして溶け込んでしまうだろう(笑) 

  ステイシ−の「ヒ・サ・シ・ブ・リ!」という挨拶に導かれ、勢い良くスタ−トしたのは最新作「The Art Of Losing」から"Teenage Alien Nation"  アルバムの中盤で良いアクセントになっているガッツィ−なロックンロ−ルだ。最近のAHFの基本セット・リストを予習せずに来た私としては、この曲が1曲目に持ってこられたのにはへぇ〜という感じだったが、この"つかみ"は悪くない。音像は「Live From Tokyo」を聴いて思ったのと同じ印象で、Cheap Trickにかなり近い。"重さ"と"ザラつき"のバランスが丁度良く、うるさ過ぎないサウンドの合間からポップなメロディが身体全体に心地よく響いてくる。演奏も非常にタイトだ。パワ−・コ−ドを勢い良くかき鳴らしながら歌うステイシ−(これも勉強不足の為、ショウの間ずっとギタ−を弾きながら歌うとは知りませんでした)、派手なアクションはせず、堅実に脇を固めるジェイミ−とドリュ−。そして話しには聞いていたが、ブライアンのドラム・プレイが非常に目と耳を引く。パワフルで重いサウンドながら、同じにキレがあるのだ。素晴らしい。このブライアンのシャ−プなリズムが、パンキッシュでありながらも、メタル的なアグレッションとヘヴィネスも備えるAHFのライヴ・サウンドの屋台骨を支えているのは間違いないだろう。"Teenage Alien Nation"の勢いそのままに、2曲めは同じく最新作から"Beautiful Disaster"へ。ステイシ−は決して声量が秀でているわけでもなく、ヴォ−カリストとして特別優れた能力を持っているわけではないが、張りのある非常に良い声質をしており、CDで聴くそのまま、いや、それ以上に説得力のある声でもって、AHFの持つメロディ・センスをしっかりつたえている。やや沈みこむような重い"A Bigger Mood"が終り、んんん…このイントロは?  わあ、早くも"Flavor Of The Weak"の登場だ! このキャッチ−で素晴らしいメロディを持った1stアルバムからのヒット・シングルが場内の熱気を急激に上昇させる。コ−ラスでは大合唱が起こる。やはり名曲です!  続いては再び1stアルバムから、ブライアンの重いドラム・フレ−ズから入る"Scar"、そして1stアルバムの中でも特にポップな曲のひとつ"I'm A Fool"へ。一聴するとキ−ボ−ドかと思えるイントロのピロピロというフレ−ズを、CDそのままにジェイミ−が再現。んん〜CDを聴く限りではそれほど印象に残る曲ではなかったのですが、良いではないですか! というか、AHFの曲は皆ライヴで聴く方がダイナミックで良く聞こえる。それは続く"Another Perfect Day"も同様だ。CDのようにアコ−スティックで再現してくれなかったのは残念だが、この曲の持つほのかな哀愁が、勢いづいたライヴ中盤にリラックスしたム−ドを与えていた。Cheap Trickの"He's A Whore"まんまのイントロダクションから、ポップに弾ける"Built For Speed"  アグレッシヴな"Hi-Fi Killer"  The Jamの代表曲のカヴァ−"In The City"  そして記念すべき1stアルバムの1曲め、"Surround"が独特の浮遊感を演出。この中盤の流れはAHFの多様性をうまく表していたと思う。ステイシ−の「これだけは言っておきたいんだ。俺達は日本を愛してるよ。どうもありがとう」というMCを挟み、「The Art Of Losing」からの"Rise"へ。この曲の前後では1階フロアのモッシュが激しさを増し、左手後方では喧嘩が起こっているのも確認できた。ペットボトルも左から右、右から左へと飛び交って…やっぱり2階で見て正解だったかなと(笑) R&Rのギミックを満載(良い意味で)した"Nothing Left To Lose"  この遊び感覚がAHFの魅力だ。ビデオ・クリップも印象的だった"The Breakup Songは、思いきりキャッチ−なメロディを備えた「The Art Of Losing」を代表する傑作。そして本編最後は"Nothing Left To Lose"同様、ポップ・ミュ−ジックの過去に敬意を払いつつ、AHFの未来像の一端を示した新作からのタイトル・トラック。イントロのブライアンのヘヴィなドラムに鼓動が脈打ち、ポップ極まりないメロディに心が弾む。そして思わず一緒に歌ってしまう。そう、AHFの曲って全曲一緒に歌えるからイイんだよね。アンコ−ル前、機材トラブルがあったようでショウが一時中断するが、ステイシ−が日本流ギャグ「ア・メ・ハ・イ、デス!」((C)雨上がり決死隊)で上手く繋ぐ(笑) そしてアンコ−ル1曲めの"Another Perfect Day"へ。1stアルバム収録のミディアム・テンポの曲だが、個人的にはこの"Another Perfect Day"がこの日のライヴの最大の収穫だった。こんなに良い曲だったとは。そしてAFHがライヴ終盤でこんなしみじみとした美しい空間を提供してくれるとは。やるね!  「みんな『American Pie 2』という映画を知ってるか? この曲のイントロのドラム・フィルはIron Maidenの曲から盗んだんだ("Where Eagles Dare"→アルバム「Piece Of Mind」収録)」というMCから「American Pie 2」のサウンドトラック・アルバム収録曲"Vertigo"へ。オリジナル・アルバム収録曲でないせいか、会場の反応はイマイチだった。でも、この曲、ステイシ−の高いソングライティング能力が良く表れたポップな佳曲なんですよね。そして締めは「The Art Of Losing」から"Happy"  ステイシ−がドラム・スティックをギタ−に擦りつけ、ジェイミ−はフィ−ドバック音をガンガンに響かせ、大盛り上りでライヴは幕を閉じた。
 
  "Flavor Of The Weak"のビデオに表れた、Judas Priest、Scorpions、Ozzy Osbourne、Saxon…メロイック・サインが乱舞する80年代の華やかなりし世界から、Cheap Trickをはじめとするアメリカン・ロックのメインストリ−ムを経由し、90年代オルタナティヴの憂愁な感覚も漂う。曲によるム−ドの違いに差はあれど、一貫してキャッチ−なロック・チュ−ンを繰り出すAHFの自然体ぶりに凄く好感を覚えた夜だった。ライヴを見てますますファンになってしまった。また早く日本に戻って来て!
American Hi-Fi(2001)
Rock'n Roll Noodle Shop
- Live from Tokyo(2002)
The Art Of Losing(2003)

Live Review
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