Enuff Z'nuff & Glam at Club Citta' Kawasaki July,11 2009 |
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Glam/Glamunition(2009) |
先ずは、そのクラブチッタを埋めた観客の数に、現在の洋楽アーティスト興行の厳しさを実感した。日本でも人気の高いスウェーデンの人気バンドWig
Wamのフロントマングラムと、9年ぶりの来日を果たしたEnuff Z'nufのカップリング。本編のライヴと、ライヴ後に招集元のキング・レコードさんが企画してくれたパーティ・イベントを含めると4時間半にも及ぶボリュームで6000円のチケット代は安かったと思うが、フロアの入りはEnuff
Z'nuffが始まってもせいぜい7割程度。周りを見渡してちょっと寂しさを感じたファンは私だけではなかった筈だ。 しかし、親しみやすいキャラクターを持ったオープニング・アクトのグラムは、観客の心を一気に掴むことに成功した。最新ソロ・アルバム「Glamnition」同様、軽快なリズムをもった"Not Gonna Stop Till I Get It"でグラムがステージを飛び出すと、会場内のボルテージが一気に上がる。CDで聴くのと同様の、伸びやかで声量十分のヴォーカルもインパクト十分。グラムは、ファンとアイコンタクトをとりながらステージをダイナミックに動き回っているにも関わらず声は常に安定していた。観客の様子を探りながら、徐々に空気を温めていくのではない。その煌びやかさ、陽性キャラクターで皆を笑顔にできるグラムは、フレディ・マーキュリーと同様に立ち振る舞いだけでエンターティンできる稀有な存在といえるだろう。"Not Gonna〜"のアウトロに被さってきたのは馴染み深いあの太いギター・リフ…Queenのクラシック"Tie Your Mother Down"は、今でも多くのバンドがカヴァーしているのが良く理解できる、ダイナミックさとキャッチーさを備えた実にライヴ向けのHRだ。選曲に新鮮味はないものの、グラムの歌唱もバンドの演奏もタイトで、気持ちよくのることができた。 おやっ?と思ったのはディスコちっくな3曲目"Bring The Night On"をグラムが日本語バージョン(カンペちらちら見ながら・笑)で聴かせた後、再びQueenのカヴァー"We Will Rock You"が登場した時だ。確かにQueenはグラムの資質にぴったりではあるが、ここまでQueen続けることはないのでは…少々テンションが下がる私。しかし、何とライヴはその後も "Queen祭り"が続き、結局この日プレイした全12曲中、5曲もQueenの曲をプレイしたのである。後から知ったのだが、この日グラムが帯同したバンドは、母国スウェーデンでグラムが主演した、Queenの曲をフィーチュアしたミュージカル"The Show Must Go On"でプレイしていたバンドというではないか。これを事前に知っていればまた印象も違ったかもしれないが、自らの曲で良い曲を多数持っているだけに、また歌唱も演奏もクオリティが高かっただけに、このセット・リストの構成は残念だった。 それでも、グラムのパフォーマンスはプロフェッショナリズムに満ちていて、楽しめた。Queen(フレディ)の影響丸出しな"Vainette" から"Who Wants To Liv Forever"への繋ぎはグラムの目指す方向性が表れていて面白かったし、インディアンの羽根を頭に被って歌ったラストの"In My Dreams"はやはり圧巻で、グラムのスター性を思い知らされた。 ショウを通してグラムというキャラクターを完璧にパフォームしていたグラムと比較すると、Enuff Z'nuff〜いや、フロントマンのドニーはショウを通じて本当に様々な表情を見せてくれた。楽しいのか、疲れているのか? メンバーとの仲は良いのか、悪いのか? 随所で顔を覗かせるドニーの不安定さ、脆さは、しかしはっきりバンドの個性の一端となっていることを実感させた。 4人のメンバー中、最もフォトジェニックなのはまるで「Dream Police」(1979)期のロビン・ザンダーを連想させる白のスーツと帽子を身にまとい、トレード・マークの大きなサングラスをかけたチップ・ズナフ (べース)であり、実際彼の個性的なべース・ライン抜きでは絶対Enuff Z'nuffの音楽は完成しないと思わされたのだが、チップがこの日ドニーより目立ったのはリード・ヴォーカルを披露したディヴィッド・ボウイの "Jean Genie"の時だけ。他の時間は全て、まるで自分の感覚だけに頼ってステージを泳ぎまわるドニーが溺れないようにサポートするのに徹しているようであった。それは、ギタリストのトリーとドラマーのランディも同様。煙草と酒を絶え間なく飲みながら歌い、コードを持ってマイクをぐるんぐるんとブン回し(客席に大きくはみ出すくらい!ぶつかるよ!)、ドニーの姿を見ていると、ちょっとハラハラしながら思わず「ドニー頑張れ!」と叫びたくなる。ドニー自身も、そんな日本のファンの暖かい眼差しをよく分かっているのだろう。ショウが進むにしたがって、段々笑顔が増えてくるのが伺えた(チップと、最初にアイコンタクトして何か会話を交わしているのを見た時はホッとした〜) "New Thing"では何と客席にダイブ!ラスト、キャッチーなR&R"Love Train"で、笑顔いっぱいのライヴは幕を閉じたのだった。 前述したように、ドニーは絶えず煙草を吸い、アルコールを流し込んでいたのだがヴォーカルは総じて安定しており、要所でシャウトもばっちり決まっていた。基本的に歌に専念していたドニーは、中盤ギターを抱え、しっとりとアコースティックで3曲プレイ(うち1曲はファンのリクエストで"Blue Island"を!) 改めてドニーのハスキー・ボイスの魅力を実感できて良かった。地味めの曲も含まれてはいたが、総じてEnuff Z'nuffの多様性をアピールするバランスのとれた選曲で、特に"Stoned" "In The Groove" 新曲"Dissonance"といったへヴィ・ロックがアクセントになり、全体を引き締めていたと思う。ドニーの持つ脆く危うい、そしてほおっておけない(?)キャラクターと、叙情的でハードなバンド・サウンドとの絶妙なコンビネーション。初めて生で Enuff Z'nuffを見て、私はCDを聴くだけでは分からなかった、彼らの本質に触れることができた気がした。 アフター・パーティーも楽しかった!フロアにゴザをひくというリラックスした雰囲気で行われたアコースティック・ライブと抽選会。ダイレクトにこちらまで響くグラムとドニーのヴォーカルは暖かみがあってとても心地よく、改めて二人の声の魅力を実感した。アルコール入ってたのだろう。"出来上がって"ハイ・テンションで絡むグラムに対して、当初大人な対応をとっていたEnuff Z'nuffのメンバーだが、やがてグラムに同調するようにふざけはじめ、遂にはドニーは抽選会で使う抽選箱に入ったチケット半券の山を、ガバッと掴んで全部床にぶちまけた!(笑) 暴れまくった彼らは最後、キングレコードの担当氏にたしなめられるように(最後、グラムは一人残り、担当氏の制止を振りきりながら意地でアカペラで"We Will Rock You"を歌いきった・笑)ステージを後にした。 |
- Glam set list - |
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Enuff Z'nuff/Dissonance(2009) |
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- Enuff Z'nuff set list - 1.Rock N World 2.We're All Alright 3.Kitty 4.Baby Loves You 5.For Now 6.Vacant Love 7.There Goes My Heart 8.High 9.The Jean Geanie (David Bowie, Chip on vocal) 10.Stoned Acoustic set: 11.Right By Your Side 12.Time To Let You Go 13.Blue Island 14.Heaven Or Hell 15.Dissonance 16.In The Groove 17.Come Together (Beatles cover) 18.Fly High Michelle Encore: 19.New Thing 20.The Love Train |
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- After Party acoustic set - Glam 1.Bygone Zone 2.Don't Feed The Broken Hearted Enuff Z'nuff 3.Altered States 4.Norwegian Wood (Beatles cover) 5.It's No Good Glam&Enuff Z'nuff 6.You've Got to Hide Your Love Away (Beatles cover) |
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