Journey at Tokyo Kokusai Forum A Oct, 17 2004

Journey/Journey2001

Journey/2001(DVD)
1.Program Start
2.Intro
3.Separate Ways(Worlds Apart)
4.Ask The Lonely
5.Guitar Solo
6.Stone In Love
7.Higher Place
8.Send Her My Love
9.Lights
10.Who's Crying Now
11.Piano Solo
12.Open Arms
13.Fillmore Boogie
14.All The Way
15.Escape
16.La Raza Del Sol(Intro)
17.La Raza Del Sol
18.Wheel In The Sky
19.Be Good To Yourself
20.Any Way You Want It
21.Don't Stop Believin'
22.Lovin' Touchin' Squeezin'
23.Faithfully
24.Credits
  遅ればせながら、今回の来日公演前にDVD「Journey 2001」で初めてスティーヴ・オウジェリーとディーン・カストロノヴォが参加したJourneyの映像に触れた。スティーヴ・ペリーとの歌唱スタイル、声質の類似性を何かと指摘されるオウジェリーであるが、よく聴いてみればそのレベルというのは、オリジナルの良さを活かそうとする為に生まれる無意識レベルでの"近さ"であって、決して嫌味さはない。スティーヴ・ペリーをリスペクトしつつ、しっかり自分の持ち味を出しているオウジェリーの貢献度の高さは「Red 13」  「Arrival」を聴いても明らかだし、バンドの過去と未来を繋ぐのにオゥジェリーを選択したバンドの選択が正解だったことは、全ての時代の曲が、原曲のクオリティをしっかり保ちつつも、オウジェリーの多彩なヴォーカル力によって同時に新鮮味を引き出されされた「Journey 2001」でしっかり確認できた。オウジェリーに欠けているものがあるとしたら、スティーヴ・ペリーにあったようなはっきりと好悪をつけるくらいのアク(個性)の強さではないだろうか。というわけで、スティーヴの残した名曲群を愛してはいるが、過去の編成にあまり拘りを持っていない私は先入観なしに、Journeyがどれだけ「今」を感じさせてくれるパフォーマンスをしてくれるのか楽しみに待っていた。
  結論からいうと、非常に楽しめる完成度の高いライヴだった。一階最前列から5列めの真ん中という、私の短いライヴ経歴(笑)の中でも1、2を争うほど良いポジション。過去国際フォーラムでのライヴでは音にがっかりした経験がないが、今回もこれまで以上に優れたサウンドで、メンバーの余裕あるパフォーマンス(当たり前だが、5列めだとメンバーの表情がよく見えること)と相俟って極上のエンターテインメントとして完成されていた。唯一がっかりしたのは「Arrival」  「Red 13」からの曲を聴けなかったということだが、逆に往年のクラシック/ヒット・チューンがずらりと軒を並べる中、改めてステイーヴ・オウジェリーの表現力が問われていたといえる。ちょっとした電車のトラブルがあり、私が席に着いたのは開演時間の17:00丁度。後ろを振り返って会場を見渡すと、ありゃりゃ。1階席は埋まっているものの、2階はガラガラだ。東京初日はどうだったのだろう。開演時間を10分ほど過ぎ、場内が暗転。メンバーが静かにステージに現われる。「Raised On Radio」からの大ヒット曲"Be Good To Yourself"  オープニングにはぴったりのキャッチーなロック・チューンだ。東京初日にはディーン・カストロノヴォのリードVoで"Suzunne"も披露された様だが、この日は「Raised」からプレイされたのはこの"Be Good To Yourself"のみだった。金色のレス・ポールを弾くニール・ショーンはギター・ソロでいきなりファン目を釘付けにする。ステージ左手にTシャツ姿でリズム・ギターを弾くジョナサン・ケイン。その右に、常に笑顔を絶やさず楽しそうにプレイするロス・ヴァロリー。スティーヴは、パワーこそ感じないものの通りの良い安定した歌唱をオープニングから見せており、安心して見ていられる。2曲めは間髪いれず、これも80年代のJourneyを代表するヒット曲のひとつ"Only The Young"  個人的には思い入れの薄い曲だが、生で聴くとそのダイナミックで広がりのあるサウンドがなかなか心地よい。"Only The Young Can Say〜"というサビを聴きながら、自分も含め決して若いとは言えないファンで埋まった客席を眺め思わずうぬ〜と唸ってしまいましたが(苦笑)  ジョナサンのキーボードのみをバックに、ニールがソロで"Star Spangled Banner"を披露すると、次は「Escape」より"Stone In Love"  CDで聴くのと同じ、ニールによるシャープでソリッドなギター・リフが心地よい。ヒット・シングルではないが、キャッチーないかにもJourneyらしいフックを持った佳曲だと思う。この曲ではジョナサンが再びリズム・ギターを担当。それにしても至近距離で見る見るジョナサンは、男から見て腹が立つくらいステージ映えする色男だ。次は時代を遡り「Infinity」アルバム(1978年)よりJourney最初のメジャー・ヒット"Wheel In The Sky"  個人的にはCDで聴いて未だにピンとこない曲の1曲なのだが、生で聴くと哀感ある独特のメロディ・ラインと重さに惹きつけられた。そう、この日は魅力を"再発見"して好きになった曲が多かったなあ〜! 未だに輝きを失わない名バラード"Lights"(ニールのストラトによるギター・ソロも美しかった)でしっとりさせた後は、なんとロス・ヴァロリーがリード・ヴォーカルをとる"Walks Like A Lady"だ。ロスの声は初めてまともに聴いたが、ジョン・ステュワート("Daydream Believer"を書いたシンガー・ソングライター)を想起させるようななかなか魅力的な声質で、曲調にマッチしていてなかなか良かった。表情をコロコロ変えながら楽しそうに演奏するロスが印象的だ。途中で引っ込んでいたオウジェリーも出てきて後方でリズムをとりながらコーラスをとる。続く"Feeling That Way"〜"Anytime"の流れは個人的にショウのハイライトのひとつだったのだが、場内は思い切り盛り下がる(なんでよ!)  イントロの美麗なキーボード。そしてジョナサンの声で"I'm standing here〜"というフレーズが聴こえて来た時は背筋がぞくぞくした。この人は歌も抜群に上手い(そうだ、ジョナサンのソロ・アルバムも揃えなくちゃ〜)  既にバンドにはオリジナルを歌っていたスティーヴ・ペリーもグレッグ・ロ一リーも居ないわけだが、何の違和感もなくこの名曲を響かせていた。"Feeling"  "Anytime"共々息の合ったヴォーカル・ハーモニーが何とも美しい。「Frontiers」収録のハード・ナンバー"Chain Reaction"はファンの間では根強い人気のある曲だが、私としては何度聴いても「?」マークな曲だった。しかし、これも生で聴くと意外なほど魅力的なのだ。大きな身振りをもってパワフルに歌い上げるオウジェリーのパフォーマンスも場内のテンションを急上昇させる。続いてニールが"Voodoo Chile"でへヴィな、しかし"Chain Reaction"のメタリックな重さとは異質の空間を生み出す。リード・ヴォーカルもニール自身(ギターはレス・ポール・カスタム←たぶん)で、ここは完全にニールの独壇場。ジミヘン好きとしてはこの選曲は歓迎なのだが、ことJourneyのライヴとなると……。カヴァーをやるくらいならあの曲をやってくれ、というリクエストが10曲でも20曲でも出てくる(笑)  でも気持ちはわかる。ギタリストからすると、ジミはプレイしていて楽しくてしょうがないんだよね。でしょ、ニール?(笑)  ジョナサンのサンプリングのS.E.をバックにしたキーボード・ソロに続いてJourneyを…いやアメリカン・ロック史に残る名バラード"Open Arms"  イントロで会場内に一際大きな歓声が上がる。素晴らしい歌唱でこの名作を描ききったオウジェリーのパフォーマンスは、高い音響のクオリティとも相俟って、まさに至福の時間を記した。オウジェリーが"Journeyに絶対必要な人間"であるというのをこの時私は実感した。"Open Arms"の余韻を引きずるように、"さくらさくら"の優しいメロディをニールが弾き語ると(この人は早弾きしている時より、泣きのメロディをゆったりとプレイしている時のほうが絶対好き!)流れるように"Send Her My Love"の幻想的なイントロへ突入してゆく。このパワー・バラードも、CDで聴く限りはややフックに欠けている感じがして、なんとなく流れていってしまうことが多いのだが、こうやって生で聴くとまるで別の曲かと思えるほど魅力的だ。オウジェリーのエモーショナルな歌唱も心地よくて、自然に身体が動いてしまう。ジョナサンの「キョウハ キテクレテ アリガトウ  etc.」という日本語のMCを挟んで、70年代〜グレッグ・ローリー在籍時のJourney特有といってよい独特のノリを持つ名曲"Just The Same Way"  ここでも、ジョナサンとオウジェリーが"Feeling That Way"〜"Anytime"のメドレー同様、抜群のヴォーカルの掛け合いを披露する。しかし、会場を埋めた世代を見てもこの辺のヒット曲はもっと受けるのではないかと予想していたのだが…やはり「Escape」アルバム以降、80年代のヒット曲を期待している人が大半なのだろうか…と、ヒット・シングルではないが、キャッチー且つハードな、いかにもライヴ向けのダイナミズムを発散する「Escape」アルバムのタイトル・トラックが会場全体にうねりを生み出す。サビのパートで美麗なハイ・トーンを聞かせるのはなんとディーン・カストロノヴォ。よくあれだけ激しいドラム・プレイをこなしながら歌うことができるものだ。ていうか、その前にこんなに歌える人だとは恥ずかしながら知りませんでした…。(他の公演では、彼が"Suzunne"他をまるまる1曲歌ったそうですが…)"Faithfully"…決して思い入れは強くないこのバラードが、この日ほど鮮烈に私に響いたことはなかった。煌くようなジョナサンのキーボード・フレーズに、せつな過ぎるメロディ・ライン。そして、オウジェリーの伸びやかなヴォーカルがメロディの魅力を増幅し、眩暈がしそうなほど美しい空間を演出。間違いなくハイライトのひとつだった。本編最後は代表曲中の代表曲が連続。個人的にも最も好きなJourneyの曲の1曲である"Don't Stop Believin'"は、秀逸な楽曲構成と歌詞を持った名曲だが、生で聴いて改めてその展開の見事さを全身で感じることができた。そう、これはストーリー性を持ったポジティヴな歌詞の存在も重要なのだが、サビ(コーラス)でリスナーの感情が自然に爆発するつくりになっているのだ。正直いうと、この曲だけは一度スティーヴ・ペリーのヴォーカルでも聴いてみたかったな。Journeyのへヴィ・サイドを代表する"Separate Ways"で、会場のテンションはこの日最高の高まりをみせる。ディーンのドラムスが、楽曲の重厚さをより高め、この大ヒット曲に新たな息吹を与えていた。昔、Bad Englishで初めてディーンのプレイを聴いた時は、ドラムスはもとより音楽知識全般に欠けていたこともあって、何故彼がこれほどまでに評価され、"ミュージシャンズ・ミュージシャン"的な扱いを受けているのかわからなかったものだが、こうやって目の前でそのプレイを体感するとしろうとでもその凄さはすぐわかる。リズムの正確さは当然として、「重さ」と「シャープさ」をここまで兼ね備えているドラマーはそういないだろう。サウンドのバランスが非常に良かったこともあり、ショウを通してディーンのドラムスはとても心地よい刺激を与えてくれた。とどめは"キャッチー"という言葉はこの曲の為にあるとさえ言いたくなる名曲"Any Way You Want It"  これぞアメリカン・ロックの王道。歌わずにはいられない! 大きなアクションで観客を煽り、サビを歌わせるオウジェリーは、この日最も生き生きとした表情とアクションを見せてくれた。本編を締めくくるのにこれ以上の曲はないだろう。アンコール。お別れの曲はスティーヴ・ペリー在籍時のライヴ同様、ちょっとルーズに、より土着的にアレンジされた"Lovin' Touchin' Squeezin'"  イントロではジョナサンがブルース・ハープをプレイ。(しかし本当に器用だ、この人は…)  コーラスの"La La La…"は勿論会場全体で合唱。ヴェテランらしい余裕と貫禄を感じさせる素晴らしいプレイで締めくくり、完成された1時間40分のエンターテインメントは幕を閉じた。
  注目していたオウジェリーだが、至近距離で見た彼からはやはりペリーほどの華やかさ、スター性を感じることはできなかった。が、それが問題だったかというと決してそんなことはない。オウジェリーはJourneyの美しい音楽の世界を完璧に演じる能力を持っているのだ。出るところは出て、引くべきところは引く。オウジェリーの絶妙なバランス感覚が、決してスター・プレイヤーではないが、個性と卓越した技術を持つ各メンバーをも際立たせ、結果セット・リスト全体にも絶妙のアップ・ダウンを設けることができたといえないか。経験値にプラスして、ユニットとしての整合性と、音楽の多様性を備えたヴェテラン・バンドにはぽっと出のバンドには持ち得ない凄みを感じる。最後にひとつだけお願い。次回の来日ではもっと新曲やってね!
Journey/Greatest Hits(DVD)

Journey/Greatset Hits DVD
(1978-1997)

1.Don't Stop Believin'
2.Wheel In The Sky
3.Faithfully
4.Any Way You Want It
5.Separate Ways(Worlds Apart)
6.Lights
7.Lovin' Touchin' Squeezin'
8.Be Good To Yourself
9.When You Love A Woman
10.Who's Crying Now
11.Send Her My Love
12.Girl Can't Help It
13.Open Arms
14.Just The Same Way
15.Stone In Love
16.Feeling That Way
17.After The Fall
18.I'll Be Alright Without You



Set List

1.Be Good To Yourself
2.Only The Young
3.Guitar solo(Star Spangled Banner)
4.Stone In Love
5.Wheel In The Sky
6.Lights
7.Walks Like A Lady
8.Feeling That Way
9.Anytime
10.Chain Reaction
11.Voodoo Chile
12.Keyboard Solo
13.Open Arms
14.Send Her My Love
15.Just The Same Way
16.Escape
17.Faithfully
18.Don't Stop Believin'
19.Separate Ways
20.Any Way You Want It
Encore
21.Lovin' Touchin' Squeezin'

Live Review
Site Top




SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送