Matt White & Melee
at Liquidroom Ebisu Jan, 31 2008

Matt White set list:

1.Lover
2.Miracle
3.Just What I'm Looking For
4.Anybody Else
5.I'll Be There
6.曲名不明
7.Best Days

  Matt White:
  「もしかしたら、彼の方が気に入ってしまうかも…」という予想は当たり、ライヴが終わった後頭の中に鮮烈な印象を残していたのは元々お目当てであったMeleeでなく、ギター、そしてピアノのみで弾き語りを聴かせた新鋭シンガー・ソングライターであった。このライヴ・リボートがマイク・ホワイトのこと中心になってしまうのをお許し願いたい。しかし、"ライヴ当日はじめて名前を知り、曲を聴いた"ばかりのアーティストにこんなに心奪われてしまうとは。この日の朝、Meleeのライヴにオープニング・アクトがつくことを知り、早速Myspaceで曲をチェック。まるで故ジェフ・バックリーのような艶と伸びのあるヴォーカルによって歌われる美しいメロディに目が点に。特にメロディがキャッチーな"Best Days"という曲は一度聴いただけでハマってしまった。
  会場でCDを販売しているか定かでないので、途中CDストアでデビュー・アルバム「Best Days」を購入し会場のリキッドルームへ向かう。客の入りは8割半〜9割といったところだろうか。なるべく近くで見たかったので、フロア下へ降り、中央寄りの見やすい位置を確保した。ほぼ定時にふらっとステージに登場したマットは、アコギを抱え、フォーキーで優しいメロディを持った"Lover"を静かに歌い始める。ちょっと宙を泳いだような視線から、最初少し緊張しているのかとも思ったが、流石バスキングで鍛えている(のは後で知ったのだが)だけある。よく伸びる声と繊細で美しいギターの音色でたちまち会場全体を集中させた。そのルックスはマイケル・ペンとエルヴィス・プレスリーを合わせたような感じ。なんというか"クラシック"な雰囲気を放っている。ここで自己紹介を挟んだあと、これもナイーヴで美しいメロディが印象的な"Miracle"へ。そのセクシーなヴォーカルは、"陰りをやや薄めたジェフ・バックリー"といった趣。マットのファンがゲフィン・レコードの上層部にこの曲のMP3を送ったのが契約のきっかけになったそうだ。これは名曲である。続いて「皆に僕のバック・バンドになってほしいんだ」と、"アーアーアーアー"というコーラス・パートの練習を観客にさせてから"Just What I'm Looking For"をスタート。これもクラシックなフォーク調の曲。会場にいる人の大半が、この曲をはじめて聴いたのではないかと思うが、サビでの会場全体の息がぴったり合ったコーラスが見事に決まり、マットから「皆パスポート持ってる? 僕のバンドに入ってくれよ」という言葉が出たほど。この後マットがピアノの前に座ったのには、全編ギターの弾き語りなのだろうと勝手に予想していたので驚いた。これもライヴ後に調べて知ったことなのだが、マットが幼少時に最初に覚えた楽器はピアノだったそうなのだ。"Anybody Else"は、CDではエレクトリック・ギターのシャープなリフを基調としたロック・チューンだが、ここでは自然に手拍子したくなるようなリズミカルなピアノが印象的な、全く異なるアレンジがなされている。マットのヴォーカルは、それ以前の3曲と同じシンガーか?と思えるほどの違いをみせ、その太くソウルフルな声はスティーヴィー・ワンダーを思わせた。続く"I'll Be There"もピアノでプレイされたが、これはアルバムでもピアノのリフが基調になっていたので、"Anybody Else"と比べアルバム・バージョンに近い印象。比較的シンプルな構成の曲ながら、じわじわと盛り上がっていくドラマティックさが堪らない名曲である。というか、この日マットがプレイした曲はどれも皆素晴らしかった!マットの声とピアノのコンビネーションは、瑞々しく本当に奇麗な音を生んでいた。再びギターを抱えたマットはささやくような繊細なヴォーカルでフォーク・ロック調の曲を歌い上げる。曲名がわからないのだがこれも素敵な曲だった。日本でもアルバムが早くリリースされる(日本盤が出る)ことを祈ってるよ。もうすぐMeleeが出てくるぞ、盛り上がってるかい!etc.とMCを入れ、最後の曲"Best Days"へ。この美しいメロディ。愁いのあるマットのヴォーカル…。思わず涙が。その音楽の中に様々な歴史的ミュージシャンのエッセンスを湛え、シンプルに音楽の美しさを伝えてくれたマット・ホワイト。早いソロでの再来日を願ってやまない。
 
 Matt White/Best Days

Best Days(2007)

1.Play
2.Best Days
3.I'll Be There
4.Moment Of Weakness
5.Love
6.New York Girls
7.Miracles
8.Wait For Love
9.Anybody Else
10.Just What I'm Looking For
11.Paradise

Produced by
Ron Fair, Jack Joseph Puig,
Tom Panunzio & Paul Umbach
 
 
Melee set list:

1.For A Lifetime
2.Biggest Mistake
3.New Heart
4.Perfect Mess
5.Imitation
6.Sick
7.You Got
8.Love Carries On
9.Rhythm Of Rain
10.Pennsylvania
11.The Curse
12.Frequently Baby
13.Drive Away
14.New Day
15.Can't Hold On
16.Built To Last
17.Stand Up

18.She's Gonna Find Me Here
19.The War
  Melee:
 ハードにロックする曲からバラードまで、実に安定した演奏力。クリス・クロス(リード・ヴォーカル/ピアノ/ギター)のパワーと伸びやかさを備えたヴォーカルと、端正なヴォーカル・ハーモニー(大半はクリスとベーシストのライアン・マロイによるもの)  日本語も交えてファンと楽しそうにコミュニケーションをとる各メンバーの親しみやすいキャラクターとルックスにはアイドル人気も納得、と思えたし、何しろ出てくる曲全てが思わず歌いだしたくなるメロディーのフックを備えており、心地よいことこの上ない。敢えていうなら「Everyday Behaviour」(2004・日本版未発売)の曲になるとやや会場内のテンションが落ちたように感じたのが残念だったが、これは曲、演奏に問題があったというより「Everyday Behaviour」を知らない、又はあまり馴染んでいないファンが多かっただけなのではないかと思う。実際"Perfect Mess"にしろ、ラストの"The War"にしろ、ライヴで一層のダイナミズムを得て、アルバム以上の輝きを放っていたのだから。しかし、このMeleeの"クラシック"なかほり漂うサウンドと、会場を埋めた大半の若い女性ファンとのバランスが何とも不思議な感じ。70年代ロックの影響が色濃い楽曲そのものは勿論、"洗練"にまでは決して至らない適度にラフなサウンドもレトロな空気を発散している。(そうそう、たらんと垂れた小さめのバックドロップもね・笑)  "Imitation"のイントロに挿入されたBostonの"Foreplay"やクリスの"Are you ready for love〜♪"とのポール・ロジャースなせりふに、心の中でおじさん喜ばせてくれて有難うと感謝しつつ周りを見渡し、何故30代以上のファンがこんなに少ないんだーと叫びたくなったり(苦笑)  しかし、フル・アルバム2枚で、これだけショウの流れにメリハリをつけられるのは大したもの。優れた演奏力、そしてやはり楽曲の持つ力が大きいのだろう。クリスのヴォーカルの魅力を如何なく披露したバラード"She's Gonna Find Me Here"からパワフルな"The War"へ繋げるアンコールも秀逸。"アットホーム"という言葉がぴったりな、とても楽しい時間だった。
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