Pretenders Live In Japan 2004

Pretendersのちらし   クリッシー・ハインドは凄かった。
東京公演初日。2月3日の公演が終わった後、私はすぐにチケット販売のブースに飛び込んで翌日4日のチケットを買った。いや、4日も仕事を休めるのはわかっていたのだから前売り券を買えばよかったのだが、何せオリジナル・アルバムさえまともに揃っていない中途半端なファンなので、ライヴが楽しめるか少々不安だったのだ。来日直前に最新ライヴDVD「Loose In L.A.」を購入し、最低限の予習はしていたものの、まだメロディと曲名が一致しない曲は多いし、持っていないアルバムはあるし…。初日がもし良かったら、当日券を買って翌日の公演を見ればいいやと。ところが…。
  実際にライヴを見てみれば、初日(2月3日)に曲名がすぐ浮かばなかったのは"Rebel Rock Me"くらいのもの。初期の曲から最新作の曲まで、ヒット曲、代表曲が満遍なく
選ばれたセット・リストは全くといってよいほど中弛みがなく、最初から最後まで飽きさせるということが無かった。
そして初めて生で見るクリッシー・ハインドの圧倒的な存在感。カッコよすぎでした。歌唱、ギター・プレイ、立ち振る舞い、MCその全てが強烈なインパクトを持って迫ってきて、特に初日は、私は圧倒され凍ったようにステージを凝視していたのだった。

  さて、今回は比較的冷静に(笑)見ることのできた2日め、4日のライヴ・リポートを。昨日は、友人のおかげで11列目の真ん中という最高のポジションで見ることができ、視覚面にも音響面でも文句のつけようがなかったのだが、今日は26列目というかなり後ろの席。クリッシーの姿が小さくなってしまうのはしょうがないとして、音が少し心配だ。開演時刻を10分ほど過ぎた頃、"Space Invader"のBGMにのってメンバーがぞろぞろとステージへ。おっ、この重いイントロは…やった!  "Lie To Me"だ!!  昨日のムーディな"Hollywood Perfume"も良かったけれど、やっぱりオープニングはこういったスピード感のあるナンバーがいい!サウンドのバランスは…う〜ん、正直昨日の11列めのほうが良かったかな。頭の斜め上にある2階席の「出っ張り」に妙に音が反響しているようで、ギターもクリッシーのヴォーカルもいまいちシャープに聞こえてこない。ただ、面白いことにマーティン・チェンバースのドラム・サウンドのバランスだけは今日の方が良く聴こえる。スネアの音が重すぎず軽すぎず、心地よく体に響いてくる。メンバーはステージ向かって左からベーシストのアンディ・ホブソン、真ん中に赤のテレキャスターを抱えたクリッシー、下手にギターのアダム・シーモア、後方左に「何でもプレイできる」(クリッシー)キーボーディストのジベン・ジェイムスソン。後方中央には、プロレスラーと見紛うようながっしりした体格のドラマー・マーティンがデンと構える。バックドロップにはカーテン以外には何も無い、非常にシンプルなステージだ。ストロングな"Lie To Me"が終わると、ドタンバタンいうヘヴィなドラムスとスカスカのギター・リフが特徴的な「Pretenders U」アルバムからのヒット曲"Message Of Love"  "Message Of Love"が終わると、奥さんが日本人だというアダムがクリッシーに促されて「トウキョウ・イチバン!」とひとこと、同じく「Pretenders U」からキャッチーな"Message Of Love"が演奏される。しかし、昨日の東京初日はPretendersのそのライヴ映えする楽曲の力に圧倒されっぱなしだったが、この"Message Of Love"などその典型といってよいだろう。煌くようなギター・サウンドに、伸びやかなクリッシーのヴォーカル。正直、ライヴを見るまでこんなに良い曲だとは思わなかった。4曲目は再び新曲の"You Know Who Your Friends Are"  80年代のニュー・ウェーブ・サウンドをモダンなアレンジで蘇らせたようなポップな佳曲だが、場内の反応は鈍い。客の年齢層が高いのはわかるけど…ちょっと静か過ぎませんか皆さん?  「次の曲は世に埋もれた『Packed!』アルバムからの曲よ」というクリッシーのMCには思わずすみませ〜んと謝りたい気分だった。「Packed!」私恥ずかしながらまだ買っていないんですよ! このアルバムからやるなら、シングルカットされた"Never Do That"か"Sense Of Purpose"だろうなんて考えていた私は甘かった。それにしても、この"No Guarantee"はアグレッシヴでかなりインパクトのある曲だ。アダムが体を前後に大きく揺すりながらソロを弾く。「Packed!」早く手に入れないと!
  最新ライヴDVD「Loose In L.A.」と同様、クリッシーの「(オリジナル・メンバーの)ピーター・ファーンドン、ジェイムス・スコットに捧げる…」というMCの後名曲"Kid"へ。しかし、あのDVDはクリッシーのコメントの大事なところを訳していないんだよー。「ピーターとジェイムスが居なければ、今のPretendersはなかった」と言っているのに!  CDで聴く透明感のあるサウンドがン十倍増幅されて会場いっぱいに広がる"Kid"のライヴ。本当に眩暈がするほど素晴らしいのだが、特に美しいのがアダムのギター・ソロ!  今日は大丈夫かと思ったけれど、やはり前日と同じ箇所で涙腺にきてしまった。6曲めでこれだもの…。「次の曲は1stアルバムから。覚えてる人もいるでしょ」  "Up The Neck"は正直言うと、ライヴで生で聴くまでは何とも思わなかった曲だった(恥)  いやはや、凄い。ボトムの効いたギター・リフ。クリッシーのダイナミックなヴォーカル。そこら辺のメタル・バンドが裸足で逃げ出すヘヴィさだ。ああ、Cheap TrickはAerosmithじゃなくてPretendersとツアーすればいいのに…おっと、話しが横道に逸れました(笑)  "My Baby"もライヴの方が何倍もよく聞こえる。中盤、"Walking on stage〜"のパートでベースのアンディが照れくさそうに観客に手拍子を求めるシーン(「Loose In L. A.」参照)があるのだが、これが妙に味があって良いのです。そして、今日はここで登場しましたPretenders、90年代最大のヒット・アルバム「Last Of The Independence」(1994)より"Hollywood Perfume" グルーヴ感のある重いリズムが印象的だ。 と、ここで周りを見渡してふと思った。皆さん、もしかして私よりアルバム聴いてないんじゃない!? ファンの年齢層が高いとはいえ、この反応のなさはあんまりだ…。しかし、メンバーはそんなことは全く気にする様子もなく熱のこもった演奏を続ける。
  「全ての敗北者に捧げます」 ギターを下ろしたクリッシーが歌い上げる"The Losing"は個人的に今回の来日公演のハイライト。片手を握り締めたり上にかざしたり、体を大きく使いながら美しいバラードを歌い上げるクリッシー。いや、クリッシーのヴォーカルを甘く見てていたわけではないけれど、まさかこれほどまでに凄い歌を聴くことができるとは。繊細さから力強さまで。1曲の中で感情を自由にコントロールするクリッシーの表現力に胸が詰まる。やばい、涙が…。"The Losing"のアウトロはそのままジベンの奏でる"Hymn To Her"の静かなイントロに繋がる。CDとは違ってキーボードの伴奏のみの簡素なアレンジのうえで、伸びやかなクリッシーのヴォーカルが一層艶やかに響いていた。
  場内が最も盛り上がったのは中盤の大ヒット・シングル2連発かな。"Don't Get Me Wrong"では、途中でクリッシーが演奏をストップさせ、「Loose In L. A.」同様、スゥイング・バージョン(?)で艶やかに歌い上げる。楽しい。それにしても、「Loose In L. A.」同様、歌に入るところをクリッシーは一拍遅れるが、あれはお約束なのだろうか!?  CDバージョンにほぼ忠実なアレンジで披露された"Back On The Chain Gang"はクリッシーとアダムの繊細なギター・トーンがあまりに美しい。流石に大ヒットした曲(アメリカでは過去最大のヒット)だけあってファンの反応もいい。続いては再び最新作「Loose Screw」からハード・ロック然とした"Fools Must Die"  激しく体を揺すりながら弦をかきむしるアダムのギターが強烈だ。このギタリスト、派手さはないけれど非常に多彩なフレーズを聴かせてくれてエキサイティングだ。うぉー暴れたい(笑)    しかし、周りが静かであまり盛り上がることが出来ず…ニュー・アルバム、みんなあまり聴いていないのかな?  ウエスタン調の性急な"Rebel Rock Me"は「Last Of The Independence」(1994)収録曲。昨日はこの曲に反応できなかったのだが、帰宅してからしっかりアルバムを復習したので今日はバッチリ!(笑)  今回の来日公演のセット・リストの中でも特にファンに「知られていない」曲のひとつだと思うが、非常にノリのよいライヴ映えする曲なので、バンドが拘ってプレイしているのがわかる気がした。続いて同じく「Last Of 〜」より、スマッシュ・ヒット"Night In My Veins"  クリッシーのメロディ・センスとスタインバーグ/ケリーのメロディ・センスが絶妙にマッチした名曲。大好きな曲です。良かったーやってくれて!  そして本編最後は1stアルバムのオープニングを飾るパンキッシュな"Precious"  一回見て心の準備はしていたつもりだが、再び強烈なビートに圧倒される。CDで聴くクリッシーならではのあの独特の歌いまわし、生で聴くと一層凄いです。オープニングが最新作の1曲め。そして本編の終わりで、Pretendersの「原点」が詰め込まれた"Precious"で、変わらぬスピリットを見せつける。文句のつけようがない構成だ!
  アンコール一曲めは、Pretendersの楽曲の中では恐らく最もコマーシャリズムが前面に出た一曲といえる、1994年の大ヒット"I'll Stand By You"  伸びやかなクリッシーの歌声にジベンの煌くようなキーボードが彩を添え、なんともいえない甘い空間を作り出している。あああ、またも涙腺が…。"I'll Stand By You"が静かに終わると一転、ここでマーティン・チェンバースの短いドラム・ソロ・コーナーだ。ショウの間、スティック投げ、水吹き(笑)といった視覚に訴える小技を織り込みながら重い、タメの効いたドラムを響かせていたマーティン。(個人的に彼のキャラ好きです(笑))  ソロの最後の「スティック・スロー」が合図になり、それは"Middle Of The Road"のイントロへと繋がる。激しいドラム・フィル。そしてギター・リフ。ライヴでの"Middle Of The Road"は凄い!  早口で、言葉を吐き出すような(でも、しっかりメロディになっている)クリッシーならではの歌いまわし。各メンバーのパフォーマンスもアグレッシヴだ。ショウの間中黙々とビートを刻んでいたアンディも、身をよじらせステージへ体を擦りつける。中間部でのクリッシーの独特のダンス(これを真似している女性アーティスト結構いる!)、そしてブルース・ハープのソロもクールに決まった。ここでメンバーは一旦引っ込み、大きな拍手で再びステージに呼び戻される。昨日はラストで演奏された"Mystery Achievement"  これまたCDで聴くよりずっと重い音で凄まじい。CDバージョンでは、70年代末からのパンク〜ニューウェイヴを経由した「あの時代」の音として響いてくるのだが、ライヴではモダンなへヴィ・ロックに完全に姿を変えている。最近の若手バンドが演ったとしても何の違和感もないだろう。それにしても、1stアルバム「Pretenders」は力のあるアルバムだなあ。今日は結局トータルで5曲1stアルバムから披露されたが、どの曲もその輝きを失っていないどころか、メロディや構成の巧みさに改めて発見したことも多かった。最後はクリッシーならではの歌詞、そしてクリッシーにしか書けないメロディの詰まったこれぞPretendersたる名曲"Brass In Pocket"  ギターを外し、体全体で曲のストーリーを表現するクリッシーのパフォーマンスが会場に一体感を生む。あらゆる動作がいちいちカッコいいんです、クリッシーは。とても50代には見えないよ!
  
クールに、そして全くの自然体で現在のミュージック・シーンを生き続けているクリッシーとPretendersのメンバー。変わらぬその姿勢と充実したパフォーマンスには心からの敬意を表したいです。今度は17年も待たせないでね(笑)
 Feb,3 at Shibuya-Kokaido
1.Hollywood Perfume
2.Message Of Love
3.Talk Of The Town
4.You Know Who Your Friends Are
5.Kid
6.Up The Neck
7.My Baby
8.Popstar
9.The Losing
10.Hymn To Her
11.Complex Person
12.Don't Get Me Wrong
13.Back On The Chain Gang
14.Fools Must Die
15.Rebel Rock Me
16.Night In My Veins
17.Precious
----------------------------
18.I'll Stand By You
19.Middle Of The Road
----------------------------
20.Stop Your Sobbing
21.Mystery Achievement

Feb,4 at Shibuya-Kokaido
1.Lie To Me
2.Message Of Love
3.Talk Of The Town
4.You Know Who Your Friends Are
5.No Guarantee
6.Kid
7.Up The Neck
8.My Baby
9.Hollywood Perfume
10.The Losing
11.Hymn To Her 
12.Don't Get Me Wrong
13.Back On The Chain Gang 
14.Fools Must Die
15.Rebel Rock Me
16.Night In My Veins
17.Precious
----------------------------
18.I'll Stand By You
19.Middle Of The Road
----------------------------
20.Mystery Achievement
21.Brass In Pocket
Live Review
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