Prince at Budokan November,18 2002

 <後半>

"I'm gonna be your D.J. tonight"
 非常に豪華(という表現を使いたくなった)なアレンジが施された"Pop Life"で観客
のテンションは更に上昇。何か終末感漂うような不気味なイントロでスタ−トしたのは"Xenophobia" (という曲だとわかったのは、恥ずかしながらライヴが終ってからのことでした…) 重いグル−ヴ、そしてPrinceの弾く分厚いキ−ボ−ド・サウンドとホ−ンの絡み合い(Macio Parkerのソロがとてもク−ルだった)が空間に一種独特のうねりを生んでいた。最後、ドラム・ソロが終った後にJohn Blackwellがヘアブラシで髪を整えたのがかすかに確認できた…と思う(笑)

"In the meantime......I'd like to do something for you"
4曲めで、早くもショウは最初のハイライトを迎える。正直、決して私の中で
プライオリティは高くなかった"Purple Rain"  しかし、その演奏が、歌が、空間が
そうさせたのか、その静かなイントロから吸いこまれる様に曲に入りこんでしまった
私は思わず一瞬呼吸をするのも忘れていたほど。Princeのギタ−・ソロももっと下世話に
攻めるのかと思いきや、驚くほど泣きを発散していて…ただただ感動でした。
 
"I am funky!"
 "The Work pt.1" "Mellow" "1+1+1=3"と新作「Rainbow Children」からの3連発。この時間は何も考えず心地よいグル−ヴに身をまかせていたら何時の間にか過ぎ去ってしまった(笑) "The Work"は、普段ブラック系をそれほど聴いていない私からすると非常に正統的なファンク・マナ−にのっとった曲、という気がした。Macioのサックス・ソロが圧巻だ。コ−ラスをとっていたのはRhonda Smithかな?  途中でPrinceが歌をブレイクして、ファン5人をステ−ジに上げダンス・タイム。これには賛否両論あったようなのですが、私の2階席からはバンド・メンバ−もファンもマッチ棒程度の大きさにしか見えず…もっと近くで見たかった(泣)"Mellow"はその名の通りメロウでスウィ−トな、大きく様変わりした「Rainbow Children」の中でも従来のPrinceらしさを残していてホッとする曲だ。これは好きな曲だったので嬉しい選曲だった。"1+1+1+1=3" Princeのシャ−プなリズム・ギタ−、"spacey"なんていう表現が浮かぶRenato Netoのうねるキ−ボ−ド。グル−ヴというよりは、こちらの体の芯をボンボン打ちつけるヘヴィなリズム、が会場を一体にする。Ohio Playersの"Love Rollercoaster"('76年の全米No.1ヒット)も挿入されていたようだが、これはオリジナルのような"エロさ"を発散させる前に一瞬にして終った(笑)
 
"Do you like radio.....?" 
Princeの思いきり"Santana"したギタ−と、CDより簡素なアレンジが叙情味を増幅させていた"The Question Of U"(1990年・「The Graffiti Bridge」)で呼吸を整えた後は「Sign O' The Times」(1987)より"Strange Relationship".....今のバンド編成を活かしたアレンジ(キ−も変えていたみたい)も嵌っていたのだろうけれど、こんなに良い曲だったのか!と心の中で叫んでしまった。体に響く低音が心地よい。"Pass The Peas"と"The Ride"に関してはこれから勉強しなくちゃ。ゴリッ、ゴリッという個性的なギタ−・カッティングにリ−ドされてスタ−トしたのは「Sign O' The Times」よりアルバム・タイトル・チュ−ン。"Strange Relationship"と同様、ロックしたアレンジが最高にク−ル。それにしてもライヴで聴く「Sign O' The Times」の曲はダイナミックで素晴らしい。「Sign...」がプリンスの作品の中でも特に密室的な音づくりなので、余計ギャップを感じるんでしょうね。また-- これは"Sign..."に限ったことではないですが --生で聴くPrinceのVoは思った以上に落ち着きと深みがあり、非常にエモ−ショナルでした。(彼も年を重ねているのだから、当然と言えば当然ですが…) 続く"Take Me With U" "Rasberry Beret"のヒット曲メドレ−は…もう頭を空っぽにしてただ盛り上ってました(笑) 詳細は思い出せず…。特に"Rasberry Beret"は大フェイバリットなので感無量でした(フル・サイズでは無かったですが)。"Rasberry..."の極彩色でサイケでポップな空気が会場を包んだところで、間を空けずバンドはもう一度"ファンク・モ−ド"にギアをチェンジする。本編最後は「Rainbow Children」より"The Everlasting Now".....このショウにおけるアクセントの付け方、心憎いばかりだ。 ゴリゴリ押し捲るバンドの演奏力、アンサンブル、各メンバ−の実力をいかんなく見せつけるソロ・パ−ト(確かMacioが日本的なメロディを吹いてくれた) 会場の一体感。凄いとしか言いようがない。

"Goodnight"
轟音のようなフィ−ドバック音とSEにステ−ジ上のメンバ−が一度さらわれ、本編は終了。鳴り止まない拍手と"Ohhh. Tokio"という観客のコ−ルに呼び戻されたPrinceは、ステ−ジ中央にセットされたキ−ボ−ドに着く。"Condition Of The Heart"〜"The Most Beautiful Girl In The World"〜"Diamonds And Pearls"〜"Adore"〜"The Beautiful Ones"〜"Nothing Compares 2U"〜"The Ladder" 80年代初期から90年代半ばまでの名曲をずらり揃えたメドレ−だ。琴線を刺激せずにおかないささやきから、叫びまで。広い武道館を一瞬にして支配するPrinceのエモ−ション、演奏はもう圧巻のひとことで、私はステ−ジ中央の一点を見つめてただ聴きほれるだけだった。Princeのヴォ−カルとキ−ボ−ドのみで静かに始まったメドレ−は、徐々にバンドも加わり、ダイナミズムの喚起は"The Ladder"で頂点を迎える。こちらが感動のあまり固まったまま、ス−ッとゆっくり呼吸しているのを察したかのように、"Starfish&Coffee"で一度アクセントをつけた後、Princeは"この曲がまだ残っていたか!"という"Sometimes It Snows In April"でメドレ−を締めくくるのである。完璧な構成だ。エモ−ショナルなヴォ−カル、繊細なキ−ボ−ドによって奏でられるメロディはどこまでも美しく、雪をデザインしたイルミネ−ションと相俟って最高のエンディングを演出していた。
  最後の最後、黒いビ−トと重いリズムがうねりまくる"Days Of Wild"(Princeはベ−スを弾きながら歌った)を勉強不足のため知らなかったのは非常に残念でしたが、この時点で既にPrinceのパフォ−マンスの凄さに圧倒されて放心状態だった私。曲を知っている知らないはあまり関係ない状態だったともいえます(笑) とにかく全編通して何度も山場となる場面があり、2時間半という長さのショウながら全く間延びした感じを受けませんでした。私も最初から最後まで高揚しっぱなしで…Princeはやっぱり凄かった!


※稚拙な文章を読んでくださってありがとうございます。デ−タ、スペル等のミスございましたら教えていただけると幸いです。



※Unofficial Prince Fan Site/More Prince(ガム太郎のもっとプリンス)管理人のガム太郎さんより、このライヴ・リポ−トについてご指摘をいただきました。

(確かMacioが日本的なメロディを吹いてくれた)
→「これはMacioではなく、トロンボーンのGreg Boyerだと思います。(吹いていたメロディは)"通りゃんせ"でしたね」とのことでした。ガム太郎さん、フォロ−どうもありがとうございました!



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