Summer Sonic 2006
at Chiba Marine Stadium & Makuhari Messe Aug,13 2006
Fall Out Boy / Lostprophets / My Chemical Romance / Tool

Fall Out Boy/From Under The Cork Tree

Fall Out Boy
/From Under The Cork Tree
(2005)



Set List
1.Our Lawyer Made Us Change
The Name Of This Song So We Wouldn't Get Sued
2.Of All The Gin Joints
In All The World
3.A Little Less Sixteen Candles,
A Little More "Touch Me"
4.I Slept With Someone In Fall Out
Boy And All I Got Was This Stupid Song Written About Me
5.Nobody Puts Baby In The Corner
6. Where Is Your Boy
7.Sophomore Slump Or Comeback
Of The Year
8.Tell That Mick He Just Made My
List Of Things To Do Today
9. Sugar, We're Going Down
10.Dance, Dance
11.Saturday
Fall Out Boy -- Marine Stage 14:20〜

  演奏力はいまいち…と噂は聞いていた。また、予習のため色々チェックしたライブ映像からも、演奏力、歌唱力で魅せるというよりは若さを全面に押し出した明らかに勢い重視のライブであることを確認できた。私的には、このだだっ広いスタジアムでFOBの持つキャッチーなメロディー・ラインがどこまで明瞭にファンに届くか…というのをポイントにして見ていたが、果たして、CDで聴けるメリハリのあるメロディの魅力が十分に表現できていたとは思えない。パトリック・スタンプ(ヴォーカル/ギター)は、お世辞にも上手いシンガーとはいえず、随所で線の細さを露呈。べースのピート・ウェンツとギターのジョー・トローマンはアグレッシブなアクションで観客の目を弾きつけてはいるものの、演奏面、サウンド面でのアイデンティティはあまり感じなかった。しかし、それで楽しめなかったかというとそんなことはなく、寧ろ過剰な期待がなかったのが良かったのか、良質の楽曲を次々繰り出す、FOBのひとつのユニットとしてのパワーにだんだん引き込まれていったのだ。最新作「From Under A Cork Tree」と同じく"Our Lawyer Made Us Change 〜"から"Of All The Gin Joints〜"に続く流れで始まったライヴは、結局2曲を除き全て「FUACT」アルバムの曲で構成されていたが、その途切れない心地よさは、そのままアルバムのクオリティを証明していたといえる。終盤"Sugar, We're Going Down"  "Dance, Dance"というポップ且つ特徴的なヒット・チューンで山場をつくり、パンキッシュでストレートな"Saturday"で締める流れにも拘りを感じさせた。あと、特筆すべきはアンディ・ハーレイのドラミングだ。アンディも、特別凄いテクを持っているわけではないのだが、アンディのタイトでパワフルなプレイが常にバンドをリードし、サウンドの核になっているのが伺えた。後FOBに必要なのは、ポップな曲はよりポップに、メロディアスな曲はよりメロディアスに響かせる為の努力だろうか。最後に、翌日14日の渋谷O-Eastにおける単独公演は、より充実した内容の楽しいショウだったことをお伝えしておきたい。  (9/2/2006)
Lostprophets/Liberation Transmission

Lostprophets
/Liberation Transmission
(2006)


Set List
1.Everyday Combat
2.To Hell We Ride
3.The New Transmission
4.A Town Called Hypocrisy
5.Everybody Screaming !!!
6.Rooftops(A Liberation Broadcast)
7.Can't Catch Tomorrow
(Good Shoes Won't Save You Tomorrow)
8.Last Train Home
9.Shinobi vs. Dragon Ninja
10.Burn, Burn
Lostprophets -- Marine Stage 15:30〜

  このバンドなら、世界各国どのようなジャンルのフェスに出演してもきっと成果が残せるであろう。実に柔軟な音楽センスを持ったバンドである。アグレッシブなギター・サウンドを基調にしつつ、様々なサウンドを取り込んだ多様性が売りであったが、CDを聴く限り、時にその多様性が中途半端に思える場面が多かったのも事実だ。ボブ・ロックをプロデューサーに迎えた「Liberation Transmission」では、その従来の多様性とエッジを残しつつ、メロディの充実に一層力を入れ、普遍的で非常にスケールの大きな音楽を確立することに成功した。10曲中6曲を「Liberation Transmission」の曲で固めたセット・リスト。この構成は大正解だったと思う。その、パワフルでキャッチーな新曲の魅力に生で触れ、CDを聴いて「Liberation〜」はちょっとポップ過ぎる…と思っていたファンも自然に身体が動いたのではないだろうか?  コーラス・パート、ギター・リフ。演奏される曲全てに盛り上がりを喚起するフックが施されており、観客のテンションが保たれていたのがスタンドから良くわかった。視覚面では、ヴォーカルのイアンと、要所で観衆を煽るキーボードのジェイミーがやや目立ってはいるが、プレイヤーとして突出した存在はいない。また洗練さとワイルドさを兼ね備えた("Rooftops"の前にシャツを脱ぎ、その肉体を露に)ビジュアル的に映えるイアンもヴォーカリストとしてみるとやや力量に物足りなさを覚える場面も多く、カリスマ的魅力を持つまでには至らないのだが、その分バンド全体としての雰囲気が非常に良く、整合感のあるプレイで、中だるみを感じさせずラストの"Burn, Burn"まで一気に突き抜けた。ただ、このバンドの持つ繊細な部分のポテンシャルを最大限に引き出すのはやはりバカでかい会場でなく、収容人数4桁クラスの中規模のホールではないかと思ったのも事実だが。イアンの「全員、ジャンプしろ!」というシャウトに併せ、アリーナ全体に巨大なうねりを生んだ"Last Train Home"は特に圧巻だった!  (8/19/2006)
My Chemical Romance/Three Cheers For Sweet Revenge

My Chemical Romance
/Three Cheers For Sweet Revenge(2004)


Set List
※不明
My Chemical Romance -- Marine Stage 16:45〜

Lostprophetsはスタンドから見たが、その後アリーナに降り、特に音が良い(と思われる) グラウンド中央後ろよりに陣取った。ルックス、というよりMCRはバンド全体として見た時の雰囲気がとても良い。特に金髪になったヴォーカルのジェラルド・ウェイは一瞬にして目を奪われる存在感を持っている。
しかし肝心の演奏とサウンド(とジェラルドのヴォーカル)に求心力に欠けているように感じてならなかった。個人的フェイバリットでもある"I'm Not Okay(I Promise)"で勢い良くスタートしたライヴは、プレイこそ安定感があるがプレイにも曲の繋ぎ方もメリハリに欠けており、CDを聴いて感じるメロディの魅力も陰りのあるドラマティックさもしっかり伝わってこなかった。淡々と進んでいって、いつの間にか終わってしまった感じだ。この日に関しては正直期待は外れたが、屋根のある会場で見たら大分違う印象を得ることの出来るバンドかも…とも思った。  (9/2/2006)
Tool/10.000 Days

Tool/10.000 Days

Set List
1.Stinkfist
2.The Pot
3.46 & 2
4.Jambi
5.Schism
6.Sober
7.Lataralus
8.Opiate
9.Vicarious
10.Aenima

Tool -- Sonic Stage 19:20〜

Museの感動の余韻と、疲労でまだぼーっとしているが、ぐずぐずしている暇はない。すぐにメッセでToolのライヴが始まるからだ。無料のメッセ-スタジアム間の巡回バスもあるのだが、待つのが面倒くさいのでトイレで着替えを済ませた後、早足でメッセへ向かう。どうもスケジュールがかなり押しているようで、オープニングに余裕で間に合った。意外だったのは、スペースにかなり余裕があったことだ。もしかしたら入場規制がかかるのでは…?  との心配もしていたのだが全く心配なかった。えっ、Toolの日本での人気はこのレベルだったの!?  少々複雑な気分…。
  正直いうと、過去これだけ"予習不足"で挑んだライヴもなかった。まともに聴きこんだアルバムは最新作の「10.000 Days」のみ。過去の曲で知っているのは、昔深夜放送で聴いた「Undertow」(1992)収録曲を数曲、という情けない状態であったが、Toolの世界にハマりこむのにはそう時間はかからなかった。とにかく全てがケタ違いに凄い。Toolの生む異空間は、観客の知覚と視覚と聴覚を同時に凄まじいインパクトで刺激し続け、それは最初の1音から、最後メンバーが姿を消すまで全く途切れることはない。ステージ下手にギターのアダム、上手にべースのジャスティン。後方右側では、要塞のようなドラム・キットでダニーが複雑極まりないリズムを刻み、後方逆側では、上半身裸にジーンズ、モヒカン頭のヴォーカリスト、メイナードが奇妙なダンス(&ステップ)を魅せながら、メロディアス(そう、Toolの音楽はメロディアスだ)な歌を歌い、強烈なシャウトを響かせる。そして、ステージ最後部には縦長の四面スクリーンが摩訶不思議な、グロテスクな映像を映し続けていた。ああそうだ、Toolのライヴにおける映像は、他のバンドがやるような、単に曲のイメージを増幅させる為のスパイスではなかった。目の前で複雑に展開するサウンドにぴったりリンクしたそれは、音と完全に一体となって、塊となってこちらにアタックしてきた。昼からずっと立ちっぱなしでかなり疲れている筈なのだが、Toolの音と目の前に展開している絵は、まるで力が抜けかけている身体にからみつくようで、こちらの緊張感は全く途切れるということがない。4人のメンバーは何れも凄いテクニックの持ち主であるが、それを無駄にひけらかすようなこともなく、そして勿論それをするパートもなく、常に互いのメンバーと、映像と一体となり曲という芸術作品を作り上げる為全精力を注いでいく。いや、Toolの曲の大部分がミディアム・テンポなのは、もしかしてショウ全体をひとつの作品として見せる為なのだろうか!?  今までに覚えたことのないような不思議な感情をライヴで噴出した私は、会場を後にした時心地よい疲労感に包まれていた。素晴らしい体験。Toolこそ21世紀のプログレッシブ・ロック…そう言い切ってしまいたい。  (9/9/2006)
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