Tears For Fears at Chiba Marine Stadium
Summer Sonic 12(Tokyo Day 2) August,19 2012

- set list -
1. Badman's Song
2. Sowing The Seeds Of Love
3. Change
4. Mad World
5. Memories Fade
6. Everybody Loves A
Happy Ending
7. Billie Jean
(Michael Jackson Cover)
8. Advice For The Young At Heart
9. Everybody Wants To
Rule The World
10. Pale Shelter
11. Break It Down Again
12. Head Over Heels
13. Shout
  Tears For Fears(以下TFF)を観るのが、今年のサマー・ソニックの最大の目的だった。なんと27年ぶりの来日だという。来日公演の実現に向けては、以前から熱心なファンの方のバンドへの働きかけもあったそうで、まさに日本のファンにとっては念願といえる来日であった。

  ã—かし、TFFというヴェテラン・バンドがサマー・ソニックという巨大フェスで、2012年という時代に果たして何を提示できるのか、期待と同時に不安もあったのは事実だ。元々、その時代の音とは剥離した、独自の音楽を追求していたバンドである。1st、2ndアルバムこそ流行りのサウンドと並走しながら多くのヒット曲を生みだしたものの、深度を一気に増した3rdアルバム「Sowing The Seeds Of Love」(1989)以降は完全に独自路線を追求。ローランド・オーザバル、カート・スミスのコンビが復活した2004年の「Everybody Loves A Happy Ending」も「Sowing The Seeds Of Love」と同様60年代のオマージュを全編散りばめながら、より普遍的でシンプルなポップ・ロックにシフトした内容であったが、やはり全く流行とは離れた音楽性で、CDも日本版はリリースされず、ファン層を拡大できたかというと微妙だったのではないか。


  ãƒˆãƒªã®TFFの前に出演したFoster The Peopleの大ヒット曲"Pumped Up Kicks"の強烈なダンス・ビートの余韻がまだ残るなか、3rdアルバムの、決してアルバムを代表するという訳ではないジャジーでダークな歌詞を持った"Bad Man's Song"から静かにスタートしたライヴは、TFFが時代性もジャンルも超越した唯一無二の存在であることをいきなり証明した。これぞ横綱相撲…圧倒的な存在感。

  ç§çš„には3rdアルバムが特に思い入れのあるアルバムということもあるけれども、この掴みにはゾクゾクするような興奮を覚えた。ゆったりとしたノリでじわじわと盛り上げつつ、さらりと各メンバーの技量の高さを披露し、曲が終わる頃にはオーディエンスもTFFにすっかり魅了されているのを感じた。私はカート側2列めにいたので、フロア後方の様子はよくわからなかったのだけれど、7、8割は埋まっていたのではないかな?
  
  2曲目は間髪いれず同じ3rdアルバムからの大ヒット・シングル"Sowing The Seeds Of Love" 3rdアルバムに最も思い入れのある私にとってはたまらない流れだ。CDのそれよりもややゆったりめのリズムで、グルーヴを保ちながら観客をのせてゆくサウンドは非常に心地よく、広いメッセの会場でもきめ細やかな楽器隊の力量、エモーショナルなローランドとカートのヴォーカルの美しさはしっかり伝わってきた(私はヴォーカルに関してはずっとカート派だったのだが、生で聴いてローランドのヴォーカルの力量に感嘆した)

  ã‚¢ãƒ«ãƒãƒ æ¯Žã«å¤§ããªã‚µã‚¦ãƒ³ãƒ‰ã®å¤‰é·ã‚’経て、良い意味で期待を裏切り続けてきたTFFだが、この後の流れでは、その音楽性の幅広さを見せつけつつ、キャリアを通して美意識が貫かれているのも伺わせてくれた。陰りを帯びた1stアルバム収録曲の3連発。そして、一転して視界がぱっと明るくなるようなポジティヴィティを発散する"Everybody Loves A Happy Ending"へ。余興で終わらせない、ブルージーにアレンジしたマイケル・ジャクソンのカヴァー"Billie Jean"を挟み込むのもヴェテランならではの余裕だろう。

  å½“時、リアルタイムで聴いた時とは全く違う感慨を覚える名曲"Advice For The Young At Heart"  æœ€è¿‘のセット・リストを調べた限りだとプレイしない日が多いようだったので、期待していなかったヒット曲"Break It Down Again"(唯一の「Elemental」からの選曲)が聴けたのは嬉しかった。

  çµ‚盤"Everybody Wants To Rule The World"から、ラスト"Shout"までのヒット曲の繋ぎはもう何も考える必要はなかった。既に体に染み込んだメロディ、歌詞を一緒に歌うだけだ。しかし、この日私はもっと夢心地になるのかと思ったら、感傷に浸るかと思ったら意外に最後まで頭はクリアだった。目の前のアイドルは、予想以上にリアルで生々しく、音も逞しかったのだ。伝説ではなく、未来にもしっかりとメッセージを刻む楽曲と演奏の生命力。この日、真の普遍性というものをTFFは見せてくれた

(10/12)

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