Aug, 2003
The Szuters/Magna-Fi
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Produced by Paul Lani
  5曲め、類まれに美しい"This Life"に胸が詰まる。これはSzutersというバンドそのもの、メンバ−自身のことを歌った歌だ。
  1996年、ポ−ル・ギルバ−トのプロデュ−スにより、アルバム「The Szuters」でデビュ−。ここ日本では2ndアルバム「American Pop」(1998)、3rdアルバム「Not At Quite At Budokan」(2000)と順調にリリ−スを続け、そのへヴィ・メタル・ル−ツのソリッドなサウンドに、Cheap Trick直系の優れたポップ・センスでここ日本では確実なファン・べ−スを固め、2000年6月には来日公演も行っている。しかし、母国アメリカではデビュ−以来苦難の連続。日本の音楽ファンの嗜好には合っていたものの、1st、2ndアルバムは母国アメリカではまともなリリ−スにさえ至らず、合間にはアメリカ市場への方向性を意識した「Last Band Standing」(1998・うち2曲は「American Pop」収録曲)なるミニ・アルバムをインディペンデント・レ−ベルよりリリ−ス。それまでのキャリアの集大成的なポップ・ロックの傑作「Not Quite At Budokan」も起死回生にはならず、2002年にはついにバンド名をMagna-Fiと変えるに至る。これは、アメリカでの活動の場を得るためのバンドにとっての最終手段といえるものであったと思うが、さあこれからニュ−・アルバム・リリ−スという時になんと所属レ−ベル「Gold Cercle」が倒産。宙ぶらりんになってしまったアルバム「Burn Out The Stars」は結局インタ−ネットを通じた自主配給というかたちでリリ−スされた。このアルバム「Magna-Fi」は、アメリカ市場向けにサウンドを変えたその「Burn Out The Stars」からピックされた8曲に、日本向けに独自に選曲された4曲(Tr.8、9〜12)を追加した内容になっている。なお、日本ではこれまで同様"Szuters"として活動していくことになった彼らだが、既に日本ではある程度の知名度と評価を得ていることを鑑みるに、これは懸命な選択だったのではないかと思う。多くの曲はもうずっと前にオフィシャル・サイトで"来るアルバムに収録予定の新曲"として公開されていた、耳に馴染みのある曲ばかりだ。(私は恥ずかしながらまだ「Burn Out The Stars」を未購入)ギタ−・サウンドはよりハ−ドに、ソリッドに。メロディは影を帯び、真摯であるが故に時に痛々しささえ感ずる歌詞の世界に呼応するかたちで、マイク・ズ−タ−のヴォ−カルも激しさを増している。サウンド面は、確かに過去の作品よりは多分にアメリカナイズされていると思うけれども、このアルバムがアメリカのシ−ンの中核に食い込んでいけるかというと少々疑問だ。既にこのようなサウンドは新しくない(Tr.2をはじめとしてFoo Fightersを倣ったような曲調も聴けるが、中にはStone Temple Pilotsを連想させるギタ−・パ−トもある)し、どう服装を変えようとも隠しきれない彼らのル−ツ、"異種"の香りがそこかしこに姿を覗かせているからである。が、私はそれを問題だとは思わない。逆にその独自性こそがSzutersの魅力であると信じているから。何より彼らは良い曲が書ける。確かな演奏力がある。1stアルバムから受け継がれているキャッチ−なメロディ、コ−ラス・ハ−モニ−も健在だ。

  打ちのめされ、裏切られ。先が見えなくなることもあった。
でも、信念が僕を突き動かす。人生を否定したくはない。これが自分の生き方なんだ。
Magna-Fi(The Szuters)についての詳しい情報は
mikieさんのMagna-Fan!でどうぞ!

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