February, 2003


Harmony Riley/Volume 1(2002)
(輸入盤)



1.Don't Get Off The Ride(M.Nielsen, K Buck)
2.Falling Away
(M.Nielsen)
3.Love Yourself
(M.Nielsen)
4.Let You Down
(M.Nielsen, D.Nielsen)
5.Everything
(M.Nielsen)
6.It's Over Now
(M.Markis, M.Nielsen, D.Nielsen)
7.Hold So Tight
(M.Nielsen)
8.Ale & Wood
(M.Nielsen)
9.Too Late
(M.Nielsen, M.Makris)
10.Cowbell
(M.Nielsen, D.Nielsen)
11.All You Want
(M.Nielsen, D.Nielsen, K.Buck)

Produced by Harmony Riley & Marty Ogden

<Personnel>
Miles Nielsen/Vocals, Guitars
Daxx Nielsen/Drums, Percussion, Piano Wurlitzer, Vocals
bighed/Bass, Vocals
Kevin Back/Guitars, Vocals

 *これも昨年リリ−スの、"new"とは言い難い(^^;アルバムです。ご了承下さい。

  Cheap Trickのリック・ニ−ルセンの息子、Miles(ギタ−/リ−ド・ヴォ−カル)、Daxx(ドラムス/パ−カッション/ピアノ  等)を擁するバンド。間にミニ・アルバム「Four Songs」を挟んだ通算2作目のスタジオ・フル・アルバム。1stアルバムの後にギタリストとパ−カッショニストが抜け、新ギタリストのKevinが加入している。しかし、ここまで大胆に変わってしまったのかという感じだ! 「Four Songs」でもその兆しははっきり見えていたが、1stアルバム「Time」での"Dave Matthews Bandフォロワ−"的な煮え切らない音楽性をきれいさっぱり捨て去り、タフでストレ−トなアメリカン・ロックの王道を行くスタイルに方向性を明確に定めている。この方向修正、個人的には大歓迎。でも、聞いた話ではメンバ−自身も「Time」の頃のことは忘れたいよう。この新作のタイトルが"Volume 1"なのも、これが真の1stアルバムであるという主張なのだろう。

1.Don't Get Off The Ride
まるで霧雨を連想させるくぐもったギタ−の響きに、感情をやや抑制したようなMilesのク−ルなヴォ−カル。さらにDaxxのヘヴィなドラムスがからみ、ニュ−・メタルでもネオ・グランジでもないHRならではのグル−ヴ感を生み出している。歌詞も含め、ただ沈みこむのでなく、雲の切れ目から射し込む光のような無意識のポジティヴィティといった感覚に惹かれる。Milesはギタ−・サウンドの面でやはり父親にかなり影響を受けているようだ。

2.Falling Away
独特の細かなリズム・パタ−ン。Milesが美しいメロディを静かに歌い上げる。これもまたHRのアイデンティティを感じさせる一品。ギタ−・ソロも印象的。「Four Songs」にも収録されていた曲だが、それと比較するとMilesのヴォ−カリストとしての成長が著しいことがわかる。

3.Love Yourself
アコ−スティック・ギタ−を配したイントロ、アレンジが秀逸。シンプルながらインパクトのあるギタ−・リフと透明感のあるアコ−スティック・ギタ−のからみ。厚みのあるコ−ラス・ハ−モニ−が美しく、やや地味めながら耳に残る名曲として完成されている。

4.Let You Down
HRはミディアム・テンポの重厚なロック・ソングを得意とするバンドであるが、これもまたそう。ミディアム・テンポに拘りながら、これだけのバリエ−ションある楽曲を書き、アップダウンをアルバムに持たせているのは評価されてよいのではないだろうか。クラシックなキ−ボ−ドの響きにラウドなギタ−が合わさり、物悲しさと高揚感を同時に喚起するような面白い空間を演出している。Milesのエモ−ショナルなヴォ−カルが素晴らしい。

5.Everything
これもバンドのイメ−ジを一新する美しいアコ−スティックのバラ−ド。ここでもMilesの歌唱が際立っている。

6.It's Over Now
この曲はちょっとありがちなパタ−ンに嵌ってしまったかな、という感じ。グランジ/オルタナティヴというもはや懐かしい呼称を使いたくなる。重くてエッジのあるギタ−・リフに、ダ−クな歌メロ。ギタ−・ソロはCheap Trickを連想させる。もっとHRならではの味を主張してほしかった。

7.Hold So Tight
同じネオ・オルタナティヴ、ニュ−・メタルでもこちらの方がインパクトがある。ノリ一発のシンプルかつ豪快なギタ−・リフに、隙間だらけの重いドラムス。Led Zeppelinを初めとする1970年代のブリティッシュ・ロックに通じる原始的なパワ−(?)を感じさせる曲。

8.Ale & Wood
この曲ははっきりいってあまり面白みを感じない。うねるギタ−にダルなヴォ−カル。メロディもぱっとせず、これならStone Temple Pilotsを聴いていた方が…という感じ。リ−ド・ギタ−はなかなか良い。

9.Too Late
これは良い曲です。シンプルな構成のストレ−トなロック・ソング。明快なメロディ、コ−ラス/サビ。ライヴでの盛り上りが目に浮かぶよう。

10.Cowbell
いいなあ〜このギタ−・サウンド。ぶっとくて、それでいてシャ−プで。やはりMilesは父親からギタ−の録り方については細かい所までいろいろ学んでいるのか。以前Posiesのメンバ−がインタビュ−で語っていたけれど、CTはマイクの置く位置にしてもかなり独自のものを持っているらしい。これもキャッチ−でわかりやすい曲だが、中間部のアレンジにしろ、独特のコ−ド・センスを見せるギタ−・ソロにしろ細部まで拘りを感じさせて良いです。アルバムを代表する1曲。

11.All You Want
スライド・ギタ−のイントロから入る、最近のMolly Hatchetと同じくメタルとサザン・ロック丁度中間に位置するようなサウンド。派手さは無いが、このメロディと"うねり"繰り返し聴くうちに段々効いてくる。Milesの声は歌い方によって、またト−ンによって時々ロビン・ザンダ−的に響くことがありますね。

以上全11曲。課題はいくつか残すものの、早くも確固としたアイデンティティを確立しつつあるHarmony Riley。日本で話題になるのはいつ?!





Prince&The New Power Genaration/One Nite Alone...Live!(2002)
(輸入盤)



Disk 1
1.Rainbow Children
2.Muse 2 The Pharaoh
3.Xenophobia
4.Extraordinary
5.Mellow
6.1+1+1 is 3
7.The Other Side Of The Pillow
8.Strange Relationship
9.When U Were Mine
10.Avalanche

Disk 2
1.Family Name
2.Take Me With U
3.Rasberry Baret
4.Everlasting Now
5.One Nite Alone...
6.Adore
7.I Wanna Be Ur Lover
8.Do Me, Baby
9.Condition Of The Heart
10.Diamonds And Pearls
11.The Beautiful Ones
12.Nothing Compares 2 U
13.Free
14.Starfish & Coffee
15.Sometimes It Snows In April
16.How Come U Don't Call Me Anymore
17.Anna Stasia

One Nite Alone...The Aftershow: It Ain't Over
1.Joy In Repetition
2.We Do This
3.Just Friends(Sunny)/If You Want Me To Stay
4.2 Nigs United 4 West Compton
5.Alphabet Street
6.Peach(xtended jam)
7.Dorothy Parker
8.Girls&Boys
9.The Everlasting Now(vamp)

 *昨年リリ−スされたアルパムですが、オ−ダ−するのが遅れた上、届くのに時間がかかり取り上げるのがこんな時期になってしまいました。ご了承くださいまし。

  日本公演も好評だった「One Nite Alone」ツア−から、アメリカ公演のテイクを編集したDisk 1・2と、これも同じくアメリカ公演におけるアフタ−・ショウの模様を収録したエクストラ・ディスク「One Nite Alone...The Aftershow: It Ain't Over」をひとつにまとめたボックス・セット。きれいな写真を満載した豪華なブックレット付です。
  昨年11月のやや消化不良の武道館公演レポ−ト…私の席が2階席の後ろの方だったということもあって、パフォ−マンスのレポを書いた後に情報を収集してみると、思ったとおり自分に"見えていなかった"ものがたくさんあることがわかり残念に思った。確かに、Princeは豆粒程度にしか見えなかったし、ステ−ジ上のメンバ−の表情を窺う由はなかった。しかし、ライヴを見ている最中はそれはほとんど気にならなかったのだ。なにしろ興奮して冷静さを失ってましたので(笑)
  武道館で何より印象的だったのは、Princeが驚くほどファンに"近かった"ということ! 完璧に構築されたパフォ−マンスの隙間から覗くその親しみやすいキャラクタ−は、2階のこちらまでしっかり伝わり、"天上人Pri様の演奏、ついにこの目で目撃!"てな気持ちでいた私は完全に虚をつかれた感じだった。そんなPrinceとオ−ディエンスとの間のIntimateな雰囲気とPrinceの人間味あるキャラクタ−はこの初のライヴ・アルバムの中にも溢れている。完璧に構築されながら詰めこみすぎでない、余裕ある空間で卓越した演奏/歌を楽しむことができるのだ。本編Disk 1と2は、「The Rainbow Children」アルバムの楽曲を柱に、そのテ−マ(ジャジ−かつファンキ−)に合うようにアレンジし直された過去の名曲をずらりと並べた内容。つまりは、実際のライヴと同じということです(笑)   感想としては素晴らしい!のひとことしか浮かばないが、特に気に入ったのはDisk 2の超ノリの良い"Everlasting Now"以降〜後半のPrinceのピアノをフィ−チュアしたバラ−ド中心のメドレ−。いかにPrinceが優れたメロディを書きつづけてきたか。いかに彼が卓越したパフォ−マ−/ヴォ−カリストか。ライヴの光景が昨日のことのように蘇ります。名曲がこれでもかと連発されるのは圧巻。が、メドレ−にしてあるため中途半端なところで終ってしまう"Starfish&Coffee"--この曲も武道館でその良さを再発見した--などは「ああ〜最後まで演奏してくれェ」と思わず溜息が…。生で聴くことのできなかった"When U Were Mine"(Disk 1) "I Wanna Be Your Lover" "Anna Stesia"といった曲が収録されているのもうれしい。あと、ミスでライヴ・リポでは触れるのを忘れてしまったのだが、ライヴの見せ場のひとつであったPrinceの豪快で派手でフラッシ−なギタ−・プレイも要所でじっくり楽しむことができる。アフタ−・ショウの模様をとらえた「One Nite Alone...The Aftershow: It Ain't Over」は、いかにも"お楽しみのジャム・セッション"といったム−ド。George Clinton("We Do This") Musiq("Just Friends(Sunny)"/"If You Want Me To Stay)をゲストに迎えた、ファンク・モ−ドのジャムだ。"Alphabet Street"も生で聴きたかったのに聴けなかったので、ここに収められているのを嬉しく思いました。なるほど、こういったアレンジでやってたんだ…。Track.3"Just Friends(Sunny)/If You Want Me To Stay"はクレジットだけ見るとMusiq(すみません。私勉強不足でこの方良く知らないんですが…)のオリジナル曲とSly And The Family Stoneの名曲(1973年の大ヒット曲)のメドレ−みたいだが、実際は打ちこみを多用したオリジナルの"Just Friends(Sunny)"に"If You WantMe To Stay"のユニ−クなベ−ス・ラインを合体させたような感じだった。このMusiqはなかなか素晴らしいヴォ−カリストですね。全く無駄なく、全編楽しめるこの3枚組ライヴ・ボックス。少々値が張りますが、Prince入門用としても最適でしょう。昔の私のように未だPrinceに偏見を持っている人にも是非聴いてみて欲しいです。 一度この世界に入りこんだら、傍観者ではいられない…(笑)




American Hi-Fi/The Art Of Losing (2003)
(日本盤)



1.The Art Of Losing
2.The Breakup Song
3.Beautiful Disaster
4.Save Me
5.Nothing Left To Lose
6.Teenage Alien Nation
7.Rise
8.This Is The Sound
9.The Gold Rush
10.Built For Speed
11.Happy
12.When The Breeders Were Big (Bonus track : Japanese edition only)


Produced, Recorded and Mixed by Nick Launay

  元Letters To Creo、Veruca Saltのドラマ−だったStacy Jones(ヴォ−カル、ギタ−)を中心にしたボストン出身のバンド、日本公演収録のライヴ・アルバム「Rock'n Roll Noodle Shop〜Live From Tokyo」に続くスタジオ録音第2作。まず一聴して気付くのがサウンドの質感の変化。ボブ・ロックがプロデュ−サ−から外れた影響が大きく出ており"重さ"とメタリックな感覚がかなり減少。ただ、騒々しさは1st以上で、エフェクトを多用したヴォ−カル・アレンジ、Stacyの歌唱とも相俟ってハ−ドコア風味が増している。この辺は好みのわかれるところだろうが、勢いとノリの良さはそのままに曲のバラエティが広がっているのを私は好意的に受け取った。Stacyはこの新作の為に40曲近くも曲を書いたとのこと。  1970年代のグラム・ロック(ああそうか、このイントロはアダム・アントなんですね。でもアダムもある意味"グラム・ロックの息子"的な部分を持ってるものね)を連想させるドラム・パタ−ンに"隙"を活かしたギタ−リフ、モロにパンクしているコ−ラスが被さるアルバム・タイトル・トラック。思いつく限りのクラシックなロックンロ−ルのギミックを詰め込んだのでは、と思える"Nothing Left To Lose"等、ボブ・ロックとやっていたらまず収録しなかったであろうと思える新機軸の楽曲が多く、バンドの成長が窺える。ただ、問題なのはこういった新しいパタ−ンの曲よりも、1stの路線を踏襲したストレ−トにシンプルにロックしている曲のほうがどちらかというと印象に残るということである。ザラッとしたアコ−スティック・ギタ−のイントロ/ヴァ−スからコ−ラスで一気に盛り上る"Save Me"なんて、バンドの前進しようとする意思が感じられて好きなのだが、今一歩盛り上りに欠けるというか、例えば"The Breakup Song"の歌詞に出てくるPixiesの曲なんかと比較すると、胸を鷲づかみにするようなダイナミズム/メロディの印象度に欠けていて、「本当だったらアルバムのハイライトになるべき曲なのに〜」ともどかしさを感じてしまうのだ。Stacyのポップ・センスは相変わらずアルバム全編で冴えを見せつけていて、この手の音楽が好物の私としては十分満足。ただ、あらゆる面で"平均点よりやや上"ないし"平均点"の素材が揃ったこのアルバムを聴くにつけ、バンドがもう一段高いレベルに上がるには、そして数多い同系統のバンド達から一歩抜きん出るには、もっとインパクトの強い楽曲が必要ではないかと思ったのでした。



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