March, 2003


Styx/Cyclorama
****

Produced by Tommy Shaw, James Young
&Gary Loizz
o

※( )中はリ−ド・ヴォ−カルをとっているメンバ−及びゲスト
1.Do Things My Way (Tommy Shaw)
2.Waiting For Our Time (Tommy Shaw)
3.Fields Of The Brave (Lawrence Gowan)
4.Bourgeois Pig (Billy Bob Thornton)
5.Kiss Your Ass Goodbye (Glen Burtnick, background vocals by Tenacious D))
6.These Are The Times (James Young)
7.Yes I Can (Tommy Shaw&Glen Burtnick)
8.More Love For The Money (Lawrence Gowan)
9.Together (Tommy Shaw)
10.Fooling Yourself (Palm Of Your Hands)
(Tommy Shaw, background vocals by Brian Wilson)
written by Tommy Shaw
11.Captain America (James Young)
12.Killing The Thing That You Love (Glen Burtnick)
written by Glen Burtnick
13.One With Everything (Tommy Shaw)
14.Genki Desu Ka
(Tommy Shaw, Glen Burtnick, John Waite, Jude Cole, Gary Loizzo)

All Songs written by Shaw, Gowan, Burtnick, Young&Sucheman

  こちらの来日公演レポ−トでもはっきり断言してますが(笑)、私はまさかこのラインナップでのStyxに"続き"があるとは予想しなかった。James Young、Tommy Shaw、Chuck Panozzo、Todd Sucherman、Dennis De Youngというメンバ−で再結成スタジオ作「Brave New World」をリリ−スしたのが1999年。しばらくして日本ツア−が決定したものの、飛び込んできたのはDe Youngの脱退というショッキングなニュ−ズ。しかし、De Youngの"代理"として加入したLaurence Gowan、そしてGlen Burtnickの素晴らしいパフォ−マンスもあり、ライヴそのものの内容は非常に楽しめるエンタ−テインメントとして完成されていた。ライヴを見終えた後、De Young不在に不満を感じた人は以外に少なかったのではないかと思う。しかし、このラインナップが「バンド」としてしっかり機能し、かつ「Styxらしさ」を受け継ぎながらキャリアを重ねていけるかと聞かれれば、これはまた別。長いキャリアを誇り、自国カナダでは既にトップ・ア−ティストとしての地位を確立しているシンガ−・ソングライタ−、Laurence Gowan。マルチ・インストゥルメンタリストとして、またソングライタ−として多彩な活躍を見せるGlen Burtnick。明かにソロ・ア−ティストとして活動していくのがベストの選択に思えるこの二人が(もちろん、ソロとバンドの二束の草鞋を履く選択肢もあるにせよ)、既にTommy Shaw、James Youngという優れたリ−ド・シンガ−/ソングライタ−を擁するStyxでその個性と才能を十分に表現できるとはとても思えなかったのだ。(特にGlenは、"時々リ−ド・ヴォ−カルもとるべ−シスト"としてのライヴでの扱いに絶対我慢できないだろうと)
  それだけに、2000年来日メンバ−+オリジナル・べ−シストのChuck Panozzoという
メンバ−でレコ−ディングされた新作が届けられたのには驚きだったのだが、その内容には更に驚かされた。"Fooling Yourself"のリメイク(何とBeach Boysの
Brian Wilson(!)を迎えたアカペラ・バ−ジョン)が収録されているからというわけではないが、まるで「Grand Illusion」や「Pieces Of Eight」あたりのStyxを現代風に蘇らせたようなサウンドだ。これなら、「Brave New World」のややモダンになりすぎたアプロ−チにピンとこなかったファンも納得でしょう。TommyとGlenのポップ・センス、Gowanの持つダイナミズム、そして衰えを知らぬJames Youngのアグレッション。それぞれのメンバ−が十分に個性を発揮しつつ、全体がまるでひとつになっているようにスム−スに流れていくという、これも70年代の諸作品を連想させるつくり。まるで開き直ったかのように"プログレ・ハ−ド"(これは日本でのみ意味が通じるジャンル分けらしいですが)している"One With Everything"が全てを物語っている。Styxが新しいステ−ジに入ったことを高らかに宣言する好作品だ。ちなみに、最後に収録された"Genki Desu Ka"は日本語の"Genki desu ka" "Genki desu ne"という反復フレ−ズが繰り返されるお遊び曲であるが、ここでは何とTommy Shaw、Glen Burtnick+ゲストのJude Cole、John Waiteという、80年代〜90年代のアメリカン・ロック好きには夢のような競演が実現している。



The Bangles
/Doll Revolution

***
Produced by Brad Wood & The Bangles

1.Tear Off Your Own Head(E. Costello)
2.Stealing Rosemary(D. Peterson, S. Hoffs, V. Peterson)
3.Something That You Said(S. Hoffs, V. Peterson, C. Caffey)
4.Ask Me No Questions(D. Peterson, W. Ingleheart)
5.The Rain Song(S. Cowsill, V. Peterson)
6.Nickel Romeo(M. Steele, B. Ray, S. LeGassick)
7.Ride The Ride(S. Hoffs, D. Peterson, V. Peterson, D. Schwarts)
8.I Will Take Care Of You(S. Hoffs, D. O'brian)
9.Here Right Now(D. Peterson, R.Rafelson)
10.Single By Choise(V. Peteron)
11.Lost At Sea(D. Peterson, S Hoffs)
12.Song For A Good Son(M. Steele)
13.Mixed Messages(V. Peterson)
14.Between The Two(M. Steele, D. White)
15.Grateful(S. Hoffs, D. Schwarts, B. Bottrell)
Bonus tracks(Japanese edition only.
Both were appeared on The Bangles' first single in 1981):
16.Getting Out Of Hand(V. Peterson)
17.Call On Me(S. Hoffs, V. Peterson D. Roback)


  初めMTVで1stシングル"Something That You Said"を聴いた時は、そのBanglesというよりはスザンナ・ホフスの1stソロ・アルバム(1991年発表)の方向性に近い、洗練されたウェットな楽曲アレンジに「どうかな…」とやや心配になったもののアルバムを通して聴いてみれば、これは紛れも無いBanglesならではの世界。流石です。1989年の解散からはや13年。スザンナ・ホフスのセカンド・ソロ・アルバムがリリ−スされたのでさえもう7年前(1996)のことになってしまった。私は、解散後の彼女達の活動はスザンナ・ホフス以外のメンバ−については全く知らなかったし、また追ってもいなかった(1999年、再結成のきっかけになったサントラ収録曲"Get The Girl"も恥ずかしながら未チェック)ので、相当久しぶりに意識してBanglesの音楽に接したことになるが、まるで13年という月日が無になったかのように「Doll Revolution」のサウンドは一瞬にして80年代のBanglesに繋がった。それどころか、本作の日本盤にボ−ナス・トラックとして加えられたBanglesのデビュ−・シングルもアルバム本編に全く違和感なく調和しており(!)、べ−シックなBanglesサウンドが時間軸を無視して全く色褪せず保たれていることに感銘を覚えるのだ。逆にいうと、無自覚的に80年代という時代性を反映していた1st〜3rdアルバムのような感覚がなくなっていといえるのだが、元々1960年代の音楽に最も影響を受けている(と思える)彼女達だけに、この普遍的な優しいサウンドは2003年という今でもごく自然に響いている。問題はアルバムがやや冗長な感じがするところであろうか。メンバ−全員が曲を書き、リ−ド・ヴォ−カルをとり、また外部ライタ-の楽曲をすすんで取上げる(本作の"Tear Off Your Own Head"はエルヴィス・コステロのペンによるもの)人たちなだけにアルバムがやや散漫になるのは致し方ない所なのだが、80年代のBanglesの一連のヒット曲のようなキラ−・チュ−ンがない為、大きなアップダウンのないまま64分(ボ−ナス・トラック含む)最後まで流れていってしまうのだ。また、スザンナ・ホフスが前述した"Something That You Said"や、2ndソロ・アルバム(「Susanna Hoffs」)にそのまま収録されてもおかしくないようなアコ−スティックな曲("Ride The Ride" "Grateful")を提供していることも散漫さと地味さに拍車をかけている。と、いろいろ注文はつけてしまったものの、これはBanglesの1st〜3rdアルバムが素晴らしすぎたからこちらの要求も高くなってしまうだけであって、各メンバ−の作曲センスは相変わらず素晴らしく、アルバム単体でみればキャッチ−なメロディとヴォ−カル・ハ−モニ−に満ちた力作であるといえる。



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