Disc Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
新譜(おおよそ3ヶ月以内にリリースされた作品)には
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は管理人のお勧め度で、星5つで最高。
2つで大体平均点と考えてください(
は1/2点)
※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
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2006年 4月(no.294〜)
 + no.297 +
The Incredible Casuals/Nature Calls
The Incredible Casuals
/Nature Calls

(Japanese CD/2006)

★★★★
   現NRBQのジョニー・スパンピナート(vo・g)在籍する超ヴェテラン・バンドの最新作。Casualsはソングライティングが出来て歌が歌えるメンバーがいる為、楽曲のバラエティは実に多様だ。最初私にとってはこのバラエティさは売りというよりむしろ掴みどころのなさをバンドに与えているように思えてならなかったのだが、ライブを見て、そして改めてCDを聴いてやっと彼らの本質が見えてきた。何より、生で見た彼らは私の先入観を完全に打ち砕いた。60年代から現代まで脈々と流れるアメリカン・ロックの歴史。そしてブリティッシュ・ロック、レゲエやモータウンをはじめとするロック以外の音楽の様々な光景を描きつつ、パワフルにアグレッシブに疾走する。そう、Casualsは想像していたより何倍もパワフルなロック・バンドだったのだ。これまで以上にKinks(レイ・ディヴィス)風味を強く感じさせる渋めのロック・チューンから、ハッピーなポップ・ソングまで幅の広さを披露するチャンドラー・トラヴィス(b・vo)に、更に磨きがかかったメロディ・センスをよりタフなサウンドで聴かせるエアロン・スペイド(vo・g)  NRBQのツアーで忙しかったというジョニーが製作にほとんど関わっていない(カヴァー曲を除き、収録曲は全てチャンドラーとエアロンの曲)のが残念だが、逆にいえばそれでもこれだけアルバム全体にバラエティが生まれているのだから凄いじゃないか。ボーナス・トラック含めて全18曲と曲数はかなり多いのだが、アルバムの起伏の付け方がこの人達は絶妙で、最後まで飽きさせることがない。あー、エンハンスドで収録された"Summertime"(私より2まわり以上年上なのに、こんな曲を書けるチャンドラーは素晴らしい!)のビデオを見ていたらまたCasualsのライヴが観たくなってきた!  (4/28/2006)
 + no.296 +
The Incredible Casuals/Your Sounds THe Incredible Casuals/Your Sounds
(Japanese CD/1991)
★★★★☆
 Casualsのアルバムは、聴くほどにフェイバリット・チューンが増えてくるスルメ作ばかりだが、この1991年発表のセカンドも凄い。気がついてみればMy名曲の宝庫だよこれは。掴みは、ライヴでも終盤の大きな山場になっていたエアロン作のロック・アンセム"Your Sound Yourself"  ジョニーの"She's Got Tony"というキラー・チューン2連発。他にもメロウな"Paper Roses"(ジョニー作)  スカの性急なビートが心地よい"Step It Up"(チャンドラー)  キャッチーな歌メロが秀逸な"Maggie Don't Cry"(エアロン)  しみじみとしたジョニーの歌唱が心に沁みるバラード"Miracles"等、代表曲・名曲が多数収録されている。各メンバーが"我"を出しすぎず平等に個性を主張しているのが、これだけ様々な音楽スタイルを提示しながらアルバムとして全く破綻しない要因になっているのだろう。それだけに彼らの音楽を表現するのは難しくもあるけれど。今は私はただ"グッド・アメリカン・ロック"といいたいね。  (4/28/2006)
 + no.295 +
Chicago/30
Chicago/Chicago ]]]
(import CD/2006)

★★★☆
  Chicagoのアルバムを買ったのは、全曲がオリジナル曲で固められた最後のアルバム「21」(1991)以来何と15年ぶり。恥ずかしながら90年代の彼らの活動は私はすっぽり抜けているのだが、80年代に受けたのと同じしとやかな情感に、今再び魅せられている。いやしかし、既に活動歴40年を数えて全く衰えを感じさせない叙情味溢れる美しいメロディと、洗練されたサウンドには敬服するしかない。「16」以降のAOR〜ポップ・ロック路線を基調に、テクノロジーは控えめにバンドの顔であるホーンを活かしたライヴ感重視のアレンジに仕上げている。外部ライターが書いた1stシングルの"Feel"や、明らかに自らの遺産を意識したメロディ、コード進行の"Why Can't We"みたいな曲もあるが、そのどれもが嫌味なくChicago印のサウンドとして活きており、全編通して非常に心地よい時間を提供してくれる。ベテランならではの艶があるんだよなぁ〜。流石。  (4/8/2006)
 + no.294 +
Shedaisy/Fortuneteller's Melody
Shedaisy/Fortuneteller's Melody

(import CD/2006)

★★★★
  未だもって日本版がリリースされたことのないのが悲しい、ユタ州出身のオズボーン3姉妹による最新作。これはトラディショナルなアメリカン・ロックとコンテンポラリーなカントリー・ミュージックをミックスした音楽としては、ハイ・レベルのクオリティを誇るアルバムだ。Corrs、Pink、 Fleetwood Mac、シェリル・クロウ等、近年数多くの大物アーティストのプロデュースを手掛け頭角を現したジョン・シャンクスがプロデューサー、プレイヤーとして、そして前作「Sweet Right Here」に引き続きソングライターとして関わっている。そしてなんとジョン繋がりでシェリル・クロウも2曲で共同ソングライターとして名を連ねており、カントリーに興味のないファンへのアピール要素もばっちり。"God Bless The American Housewife"でクレジットのあるJann Arden RichardsとはあのカナダのヴェテランSSW、ジャン・アーデンに違いないだろう。このようにソングライティング面で、そしてサウンド面でポップ/ロック・サイドへの歩み寄りを進めつつ、コンテンポラリー・カントリーという軸はブレていない。土着的過ぎず、かといって洗練され過ぎず、アメリカン・ミュージックの様々な要素を内包したポップなメロディを響かせる。息の合った美しいヴォーカル・ハーモニーがやっぱり素晴らしい!  (3/26/2006)
 + no.293 +
Taxiride/Axiomatic
Taxiride/Axiomatic

(Japanese CD/2006)

★★★★
  ひゃー3rdアルバムまだ買ってないのにもうニュー・アルバムの登場か! と思いきや、その3rdアルバムがジャケット・デザインを変更し、ボーナス・トラックをプラスして、輸入版に10か月遅れて日本版で登場。ん〜味気ない輸入版のそれと比べればまだマシだけど、Taxirideのジャケットのセンスはどうもいまいちピンとこないなあ(笑)  ブックレットをみてまず気づくのが、またもメンバー・チェンジが起こっていることだ。ティム・ワトソンが抜け、再び4人組(か、もしかして正式メンバーはジェイソン・シンとティム・ワイルドだけ?)での再スタート。方向性はこれまで同様、美麗なコーラス・ハーモニーを核に据えたメロディアスなロックだが、キーボードのちょっと怪しげなイントロがオッと思わせるオープニングの"Finally Falling"等に表れているように、1stアルバムにあった弾けるようなポップ・センスが薄れた分、メロウでアダルト・オリエンテッドなメロディの魅力が増している。ちょっとJudas Priestっぽいイントロ(?)の"Stone"みたいな重めの曲もあるが、最もハードにロックした"Razor"を日本版のみのボーナス・トラックにしているのをみると、やはり彼らの嗜好はよりメロディックな方向に進んでいるのだとわかる。が、決して軟弱になったわけじゃないのだ。歌詞に込められた力強い(時に社会に向けた)メッセージを読みとってみよう。サウンド面で派手さはないものの、ソングライティング、歌唱、プレイのクオリティは相変わらず高く、内容の奥深さは1st、2nd以上と感じる。アーティストとしての着実な成長を示した「Axiomatic」  最早ここにはデビュー時のアイドル風味は微塵もない。  (4/1/2006)
 + no.292 +
The Rembrandts/The Rembrandts The Rembrandts/The Rembrandts
(Japanese CD/1990)

★★★★
  今月はちょっぴり意識して"ヴォーカル・ハーモニー"繋がりで選んでみたのだが、ハーモニーといえば思い出したように時々聴きたくなるRembrandtsも忘れられない。このデビュー作がリリースされた1990年時点でも充分なくらいレトロだった、Beatlesをはじめとする60年代ロック風味満載の、ポップで甘酸っぱいメロディがダニー・ワイルドとフィル・ソレムによって歌われる。顔見せとなった大ヒット曲"Just The Way It Is, Baby"の飾り気のないビデオ・クリップがまた良かったんだなあ。他のアルバムもどれもクオリティは高いし(但し「Spin This」(1998)は除く)、ダニーのソロも悪くないけれどトータルのバランスでいうとやっぱりこれでしょう。一度彼らがプロモで来日した時に、某大手輸入CDストアで行われたアコースティック・ミニ・ライヴを見たが、CDの瑞々しいメロディとハーモニーが鮮やかに再現されていて感激した。来日公演を見逃したのが悔やまれるなあ…。  (4/28/2006)
 + no.291 +
Prince/3121
Prince/3121

(Japanese CD/2006)
★★★☆
  とんとブラック/R&B/ヒップホップ関係に疎くなってしまった今日この頃でありますが、やはりプリンスは別格。アルバム出る毎に確実に買って聴いてます。まあ、今更この人をジャンルで括るのも野暮過ぎるけどね。しっかしこれはなんとも「わかりやすい」作風だ。「Musicology」を聴いた時は、ああプリンスも年齢相応の渋みが出てきたな、落ち着いてきたなと感じたが、この新作では昔のプリンスが持っていた良い意味での下世話なアレンジがやや復活し、"これだよ、これ"というフック満載のメロディも全編で聴ける。昔からのファンは安心して、そして初めてのファンでもすぐに親しみを持てるであろう普遍性のあるアルバムだ。ただ、これというキラー・チューンがなく、「The Rainbow Children」のような意外性にも欠けているので何かもっと刺激が欲しい気もするのだが…。  (4/28/2006)
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