Music Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
新譜(おおよそ3ヶ月以内にリリースされた作品)には
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※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
※左にメニューが見えていない方は表紙よりどうぞ

2007年 12月(no.459〜) 
 + no.467 +
 Airtime/Liberty Manifesto
 Airtime/Liberty Manifesto

(Japanese CD/2007)

★★★★
 
  元Triumphのリック・エメット(vo, g)とVon Grooveのマイケル・ショットン(ds, key, vo)というカナダを代表する2人のヴェテラン・ロッカーによるハード・ロック・プロジェクト。Triumphで多くのヒット・アルバムを出し、特に80年代は世界的な人気を確立したリックと、Triumphと比較すると小粒ながら、90年代以降ハイ・クオリティのメロディックHRアルバムを量産したVon Grooveのフロントマンとして活躍したマイケル・ショットン。とはいえ、ここ日本では両者とも未だマニアックな存在のバンド/アーティスト故、このコラボレーションに狂喜するのはTriumph〜ソロ・ワークと活動を追ってきた一部のリック・エメット・マニアが大半かもしれない。リックのソロには明るくないが、TriumphとVon Grooveは大好きな私としては、両バンドの音楽性がせめぎ合ったバラエティに富んだメロディアス・ハードを期待していたところもあったのだが、その内容は一歩引いたマイケル・ショットンのプロデュース感覚が活きた飽くまでリックが主役の実にすっきりまとまったHRアルバムであった。リックに負けず劣らず、いやパワフルさと瞬発力では上をゆくマイケルのヴォーカルをもっとフィーチュアしても良いのではないかとも思ったが、それは随所に配されたコーラス・ハーモニーで活かされている程度。アコースティックの小品(イントロダクション)"Headstream"からアグレッシヴな"River Runs Deep"へのドラマティックな流れなどまごうことなきTriumph的手法で、リックとマイケルがしっかりコンセンサスをとりつつ、あの時代の音を再現した風が窺える。リックのやや線の細いハスキー・ヴォイス、エモーショナルで硬軟自在、泣きも湛えたギター・ワークも全編で躍動。目新しさこそないものの、味わい深いメロディを堪能できる好盤だ。  (12/14/2007)
  + no.466 +
 Von Groove/Test Of Faith Von Groove/Test Of Faith
(Japanese CD/1999)

★★★★
 
  現Airtimeのマイケル・ショットン(リードvo/ドラムス)、現Final Frontierのムラデン(ギター)が在籍する(した)カナダ産メロディックHRバンド。アルバムのわかりやすさをとるなら、80年代の産業ロック的ダイナミズムとキャッチーさを有する1stアルバム「Von Groove」(1992)、ヴォーカル・メロディとアレンジに欧州HR的哀愁味とマイルドさを増し、日本のファンの間で特に人気の高い"Two Nights In Tokyo"を収録した3rd「Mission Man」(1997)、名曲"Lily"を筆頭にポップでコンパクトな曲が軒を並べる「The Seventh Day」(2001)の3枚であり、またそのどれもが高いクオリティを持っているが、こと音楽の独自性をとるならこの「Test Of Faith」と、翌年リリースの「Drivin' Off The Edge Of The World」である。この時期のバンドの変化とチャレンジ精神は素晴らしいものがあった。「Test Of Faith」の方向性は、全編一貫して叙情メロディックHRであるが、それまでの様式的HRマナーに則ったギターとパンチの強いヴォーカルを軸に展開するダイナミックなそれではなく、哀愁というよりは陰りが強く出たマイケルのヴォーカルをフィーチュアした、内省的でエモーショナルな音楽である。楽曲アレンジはコンパクトで飽くまでも歌メロ中心。一歩違えばAORになりそうな場面もあるのだが、そのへヴィなギター・サウンドと骨太なマイケルのヴォーカルが全編で程よい緊張感を保ち続けている。  (12/14/2007)
 
  + no.465 +
 Von Groove/Drivin' Off The Edge Of The World Von Groove
/Drivin' Off The Edge Of The World

(import CD/2000)

★★★★
 
   一転して続く「Drivin' Off The Edge Of The World」はVon Groove史上最もギター・リフがフィーチュアされたビッグなサウンドのアルバム。Led Zeppelinの影響も色濃く反映された、グルーヴ感溢れるのムラデンのギター・ワークと併せ、マイケルのドラム・ワークも多彩さを増し、インストゥルメンツ・パートの充実が顕著だが、楽曲自体のクオリティも軒並み高く、全11曲全てが非常に高いテンションとフック満載のメロディで覆われている。前述したように"I Can't Find My Groove"等でLed Zeppelinの遺産を活用しているのだが、テクノロジーを駆使してモダンなアレンジで仕上げたその手法は秀逸で、それまでのメロディックHR的メソッドをしっかり継承しながらごく自然にクラシック・ロックとの融合を図っている。バラードが1曲も収録されていないのに楽曲のバラエティは豊かで、しかしアルバム全体の流れがスムースなのは特筆すべきところ。Rushを連想させるスリリングなインストゥルメンタル"Jack The Riffer"は同郷の先輩(このアルバム時のバンド編成はRushと同じトリオ)に対するトリビュートであろうか。個人的にはVon Groove最高傑作。  (12/14/2007)
 + no.464 +
Saxon/To Hell And Back Again
Saxon/To Hell And Back Again
(import DVD/2007)

★★★★
  Loud Parkの余韻もまだ残る(ああ、悔しい。行きたかった…)SaxonのニューDVDが登場。「The Saxon Chronicles」(2003)が、Saxonの歴史を遡りつつ、今のSaxonの姿をフィーチュアした内容だったのに比較すると、この2枚組・計296分に及ぶDVDは、ツアー、レコーディング、ビデオクリップと、近年のSaxonの音楽とライフスタイルを多面的に捉えた内容になっている。ディスク1の"To Hell And Back Again(The Movie)"は、近年の傑作である「Lionhreart」アルバムに伴うツアーの様子を収録。国から国へ(ヨーロッパが中心だが、ロシアの映像も)、町から町へ。会場のサイズもライヴハウスからスタジアムまでまちまちだ。地道なツアーの繰り返しでファン・ベースを築いたSaxonのタフさとメンバー素の様子がよくわかる。ディスク1の後半"To Hell And Back Again"は、ライヴ映像だが複数の会場でのライヴをコラージュしたもので、純粋なライヴものとは言い難いが、Saxonのカッコよさが洗練された画像でまとめられており、悪くない。じっくり演奏に集中するよりは、友達と一緒にワイワイやりながら楽しんだり、ハード・ロック・カフェの大画面テレビで流すのに向いている映像、かな(笑)  ディスク2"Videoclips"はその名の通り、プロモーション・ビデオをまとめたもの。「Lionheart」から"Beyond The Grave"と"Witchfinder General"  最新作「The Inner Sanctum」から"If I Was You"  "Let Me Feel Your Power"  "I've Got To Rock(To Stay Alive)"の計5曲。特に「Lionheart」の2曲はダークでストロングで、歌の世界をよく表現していると思う。"Witchfinder General"はショッキングなので心臓の弱い人は気をつけるべし。ディスク2"Rocksound Festival"は2006年、スイスでのライヴを収録したもの。中規模〜2000人前後収容だろうか〜の会場で、曲はかなりカットされている("Denim And Leather"もなし)が、特に違和感なくパワフルでタイトなプレイと名曲の数々を堪能できる。"Witchfinder General"  "Dragon's Lair"が聴けるのが嬉しい。ボーナス・トラックは2004年、インド洋地震津波災害のベネフィット・コンサート"Rock For Asia"より"Man And Machine"と"Requiem(We Will Remember)"の2曲と、恐らくドイツでのドロ・ペッシュとのジョイント・ライヴ"You've Got Another Thing Comin'"(Judas Priestのカヴァー)の計3曲を収録。所々編集の粗さが気にならないこともないものの、ボリューム満点で見終えるとお腹いっぱいだ!  (12/8/2007)
「Saxon」
Disc Review(2004) / Disc Review(2004)
Music Review(2007) / Music Review(2007)
 + no.463 +
KT Tunstall/Drastic Fantatic
KT Tunstall/Drastic Fantastic
(Japanese CD/2007)
★★★★
  表現ていうのは決して断定が全てでなく、白か黒かが全てでもなく感情の機微にこそ実は重みがある…と、そんな普段意識しているようでいてしていないことを教えてくれるアーティストだ。1stアルバムを聴いた時は、単に"ちょっと気になる"SSWでしかなかったKTタンストール。この新作に収録されたマイナー調の"Hopeless"を聴いて、私はKTの世界にやっとのめり込めた。墜落した主人公。しかし揺らがない確信と信念。歌唱もサウンドも音楽性も、これだ!という強いトレード・マークこそないが、微妙な感情の揺れを完璧に表現する言葉と音、優しさと強さを兼ね備えたKTの楽曲には、リアルな人生観が詰め込まれている。全曲素晴らしい出来で、各曲のコンパクトさとキャッチーさもあり繰り返し聴いても全く飽きない。来年3月には来日公演が決定。  (11/7/2007)
 + no.462 +
Everybody Else/Everybody Else
Everybody Else/Everybody Else
(Japanese CD/2007)

★★★☆
  来年2月に早くも来日が決定したアメリカ西海岸のトリオ。パッケージに大きく書かれた"アイドル・ロック・バンド"の表記と、少女漫画ちっくなジャケット・デザインに一瞬ウッ、と身構えるが音は予想以上に骨太だ。装飾は最小限に、パワフルなギター・リフとポップなメロディをフィーチュアしたアメリカン・ロックなのだが、この系統の他の多くのバンドと違いパンクをほとんど経由せず、60〜70年代のクラシック・ポップ/ロックからメロディ・センスの源泉を得ているのが特徴といえる。飽くまで素材(楽曲)そのものの良さを活かすアレンジと、ちょっとブッチ・ウォーカー似の張りのあるキャリック・ムーア(リード・ヴォーカル&ギター)のヴォーカルのコンビネーションは、派手さこそないもののまるでずっと前から存在していたようなロックの王道の香りを放っている。あとは、いかにインパクトのあるキラー・チューンを書くか、かな。  (12/8/2007)
 + no.461 +
Jonatha Brooke/Careful What You Wish For Jonatha Brooke
/Careful What You Wish For

(import CD/2007)

★★★★☆
  今年はじめて知った、そして恐らく今年最も数多く聴いたであろうイリノイ州出身の女性シンガー・ソングライター。長いこと"女性シンガーまにあ"をしている私だが、今これだけ熱中できるアーティストに出会えた大きな喜びと、そして何故もっと早く知ることが出来なかったのだろうという残念な気持も少々…。ジョナサ・ブルックとのフォーク・デュオThe Storyを解散後リリースした"Jonatha Brooke & The Story"名義の「Plums」(1995)を含め、5枚めのソロ・スタジオ・アルバムになるが、今年リリースされたこの新作は、これまでの路線を受け継ぎつつも、最も顕著なサウンドの実験をみせたアルバムといえるかもしれない。持ち味であるスマート且つ繊細なポップ/フォーク・サウンドに、エッジの効いたギター、ドラマティックなアレンジが加味され、非常にメリハリのある内容に仕上がっている。「10¢ Wings」以来続くプロデューサー・ボブ・クリアマウンテンとのタッグ。そして前作「Back In The Circus」(2004)同様エリック・バジリアン(Hooters)を起用。これだけ様々な情報を詰め込みながら、全く破綻せずスムースに最後まで聴けるのは、ジョナサのキャラクターを良く理解しているボブやエリックの助力も無視できないであろうが、静と動、音がどちらに向おうが常にエレガントで独特の哀感を湛えたジョナサのメロディ・センス&ヴォーカルに依るところが大きい。美しいアメリカン・ロック/ポップの一形態。  (11/24/2007)
 + no.460 +
Jonatha Brooke/Live In New York Jonatha Brooke/Live In New York
(import CD+DVD/2006)

★★★★☆
  2004年3月にニューヨークのAnspacher Theaterで収録されたライヴDVDとCDのカップリング(DVDには"Back In The Circus(intro)"というイントロダクション映像が流れるが、ライヴ本編は両者同じ曲目)。楽曲単体ではYou Tubeで見たことがあったが、こうして通してDVDでジョナサのパフォーマンスを見ると、その楽曲の素晴らしさ、演奏のクオリティの高さに圧倒される。そして、ジョナサの才気溢れる歌と言葉、立ち振る舞いにぐいぐいと引きこまれてゆく。バック・バンドのメンバーも相当の技量を備えた人たちばかりだ。どの曲もキャッチーなメロディを備えているが、強いアイデンティティを感じさせる凝った、心地よい捻りを生む独特の展開とアレンジ。そんな正確さと繊細さが要求されるジョナサの音楽をバンドは一体となって表現し、しかし"お遊び"も要所に取り入れ余裕たっぷりにパフォームしている。ハードにロックしたパート("Everything I Wanted"のイントロでは、ジョナサHeartの"Barracuda"のリフ弾いちゃいますから!)と、じっくり歌を聴かせる部分のバランスも良く、ジョナサの多面性がこのアイテムで堪能できるといってよいだろう。客席、ステージ共照明が暗めで、客席の盛り上がる様子はあまり伝わってこないのだが、見ているとそれが逆に視覚をステージに集中する効果を生んでいることに気付く。素敵なジャケット写真は"Red Dress"を歌っている途中でジョナサが一瞬みせた表情だが、よくぞこの瞬間を捕らえたと感心してしまった。  (12/1/2007)
 + no.459 +
Cobra Starship/Viva La Cobra!
Cobra Starship/Viva La Cobra
(import CD/2007)

★★★☆
  メロディック・パンク・バンドMidtownのゲイヴ・サポータ率いるプロジェクト・バンドの2nd  今年のサマソニにも出演していたが、見ておくべきだったなー。ライヴで盛り上がりそうなアッパーでキャッチーな曲ばかりだ。ヴィクトリア・アッシャー(彼女はあのプロデューサー・ピーター・アッシャーの娘さんとのこと!)のキーボードをフィーチュアした、80年代ニュー・ウェーヴ/ディスコ風煌びやかさが特徴的なダンサブル・ロックであるが、良い意味での下世話さが1st「While The City Sleeps, We Rule The Streets」より増し、実にポップな仕上がりになっている。口当たりはポップでライトだが、芯の太いギター・サウンドを要所に据え、身体に響く重さをしっかり備えているのがクール。取り敢えず、一度ライヴを見てみないとね!  (12/8/2007)
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