Disc Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
新譜(おおよそ3ヶ月以内にリリースされた作品)には
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評価の
は5つで最高。2つで大体平均点と考えてください(は1/2点)
※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
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2004年 1月(no.55〜)
Jessica Andrews/Now <59>Jessica Andrews/Now
(2003・Import)
  はっきりと成長の跡が感じられるアルバムだ。1st、2ndアルバムも良かったけれど、最も聴きこむのはこの最新作になりそう。根底にある芯の太いルーツ・サウンドに、コンテンポラリーなポップ・センス。ティーンらしい溌剌とした明るいポップ・カントリーから一皮剥け、年齢を重ねた(といってもジェシカはまだ今年で21才!  ひゃ〜)だけの落ち着きを加えた本作は、普遍的でありながらも決して「ありがち」で終わらないジェシカの個性が存分に発揮された素晴らしい楽曲ばかり。特に印象に残るのがアルバム・タイトル・トラックの"Now"。全てを包みこむような大らかなジェシカのヴォーカルに、繊細で美しいメロディを備えたこの曲は、ちょっと他の歌手からは得ることのできない独特の雰囲気を持っている。きっとジェシカは20年後もこの曲を歌っているんじゃないかなあ。ソングライティングには今やすっかり売れっ子になってしまったビリー・マンやベッカ・ブラムレット(ex.Fleetwood Mac)も参加。そして、「ケヴィン・ペイジ」という人物が1曲ソングライティングでクレジットされているが、これは1989年に"Don't Shut Me Out"のヒットを飛ばした彼だろうか…?? ★★★★
Molly Hatchet/25th Anniversary Best Of Re-Recorded
<58>Molly Hatchet/25th Anniversary
〜Best Of Re-Recorded

(2004・日本盤)
  歴史を遡ると、Molly Hatchetの現ギタリストであるボビー・イングラムはMolly Hatchetが1978年にデビューする以前に初代ヴォーカリストのダニー・ブラウンと同じバンドで活動していたという。バンドに正式加入したのは1989年とはいえ、Molly Hatchetの歴史をその始まりから見続けてきたボビーの存在こそが現在のMolly Hatchetの背骨になっているといってよいだろう。とはいえ、既にバンドには1stアルバム「Molly Hatchet」レコーディング時のメンバーはひとりも残っていない。土着性よりはへヴィ・メタリックなソリッドさを重視。完成度は高いもののサザン・ロック的センスが希薄になった1996年の「Devil's Canyon」以降のMolly Hatchetに私も当初違和感を覚えた。が、今考えるとこの路線変更は至極正しかったと思える。ダニー・ブラウンの声をそのまま10倍パワー・アップさせたような現ヴォーカリストのフィル・マコーマック。彼のシーン屈指のヴォーカル力を活かす為に曲調がよりドラマティックになっていったのはある意味当然だし、彼のパワーに呼応するように重厚さを増したインストゥルメンツと共に、新奇なMolly Hatchetサウンドが形成されたのは、間違いなくバンドの寿命を延ばしたと思う。
  さて、本作はバンドデビュー25周年を記念し、現メンバーで1978〜1989年までのMolly Hatchetの代表曲を再レコーディングした全17曲の変則的ベスト・アルバムである。(Tr.14と15は共にインストゥルメンタルの新曲)  選曲的には、代表曲中の代表曲ばかりで無難な内容…と思いきや、バンド史上に残る失敗作「The Deed Is Done」(1985)からのヒット・シングル"Satisfied Man"やこれも凡作「Lightning Strikes Twice」(1989)収録のバラード"Goodbye To Love"といった、思わずほぉ〜と唸らされる曲まで何気に収録されており、その誇るべきキャリアを満遍なく網羅したまさに集大成的なアルバムになっているといえる。「オリジナル・バージョンを良くするためにこのアルバムを作ったんじゃない」とはボビーのコメントだが、多くのバージョンが明らかにオリジナルのクオリティを超えているのには驚かされた。現メンバーの意気込みと実力が伝わってくるようなパワー全開の"Flirtin' With Disaster"から、最後の"Boogie No More"まで、オリジナル・バージョンへの敬意とポジティヴィティに満ちた名演揃いだ。
 ★★★★
Molly Hatchet/Flirtin' With Disaster <57>Molly Hatchet
/Flirtin' With Disaster(1979・日本盤)

※リマスター、ボーナス・トラック付きの
輸入盤も出ています。
  初めて"Flirtin With Disaster"を聴いた時はぶっ飛んだ。土着性を絶妙なポップ・センスでコーティングしたハード・ロック・サウンドに、緻密に計算されたギター・ハーモニー。男くささを撒き散らすダニー・ブラウンの野太いヴォーカル。この曲が収録された2ndアルバム「Flirtin' With Disaster」以降も数え切れない名曲を生んできた彼らだが、未だ私にとってMolly Hatchetといえばこの"Flirtin' With Disaster"なのだ。1stアルバム同様、トム・ワーマン(Cheap Trick, Poison, テッド・ニュージェント etc.)がプロデュースしたこのアルバムは、前述した"Flirtin' With Disaster"のヒットもあり、チャートで健闘。Molly Hatchetはその人気を確実なものとした。
  "Whiskey Man"  "Boogie No More"といった代表曲も収録しており(どちらも、「Best Of Re-Recorded」で再演されている)、まず最初に聴くべきアルバムの1枚といえるだろう。  
★★★☆
Stone Temple Pilots/Thank You
<56>Stone Temple Pilots/Thank You
(2003・日本盤"Limited Edition")
  オリジナル・アルバムは全部揃えてはいるが、映像関係まで追わなかった私のような「そこそこ」のファンにとっては初回プレス限定の特典についてきたDVDがメインデイッシュだ。この3時間を越える映像アーカイブがマニアの方にとってどれだけの価値を持つのか不確かなところはあるのだが、ともかく、Stone Temple Pilotsについて知りたければまずはこのDVDを見るとよい。そして、今頃彼らのライヴ・パフォーマンスに打ちのめされている私は完全に「遅すぎた」んだと思う。
  俗にいう「グランジ」 「オルタナティヴ」の血中濃度が最も高まった1993年に登場し、新人のアルバムとしては大成功を収めたSTP。しかし、当初評論家受けは悪かったと記憶している。地を這うようなダークなギター・リフにどんよりとした、しかしキャッチーなメロディ。既に時代の主流になっていたサウンドのおいしいところだけを寄せ集めたような、ある意味最も売れセン(当時)のアメリカン・ロック。私も最初はオリジナリティに不満を覚えたものの、耳に絡みつくような独特のメロディに惹かれてCDを買った。STP最初の大ヒット曲"Plush"のシングルCD。聴いてみると、メインの"Plush"よりも、フリップ・サイドの"Sex Type Thing"の別バージョン("Swing Type Version")の異質なアレンジが鮮烈だった。おぉ〜こんな裏技持ってたんだ、という驚き。前述したようにアルバムは一通り聴いたし、メンバーのサイド・プロジェクトTalk Showやスコット・ウェイランドのソロ・アルバムもチェックはしたものの、結局STPには"のめり込む"というところまでいかなかった。何故か。今ならはっきりとわかる。動いているSTPを見なかったのがいけなかったのだ。
  ライヴではまるで軟体動物を思わせるスコット・ウェイランドのパフォーマンスにどうしても目がいってしまうが、実際は他の3人のメンバー(ロバート&ディーン・ディレオ、エリック・クレッツ)もプレイ、ルックス共存在感十分。結局はスコットが目立ちすぎたということなんだろう。そして最後にはっきりわかったこと。Stone Temple Pilotsは70年代のクラシック・ロックのエッセンスをしっかり備えた、それでいてモダンな要素を自然に身につけていたアメリカン・ロックのメインストリームにいる素晴らしいバンドだったのだ。
解散は悲しい。 
★★★★
Patty Griffin/A Kiss In Time
<55>Patty Griffin/A Kiss In Time
(2003・Import)
  過去一度も日本盤がリリースされたことがないアーティストなので、この知名度の低さもある意味仕方ないとはいえ、そろそろちゃんと評価されてほしいものだ。4枚目のアルバムにして初のライヴ作。素晴らしいシンガー・ソングライターとは思っていたが、この生々しいライヴ音源を聴いて、想像した以上の存在感と魅力を持ったアーティストであることがわかり改めて惚れ直してしまった。自分の生ギターと歌声のみ、ほとんどデモといってよいアコースティカルで生々しい1stアルバム(「Living With Ghosts」(1996))から一転、2ndアルバム「Flaming Red」(1998)ではソリッドなエレキ・ギターをフィーチュアしたシェリル・クロウにも通じるタフなロック・サウンドをつくりあげ多様性を見せつけていたが、このライヴ・アルバムを聴くとパティの本質はやはりアコースティックな優しい歌にあることがわかる。ギター、ベース、ドラムス、キーボードと、バック・バンドがついた5人編成でのライヴ。パティひとりで録音したデビュー・アルバムの曲も、ロック然とした「Flaming Red」の曲もライヴ用のアレンジが施され自然にショウ(アルバム)の流れの中に溶け込んでおり、全く違和感は感じさせない。
  ともあれ、まず聴覚を刺激するのはパティの素晴らしいヴォーカルである。曲そのものはシンプルでありながら、メロディの多彩さをしっかり伝えるパティの伸びやかな声に浸っていると時間が経つのを忘れてしまうほど。あと、明らかに意図的に残している曲間のMC。これがちゃんと理解できれば、もっと楽しく聴けるのだろうけど…。Tr.9"Mary"にはゲストとしてエミルー・ハリスが参加。また、Tr.12の"10 Million Miles"は新曲と思われます。

  なお、このCDには、3rdアルバム「1000 Kisses」(2002)のタイトル・トラックと、同じく「1000 Kisses」収録の"Chief"のプロモ・ビデオ、またパティのインタビュー等を収録したDVDがついてきます。パティって以外にひょうきんだったのねー(笑) ツアーについて語っているところで思わず笑ってしまいました。
★★★★☆
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