Disc Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
新譜(おおよそ3ヶ月以内にリリースされた作品)には
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※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
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2006年 6月(no.306〜)
 + no.312 +
Material Issue/The Millennium Collection
Material Issue
/20th Century Masters
The Millennium Collection

(import CD/2006)
★★★☆
  そうか…もう10年経つのか。Material Issueのフロントマン〜ジム・エリスンが悲劇的な死を遂げたのは1996年の6月のことだった。楽曲の多様性が増した「Freak City Soundtrack」(1994)  続く、生のMaterial Issueのパワフルな魅力を鮮やかに伝えるライブ作「Goin' Through Your Purse」(1994)の2枚はバンドがひと皮向けたことを伝える快作であり、これからもっとバンドがメジャーになっていくであろうことを期待させるに十分であったのだ、が…。Material Issueの魅力は、そのトリオ編成によるシンプル、しかし重さも十分備えたパワフルなロック・サウンドと、全ての楽曲のソングライティングを手掛けるジムが生み出し、歌うポップで親しみやすいメロディのコンビネーションにある。中でも、ジムのその曲調がどちらへ転ぼうとも常に少し"泣き"を帯びているエモーショナルなヴォーカルはMaterial Issueのトレードマークになっているといってよいだろう。この「20th Century Masters -- The Millennium Collection」はバンドの代表曲をコンパクトにまとめた初のベスト・アルバム。残念ながら"One Simple Word"  "A Very Good Thing"  "I Could Use You"(何れも「Freak City Soundtrack」収録曲)といった名曲が抜け落ちてしまっているし、ジムの死後にリリースされたコンピレーション「Telecommando Americano」(1997)〜
このアルバムには、1987年にリリースされたデビューEPの曲も全曲収録されている)の曲も完全にスルーされている。それでも十分に楽しめるのは、そう。曲がみな良いからだ! 活動期間は短いながら、シーンに鮮やかな印象を残したMaterial Issue  この12曲には彼らの魅力と歴史がギュっと凝縮されている。"Ballroom Blitz"のライヴ・バージョンにはCheap Trickのリック・二ールセンがゲスト参加。また"She's Going Through My Head"はデビューEPに収められていたのとも、「Freak City Soundtrack」に収められていたのとも違うバージョンのようだ。  (6/18/2006)
 + no.311 +
Cheap Trick/Rockford
Cheap Trick/Rockford
(Japanese CD/2006)

★★★★★
  決して新しい音ではないが、かといって古臭さは微塵もない。そして永遠に色褪せない。Cheap Trickのハード&キャッチーな音楽の魅力が詰め込まれた「Rockford」は、彼らの衰えぬ創作力とポテンシャルを証明するにふさわしい傑作として結実した。前作スタジオ「Special One」(2003)同様、ずっと昔に形ができていた曲も多いのだが(各曲のデータはThrough The Nightのアルバム解説を読んでください)  「Special One」が1曲毎に異なる曲調のバラエティからアルバムに起伏を生んでいたのと対照的に、本作は徹底してコンパクトでポップなロック・チューンで統一されている。よって、"Best Friend"や"Pop Drone"のように"意外性"を感じさせる名曲はないのだが、その分アルバムとしてのまとまりと勢いは素晴らしく、ラストのボーナス・トラック"Mondo Ragga"まで全13曲、全く中弛みを感じさせることなくスムースに流れてゆく。フック満載のメロディと、卓越したプレイ。色気と力強さを兼ね備えたロビンのヴォーカル。リンダ・ぺリー、ジャック・ダグラス、スティーヴ・アルビニ、クリス・ショウといった多くの共同プロデューサーを配しながら、完璧なまでの整合感をもたらした、バンドの見事な自己プロデュース能力も見事という他はない。改めて凄いバンドだCheap Trickは!  (6/9/2006)
 + no.310 +
Dixie Chicks/Taking The Long Way
Dixie Chicks/Taking The Long Way
(Japanese CD/2006)

★★★★☆
  アゲインストの風受けまくりの中でのアルバム発表。過去最も製作が困難だったことは疑う余地もないが、プロデューサーにリック・ルービンを起用し、またダン・ウイルソン(ex.Semisonic)、リンダ・ぺリー、シェリル・クロウ、二ール・フィン(ex.Crowded House)、ゲアリー・ルーリス(Jayhawks)、ベンモント・テンチ、マイク・キャンベル、チャド・スミス(Red Hot Chili Peppers)といった錚々たるゲスト・ミュージシャンをプレイヤー/ソングライターとして迎え製作された本作は、そのポリシーをありののままに音像化したような意欲的なサウンドの楽曲集に仕上がっている。もはやジャンル分けが無意味に思える多彩な音使い。何にも屈しない強固な信念は、しかし"女性ならではの優しさとやわらかさ"が息づいたメロディアスな楽曲に表れ、普遍性とメッセージ性が同居したアルバムとして結実した。もしかしたらかなり"重く"なっているのでは…との危惧もあったが、この見事なバランス感覚。やっぱり凄いわ。こんなアルバムがチャートno.1を記録するのだから、アメリカのメジャー音楽シーンも捨てたものじゃない。  (6/2/2006)
 + no.309 +
Linda Perry/In Flight Linda Perry/In Flight
(import CD/2006)
(original version was released in 1996)

★★★☆
  ↑のCheap Trick、Dixie Chicksの新作でもソングライターとしてゲスト参加しているリンダ・ぺリー(ex.4 Non Blondes)。恥ずかしながら、このレビューを書くためにデータを収集してはじめて、近年のリンダの売れっ子ぶりを知ることとなった(汗)  クリスティーナ・アギレラ、ケリー・オズボーン、Pink、グウェン・ステファニー、Lillix、ジェイムス・ブラント…今をときめくアーティスト達のアルバムでプロデューサーとして手腕を振るうその実力。既にアメリカでは日本とは比較にならないほど名前が確立されているであろうことは、この10年前にリリースされた"知る人ぞ知る"唯一のソロ・アルバムが突然再発されたことからも伺える。ただ、このアルバムから何故彼女が現在これだけ幅広いアーティストからアプローチを受けるのかを理解するのは難しいかもしれない。「In Flight」は一貫性のある、あくまでリンダのキャラクターを活かした60〜70年代アメリカン・ロックのメソッド満載のアルバムだからである。"Knock Me Out"であのグレース・スリックをフィーチュアしていることからもリンダの意図と方向性が窺い知れるだろう。リンダの、女性ロック・シンガーとしてはトップ・クラスに位置するであろう野太く、しかし優しさも兼ね備えた声の魅力を推し出したタフなロック・チューンが揃っている。ミディアム〜スロウ・テンポの曲がほとんどの上、コマーシャルな要素が薄いためややとっつき難さはあるが、"Freeway"の持つ独特のドラマティックさ等、新鮮な感動を与えてくれるシーンが多い。プロデューサー(co-プロデュースがリンダ本人)は、シェリル・クロウやマドンナのプロデューサーとしても有名なビル・ボットレル。なお、この再発版はオリジナルとジャケット写真が異なり、"Fill Me Up"と"Freeway"の2曲のプロモ・ビデオがエンハンスド・トラックとして追加され、ブックレットにこのアルバムでもプレイしているケヴィン・ギルバートを追悼して、とのクレジットが加わっている。  (5/26/2006)
 + no.308 +
Matt Nathanson/Beneath These Fireworks Matt Nathanson
/Beneath These Fireworks

(import CD/2003)

★★★★☆
  ハマりました。

  ばっはーさんに教えていただいた、このサンフランシスコ生まれのSSW〜マット・ナサンソン。もうデビューして13、4年も経とうかというヴェテランなのに、何故今まで知らなかったのだろう!  これは2003年にリリースされた最新スタジオ作。ひとことでいってしまうと楽曲のクオリティがおしなべて高い、繊細なメロディが実に美しいアルバム、となるのだが。感銘を受けたのは、そのサウンドのバランスだ。音を聴いて、先ず聴覚に強く刻みこむのはマットのややハスキーで、しかし甘いヴォーカルであり、インストゥルメンツ(マットのメイン楽器は12弦アコースティック・ギター)も常にそのヴォーカルを最も心地よく響かせるよう働いているよう。音楽性は伝統的アメリカン・ロック・マナーにのっとったものだが、ハードではなく、しかしアコースティックにも寄り過ぎず、土着性と洗練さが絶妙な色合いでブレンドされているのだ。音楽面で特に斬新さはない。モダンなサウンドというわけでも勿論、ない。だけど、この傑作に触れ、結局は深く、優しく染み渡るメロディとうたこそが普遍的な美を生むのでは…と改めて考えさせられたのだった。プロデューサーはジュード・コールやLifehouse等を手がけたロン・アニエーロ。バックグラウンド・ヴォーカルにはグレン・フィリップス(ex.Toad The Wet Sprocket)も参加している。ところで、マットのライヴは観客の笑いの絶えない、とても楽しいショウであるようなのです…(「At The Point」のレビューに続く)  (5/26/2006)
 + no.307 +
Matt Nathanson/At The Point Matt Nathanson/At The Point
(import CD/2006)

★★★★
  マット・ナサンソンの最新アルバムは昨年ペンシルヴァニアで録音されたライヴ・アルバム。これはマットのパフォーマー/エンターテイナーとしての実力を遺憾なく発揮した名ドキュメントだ。はあ、ギター一本と肉声だけで、これだけ芳醇で多彩な光景が描けるものなのか。楽曲の良さは勿論、一瞬にして空間を支配するそのメロディアスな歌声と12弦ギターの調和は白眉で、そのエモーショナルな音は、まるで目の前でマットが演奏しているような感覚さえ引き起こす。そして、マットのライヴの"売り物"のひとつになっているその軽妙でユーモアに満ちたトーク部分もしっかり収録。英語力不足で、話していること全部理解できないのが残念だけど。ブックレット中の、本人の書いたライナー・ノーツも笑えます。"Romeo And Juliet"はDire Straitsのカヴァー。この曲は本当に多くのアーティストに愛されているなあ…。  (6/9/2006)
  
 + no.306 +
The Kooks/Inside In Inside Out The Kooks/Inside In Inside Out
(Japanese CD/2006)

★★★★
  特に英国産の"話題のバンド"には慎重になってしまう私だが、ブライトンから現れた新人The Kooks、これは噂にたがわぬインパクトだった。本人たちも語っているように、彼らはかなり幅広い音楽から影響を受けているようで、オーセンティックなブリティッシュ・ロックを骨格にもちつつも、スカ、フォーク、ブラック・ミュージック等様々な音楽的要素を内包した多面的なアルバムとして完成されている。最初は、やはりまだ若いだけあって勢い重視でアルバムにメリハリが足りないな、各楽曲のキャラクターが薄味で、まだバラエティさが十分活かされていないな、などと思ったが繰り返し聴くにつけ、逆にそのスピード感を保ったままロック・ミュージックの歴史をさらりとなぞるそのセンスに驚きの感が増してくる。これは、ソングライティングのスキルと演奏力がしっかりしてるからこそ出来る芸当だ。ヴォーカリスト、ルーク・プリチャードの声も年齢を感じさせない逞しさと安定感を持っている。KinksやXTCを連想させるパートもあったりして。私のような30代のおっさんでも十二分に楽しめる鮮烈なデビュー・アルバム。  (5/26/2006)
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