June 2009

 + no.548 +
Better Than Ezra/Paper Empire
Better Than Ezra/Paper Empire
(import CD/2009)

★★★★☆
  ドラマーがマイケル・ジェロームに代わって(クレジットには前ドラマー・トラヴィスの名前もある)の8年振りのオリジナル・アルバム。とにかく、次から次へと溢れ出る叙情メロディに圧倒される。3ピース・バンドとしてのシンプルでダイレクトなロック・サウンドでダイナミズムを生んでいた初期の姿はここにはなく、楽曲の求めるままにキーボード、サックス等を加えた厚みのある音でケヴィン・クリフィンの甘い声を響かせる、楽曲重視の姿勢が表れている。名曲揃いだが、特に前半"Absolutely Still"〜"Just One Day"までの流れは鮮烈。メロディだけでもBTEの個性が十分発揮出来ることを示した傑作だ。  (7/3/2009)
[Better Than Ezra」
Disc Review(2004) / Disc Review(2005)
Disc Review(2005) / Music Review(2007)
 + no.547 +
Collective Soul/Afterwords Collective Soul/Afterwords
(import CD/2007)

★★★★
  8月25日にニュー・アルバム「Rabbit」(※メンバーによるワーキング・タイトル)のリリースが控えているCollective Soulの現時点での最新作。輸入盤の値段が異様に高く購入を控えていたのだが、やっと値段が落ち着いたので今更ながらゲット。いや、これは快作ではないか!  独特のノリを持つキャッチーなギター・リフと、エド・ローランドのポップな歌メロの組み合わせの妙がCollective Soulのセールスポイントであるが、本作ではその歌メロと、メロディを引き立たせるアレンジがアイディア盛りだくさんで実に冴えている。つまりは楽曲がバラエティに富んでいるということなのだが。曲順もよく練られており、個人的にこれまでのアルバムの中でも最もトータルで楽しんだ1枚になった。  (6/21/2009)
「Collective Soul」
Disc Review(2004) / Disc Review(2006)
 + no.546 +
Marshall Crenshaw/Jaggedland
Marshall Crenshaw
/Jaggedland

(import CD/2009)

★★★★☆
  マーシャル・クレンショウ2001年の「What's In The Bag?」以来の新作。これはヘッドフォンで音のひとつひとつを味わいながらじっくり聴いてほしいアルバムだ。有機的に、立体的に絡みつくひとつひとつのインストゥルメンツ。そこに乗るマーシャルの暖かい声と言葉。アメリカン・ルーツ音楽の美点を折衷した、マーシャル流ポップ・ロックはアルバムを重ねる度熟成し、ここへきて極みに達したように感じる。これ!という突出した名曲はないものの、楽曲のクオリティは何れも文句なしに素晴らしく、枯れた味わいとポップ・センスの融合したサウンドで全編楽しませてくれる。  (7/3/2009)
「Marshall Crenshaw」
Disc Review(2003) / Music Review(2007)
 + no.545 +
Hooters/Both Sides Live
The Hooters/Both Sides Live
(import CD/2009)

★★★★☆
  2007年11月にフィラデルフィアで行ったライヴから13曲を収録したディスク1「The Electric Factory」と、翌2008年2月〜3月にElm Street Studiosで行ったアコースティック・ライヴから全13曲を収録したディスク2「The Secret Sessions」をパッケージしたもの。落ち着いた雰囲気のディスク2も素晴らしいのだが、これぞHooters!と叫びたくなる彼らのライヴの魅力が凝縮された(と思える。生のライヴを残念ながら見たことがないので…)ディスク1が圧巻だ。次々飛び出す名曲の数々。そして熱のこもった演奏に合わせ自然に身体が揺れ、時に目頭が熱くなる。名作「Zig Zag」(1989)の曲が1曲も収録されていないのが残念だが、それを踏まえても有り余る充実度だ。時代の音と併走しつつ、アメリカン・ミュージックのルーツを掘り下げていた80年代のような姿はここにはないが、他のどこでも聴けない唯一無二の音と言葉がここにある。いつ聴いてもポジティヴさを与えてくれるHootersに感謝!  (6/20/2009)
The Hooters
Disc Review(2006) / Music Review(2008)
 + no.544 +
Billy Satellite Billy Satellite/Billy Satellite
(import CD/2009
: originally released in 1984)

★★★★
  80年代アメリカン・ロックの隠れた名盤がついに再発。後にエディ・マネーと活動を共にし、New Frontier、Big Houseといったバンドにも在籍したモンティ・バイロム(ヴォーカル、ギター、キーボード)、このバンドの後に38 Specialに加入するダニー・チャンシィを有する4ピースのアメリカン・ロック・バンド。後にエディ・マネーがアルバム「Can't Hold Back」で(1986)カヴァーし大ヒットを記録した"I Wanna Go Back" 同じくエディがアルバム「Ready Eddie」(2002)でカヴァーした"Satisfy Me"を収録した、土着的なアメリカン・ルーツ・サウンドを根っこに持ちつつも、80年代前半という時代を感じさせる洗練さと甘さも要所で加味した親しみやすいサウンドだ。ポップではあるが、決して産業ロックといえるほどのコマーシャルさは持たず、あくまでタフなアメリカン・ハード・ロックとして鳴っているのが魅力であり、逆にそれが大ブレイクに至らなかった理由でもあるのだろう。プロデューサーは当時のトップ・プロデューサーのひとりドン・ガーマン(ジョン・クーガー・メレンキャンプ、REMほか。  (6/13/2009)
 + no.543 +
Enuff Z'nuff/Dissonance
Enuff Z'nuff/Dissonance
(Japanese CD/2009)

★★★★
  数々の困難を乗り越え、バンドの核であるドニー・ヴィーがチップ・ズナフとの関係を修復しバンドに復帰。改めてあるべきラインナップに戻ったEnuff Z'nuffのニュー・アルバム。雑誌のインタビューを読むと、ドニーはチップのダイレクションに不満があり、決してアルバム全てが良い出来であると思っていないようだが、いやいやどうして、過去のEnuff Z'nuffの美点を踏襲しつつ、ヴェテランならではの円熟味も加味した素晴らしい内容に仕上がっているではないか。相変わらず決して明るくなれない、ならないメロディは決してとっつきやすくはないが、聴くほどに、陰りあるサウンドの向こうから情感溢れる歌メロが染みわたってくる。ジェイク・E・リーがゲストでギターをプレイ。Princeの"When Doves Cry"はアレンジが工夫不足で、少々蛇足に終わってしまった感がある。  (6/13/2009)
「Enuff Z'nuff」
Cheap Trick(Disco) / Disc Review(2003)
 + no.542 +
Martina Mcbride/Shine Martina Mcbride/Shine
(import CD/2009)

★★★☆
  昨年リリースのライヴ作(CD+DVD)「Live In Concert」以来の新作。毎度ながら、非常に音楽的バランスに長けたアルバムである。コマーシャルではあるが、洗練されすぎルーツ色を失ってしまうこともなく、バラード中心で甘さに流れてしまうこともなく、クリアなサウンド・プロダクションの元でマルティナの持ち味である伸びやかなヴォーカルが舞っている。飽くまでカントリーというジャンルに身を置きながら、垣根を越えてその歌唱力のポテンシャルをアピールする(だから、普段カントリーをあまり聴かない私も聴いている)という点でも、ロックもカントリーも熟知したダン・ハフは最適な人選だろう。楽曲、演奏、プロダクションと全てにおいて隙のない、安心して聴けるアルバムだ。  (6/13/2009)
「Martina Mcbride」
Disc Review(2003) / Music Review(2008)

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