Disc Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
新譜(おおよそ3ヶ月以内にリリースされた作品)には
マークがついています。
は管理人のお勧め度で、星5つで最高。
2つで大体平均点と考えてください(
は1/2点)
※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
2005年
 1月 / 2月 / 3月 / 4月 / 6月 / 7月 / 8月 / 9月 / 10月 / 11月 / 12月
2006年
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2006年 3月(no.284〜)
 + no.293 +
Cheap Trick/Dream Police(Remaster+Expanded)
Cheap Trick/Dream Police(Expanded)
(import CD/2006)
★★★★☆
  "出る"というアナウンスがあってから優に3年は経っているのではないだろうか?  「At Budokan」でブレイクしたCheap Trickがまさにシーンの頂点に登りつめ、そして大きな転換期を迎えようとする時期の傑作2タイトルが、リマスターされ、ボーナス・トラックを追加して再発された。(基本的な情報はこちらを参照ね)  オリジナルを聴きまくり、Cheap Trickが完全に人生の一部になってしまっている私のような人間にとっては(笑)評価はボーナス・トラックとブックレットの内容に全てかかっているのだが、正直その点でこの2枚は物足りなさを感じざるを得ない。まず、「At Budokan」に続く大ヒットとなり(といっても、実際は「Budokan」以前にレコーディングは完了していた)、70年代の最後を締めくくった「Dream Police」  ボーナス・トラックとして"The House Is Rockin'(With Domestic Problems)"と"Way Of The World"のライヴ(何れも79年のニュー・イヤーズ・イブのショウより)、"Dream Police"の"No Strings"バージョン(いってしまえばデモ)、"I Know What I Want"のライヴ(1988年)の4曲を収録。このうち79年のライヴと"Dream Police"のデモ・バージョンは公式には初のリリースでかなり貴重。特に79年のライヴ2曲では、ライヴ・バンドCheap Trickの真骨頂たるハードでアグレッシヴなプレイが堪能できる。"Dream Police"のデモは、ブートでは出回っていたのかもしれないけれどはじめて聴いた…いや、昔何かで聴いたかも(汗)  "I Know What I Want"のライヴは4枚組コンピレーション「Sex, America, Chaep Trick」で聴くことのできる既出音源で新鮮味なし。ブックレットのメンバーが語る曲毎の詳細なエピソードは、よく知られた事実も多いがかなり面白い。トム・ピーターソン曰く、《「Dream Police」の楽曲はグレイトだが、アルバムは最も強力な1枚とは思わない》だそうです。  (3/11/2006)
 + no.292 +
Cheap Trick/All Shook Up(Remaster+Expanded)
Cheap Trick/All Shook Up(Expanded)
(import CD/2006)

★★★★
  一方「All Shook Up」のボーナス・トラックは映画「Roadie」のサウンドトラック・アルバムに収録された"Everything Works If You Let It"と、1980年のEP(NuDiscという珍しい形態でリリースされた)「Found All The Parts」の4曲という既出音源計4曲。「Found All The Parts」は確かにアメリカでははじめての正規音源化だが、ファンなら日本からの輸入版をとっくに入手しているだろうし、やっぱり面白みはないなあ。私にとっての目玉はブックレットのメンバーのコメント!(笑)  「Found〜」の楽曲も含む、各曲毎のメンバーのコメントは、かなり細かなレコーディング・データや付随するエピソードにまで焦点を当てたもの(ボン・スコットが亡くなった日にリック・ニールセンの家が火事になっていたなんて…)で、マニアでもこれを読んでからアルバムを聴き返せばまた違った楽しみ方が出来るのではないだろうか。巨匠ジョージ・マーティンとコラボレイトしてつくりあげた「All Shook Up」は、CTの歴史上最も意欲的な実験が施されたアルバム。その風変わりなハード・ロック・サウンドは未だ正当な評価がされていないが、はっきりいってこのアルバムは傑作。こんな音を出しているハード・ロック・アルバムは他に1枚もない。過去、メンバー自身からもこのアルバムに対してのマイナスのコメントはほとんど聞こえてこなかったが、この2006年バージョンのブックレットにおけるメンバーの自己評価も自信と確信に満ちている。一番最初のリックのコメントが全てだ。  (3/11/2006)
 + no.291 +
Collective Soul/Home
Collective Soul/Home
(import CD/2006)
★★★☆
  げげっ!  CDストアでこのCDを見つけたとき思わず小さく声を漏らしてしまった。もはやヴェテランの域に達したアトランタ出身のバンドCollective Soulが地元のAtlanta Symphony Youth Orchestraと競演した2枚組ライヴ作品(エンハンスドで"How Do You Love"の映像も収録)。過去数多くのバンドがトライしてきたロックとクラシックの融合。クラシックとはかなり距離があると思われてならない、ラフでオーセンティックなCollective Soulのアメリカン・ロック・サウンドが果たしてどのような別世界への歩み寄りをみせるのか…と恐る恐るプレイヤーにのせてみた。最初は…???  でも、数回聴いてなるほど!  このライヴに関してはこれまでのロック+クラシックのアルバムとはちょっと聴き方を変えたほうが良いであろう。Collective Soulがオーケストラの荘厳なサウンドを武器に、自らの代表曲をドラマティックにアレンジし直した、と考えるとことの他楽しめるのだ。元よりコンパクトでキャッチーなロック・チューンを書く能力に長けているバンドではあったが、決して器用とはいえないエド・ローランドの声、しかしヴォーカル・ハーモニーは最小限で、あくまで生のバンド・サウンドを追求したストレートなアレンジの為、楽曲のもつポテンシャルが100%発揮されていないように思えてならなかったのだ。その個人的な不満が解消されたのがゴージャスなアレンジを用いて多面性をアピールした2002年の「Blender」だったわけだが、残念ながらテクノロジーを多用した「Blender」のアプローチは多くのファンに拒否反応を示されたようだ。そうなると、生音が生むダイナミズムから新たなサウンドの開拓を示す本作は「Blender」と対として考えるべきアルバムなのかもしれない。そしてこのアルバムに「Blender」の曲は収録されていない。実はずっと好きでなかった彼らの最初のビッグ・ヒット"Shine"にハッとさせられた(サビではファンの大合唱が!)り、意外なほど発見が沢山あって楽しめた。  (3/25/2006)
 + no.290 +
Matraca Berg/Lying To The Moon Matraca Berg/Lying To The Moon
(import CD/1990)

★★★★☆
 + no.289 +
Matraca Berg/Lying To The Moon & Other Stories Matraca Berg
/Lying To The Moon & Other Stories

(import CD/1999)

★★★★☆
  やたーっ! こまめに中古CD屋さんチェックしていると良いことあるなあ(笑)現在では入手困難になってしまった傑作アルバム「Lying To The Moon」のオリジナル・バージョンを先日格安でゲット!  ディアナ・カーター、フェイス・ヒル、リンダ・ロンシュタッド、ダスティ・スプリングフィールド、パム・ティリス、キース・アーバン etc.etc. と、マトラカ・バーグが楽曲を提供した有名アーティストはカントリー・シーンをメインに数知れず。マトラカの名前は知らなくとも、マトラカが作曲に関わった曲をいつの間にか耳にしている人は多いはず。しかし、マトラカはキム・リッチー、グレッチェン・ピータース等と同様、地味な存在にしておくにはあまりに惜しい超魅力的なシンガー・ソングライターだ。ウェンディ・ウォルドマンとジョッシュ・レオが共同プロデュースし、エミルー・ハリスもゲスト参加したオリジナル「Lying To The Moon」は、1990年にリリースされたマトラカの1stアルバム。その9年後にリリースされた「Lying To The Moon & Other Stories」は、マトラカ曰く「私のCDが店に置いていない(=廃盤になってしまった)」ので、「Lying To The Moon」から2曲を削り、残りの8曲をリマスターして新たに録音した新曲4曲を加えた新装版。敢えてどちらか1枚を勧めるなら「Lying To The Moon & Other Stories」にするけれど、どちらも傑作だからできれば両方聴いて。ついでに1997年の「Sunday Morning To Saturday Night」も文句なしの傑作だからチェックしてほしい…って、こう書いていてマトラカのアルバムが実はもれなく廃盤という現実に涙をこぼさずにいられない訳ですけども(泣)  過小評価にも程がある…。土着的過ぎず、適度に洗練されたマトラカの楽曲は、どれも普遍的という言葉がふさわしいタイムレスな魅力を持っている。この繊細で美しいメロディ。機会があったら聴いてみて!  (3/11/2006)
 + no.288 +
Tal Bachman/Staring Down The Sun Tal Bachman/Staring Down The Sun
(import CD/2004)

★★★★☆
  こりゃまたチェックするのが遅れてしまった!  驚いたよ、このタイトルをAll Music Guideで見つけた時は。デビュー・アルバム「Tal Bachman」で鮮烈な印象を与えてくれたものの、その後ずっと名前を聞かなかったタル・バックマン。もしや業界から引退…?との嫌な予感さえ過ぎったが、このアルバムはタルが健在どころか今SSWとして最も脂がのっている時期なのではないかとさえ思わせる印象的なメロディが詰め込まれた傑作だ。プロデュースとミックスにボブ・ロックが関わっていたデビュー作では、ビッグなサウンドのインストゥルメンツと、どちらにサウンドが転ぼうとも常に湿った哀感を漂わせるヴォーカルとの調和が独特のダイナミズムを生んでいたが、この新作ではパワーと洗練度を少々抑えつつ、多彩さを増した曲調のうえでタルのヴォーカルの魅力を引き立たせている感じ。サウンドはよりオーガニックに、うたはよりエモーショナルに。ヴォーカル・ハーモニーをふんだんに配したメロディ・ラインは実にきれいで、心憎いほどにこちらのツボを突いてくる。また歌詞が非常に明快で、日本人にもわかりやすい言葉と表現で真正面から感情に訴えてくるのだ。4曲のソングライティングで他ライターの手を借りた以外は、ソングライティング・プレイ共全てタル本人が任を負っておりそのヴァーサタイルな才能も露にしている。敢えて注文をつけるなら、ドラマーだけは専任を雇っても良かったのでは…ということだが、それがささいなことに思えるほどメロディの魅力が際立っている。ボーナス・トラックとして"She's So High"のライヴ・レコーディングを収録。現在日本で手に入るのはカナダ版(オンライン・ショップで買うとかなり高い)だが、今年アメリカでもリリースされる予定みたい。日本版はその後かな?  (3/3/2006)
 + no.287 +
Tal Bachman/Tal bachman Tal Bachman/Tal Bachman
(Japanese CD/1999)

★★★★☆
  ボブ・ロックがプロデュースを手掛けたこの1stアルバムは、プロダクションという点では「Staring Down The Sun」より上だろう。70年代に活躍したカナダのハード・ロック・バンドBachman-Turner Overdriveに在籍していたランディ・バックマンの息子という触れ込みでデビューしたタル・バックマンは、最初から驚くべき"完成品"をこちらにぶつけてきた。楽曲のクオリティも演奏面も文句なしだ。ソリッドなギター・サウンドの中に生きた叙情味あるメロディは、タフさと繊細さの間を行き来しつつもタルの暖かなヴォーカルによって"ロマンティック"という本分を外れない。大ヒットした"She's So High"をはじめ"If You Sleep"や"にI Wonder"といった名曲・佳曲を多数収録。調べたら、アルバムはあまりアメリカではヒットしなかったんだね。トップ100にもチャートインしなかったなんて…。  (3/11/2006)
 + no.286 +
Tegan And Sara/So Jealous Tegan And Sara/So Jealous
(Japanese CD/2005)

★★★★☆
  鮮烈だった来日公演の余韻も心の中で静まり、日々じっくりCDに浸っているがやはりこのアルバムは傑作だ。なにしろ楽曲が粒ぞろい。コンパクトに纏められたフック満載のポップ・ロックが矢継ぎ早に繰り出され、退屈させる隙さえ与えない。来日公演のセット・リストの過半数はこの最新アルバム「So Jealous」の楽曲で構成されていたが、「So Jealous」の曲だけでセットを組んでしまってもライヴが充分成り立つのでないか…などと言いたくなるほどの多彩さとドラマも備えているのだ。ささくれたパンク/ネオ・オルタナティヴ・ロックから、トラディショナルなフォーク・ロックまで。ダイナミクスと、女性らしい繊細で柔らかなうたを調和させ、20代ならではのスピード感(速い曲という意味ではない)を持ったクロスオーバー・ミュージックは既にTegan And Saraの個性としてしっかり確立されている。キュートで親しみやすい。でもかなり奥深い。大好きです。  (3/4/2006)
 + no.285 +
Tara Maclean/Silence Tara Maclean/Silence
(import CD/1996)
★★★☆
  現在は、昨年レビューしたカナダの女性SSW3人のプロジェクト・バンドShayeで活動するタラ・マクリーンの恐らくデビュー・アルバム。CDストアの店頭で見かけたことがないし、恐らく過去日本版はリリースされていないんじゃないかな。序盤はメロディといいインスト部分といい、"サラ・マクラクラン風味"過多に思えるが、アルバムを聴き進めるにしたがってタラならではの哀感に満ちたメロディの魅力が広がってゆく。やっぱりタラもソロ・アルバムの方が楽しめるな。この繊細な美しさがもっとShayeで活かされていれば良いのだが。  (3/11/2006)
 + no.284 +
Tara Maclean/Passenger Tara Maclean/Passenger
(import CD/2000)

★★★☆

  その涼しげなジャケット同様、タラならではの透明感のあるメロディ・センスがしっかり確立されたことを実感できる2ndアルバム。これだ!という決め手こそないものの、楽曲の質は総じて高く、じっくり音楽に浸れる。  (3/25/2006)
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