Disc Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
新譜(おおよそ3ヶ月以内にリリースされた作品)には
マークがついています。
は管理人のお勧め度で、星5つで最高。
2つで大体平均点と考えてください(
は1/2点)
※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
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2006年 5月(no.298〜)
 + 305 +
Deacon Blue/Raintown
Deacon Blue/Raintown
(Legacy Edition) (Japanese CD/2006)
※オリジナルは1987年リリース
※ジャケット写真はオリジナルCDのもの

★★★★☆
  Deacon Blueは、楽曲・プレイ面ともに円熟味を感じさせる「Fellow Hoodlums」(1991)と、キャッチーで小気味良いポップ・ロックが連続して繰り出される「When The World Knows Your Name」(1989)を最も好んで聴いていた。そんな私にとっては「Raintown」のみエクスパンデッド・エディションで再発されるのは少々疑問を感じさせるをえなかったのだが…。

  デビュー・アルバムにはやはりマジックがある、のだろうか。「Raintown」を久しぶりに聴いて、そのピュアな美しさに眩暈がするほどだった。リッキー・ロスの歌唱は、決して器用とはいえないラフな感触を残すものだし、楽曲の多様性も後のアルバムほどではない。しかし、そのジャケット写真にも通じる陰りのあるサウンドから伝わってくる切ない情感はこのアルバムでしか味わえないものだ。あまりに秀逸な"Born in A Storm"〜"Raintown"〜"Ragman"と続くオープニングの聴き手を引き込む構成とメロディのつくりかたの手法。(リッキー・ロスがライナー・ノーツで"Ragman"がアルバムの核になっている曲、と言っているのにはうんうんと頷いてしまった)  中盤"When Will You(Make My Telephone Ring)"〜"Chocolate Girl"〜"Dignity"とヒット曲が続く部分のドラマ性。力強くも叙情味溢れる楽曲群が胸をうつ。今回のエクスパンデッド・エディションにはオリジナル・アルバムの11曲に加え、もう一枚CDが収められているが、これには未発表デモ・バージョン、1986年にマーキー・クラブで行われたバンドの初ライヴでの音源。同じ年(リッキーはライナー・ノーツで1987年と書いているがどちらが正しいのか?)行われた最初のツアーの最終日・地元グラスゴー・アート・スクールの音源、未発表別バージョン曲がそれぞれオリジナルのアルバム通りの曲順で収録されているが、これが実に秀逸な出来で、当時のバンドの持つ魅力を生々しく今に伝えてくれるのだ。なお、1stプレスと日本盤に収録されていた"Riches"と”Kings Of The Western World"は今回ディスク2の方に収録されており、本編は、リッキーのエモーショナルな叫びが印象的な"Town To Be Blamed"で終わる全11曲の構成になっている。鮮烈な歴史の「予感」と「はじまり」がぎゅっと2枚のCDに詰め込まれた、なんとも素敵なリ・イシューだ。  (5/19/2006)
 + 304 +
Deacon Blue/Our Town - The Greatest Hits Deacon Blue
/Our Town -- The Greatest Hits

(Japanese CD/1994)

★★★★
  はい、珍しくベスト・アルバムの紹介です。私もこの世に真の意味で「ベスト」なベスト・アルバムなど存在しない。どうせ買うならオリジナルを…と思っているくちですが(その割には沢山ベスト・アルバム持ってるけど(笑))この1994年にリリースされたDeacon Blue初のグレイテスト・ヒッツは過去に聴いた多くのベスト作の中でもかなり満足度の高い部類に入る。2001に2枚組のベストも出ているが、「Whatever You Say, Say Nothing」アルバム(1993)以前の代表曲、ヒットは満遍なく収められており、入門編としては申し分ない内容を持っているといえるだろう。Dignityの再録バージョンからはじまり新曲で終わる構成も悪くなく、DBのナイーヴなメロディも、骨太な側面もしっかり詰め込まれている。これを聴いて気に入ったら是非オリジナル・アルバムもトライしてみて。  (5/26/2006)
 + 303 +
Jewel/Goodbye Alice In Wonderland
Jewel/Goodbye Alice In Wonderland
(import CD/2006)
★★★★
   売れるのは良いことだ。有名になるのは素晴らしいことだ。しかしこのジュエルに関しては、デビュー時の素朴な音楽とルックスの印象が強すぎて、音楽のクオリティは認めても、その「ゴージャス化」  「セレブ化」にどうしても馴染めず、アルバム毎に徐々に思い入れが薄れていってしまい…。3年ぶりのオリジナル新作。テクノロジーを多用した実験的な前作「0304」と比較すると、ぐんと抜けがよく明快でメロディアスな音づくり。アコースティックで繊細な感覚も十分に活かされている。が、"ルーツ回帰"という感じはしない。1stアルバムの根源的シンプルさを持ったフォーク・ロックに戻る(戻れる)ことは先ずないだろうし、この自然に滲み出るスケールの大きさは隠しようもないが、音楽の旅にいったん区切りをつけたジュエルが、ストレートなサウンド、飾り気のないアレンジ、そして美しいメロディで等身大の自分を表現しようとしているのがはっきり伝わってくる。やはりメロディ・メーカーとしての資質は並ではない。楽曲のもつ普遍性も全作品中最高かも。  (5/12/2006)
 + 302 +
Amie Comeaux/Moving Out Amie Comeaux/Moving Out
(import CD/1994)

★★★☆
  インターネットの恩恵に、長らく音信不通だった(=情報を得られなかった)アーティストへの再会の切っ掛けを与えてくれたということがある。何せネット以前は、特にマイナーなミュージシャンは雑誌・新聞、CDストア店頭の情報が全て。当然、雑誌が記事を載せてくれなければ、CDストアがモノを仕入れてくれなければ、何も伝わってこないのだ。いつの間にか解散していたバンド、職を変えていたミュージシャン…ネットで調べてはじめて知る事実の数々。しかし、このエイミー・カムオークス(←正式な発音わからず)ほど久々の再会で驚かされたミュージシャンはいなかった。なにしろ、彼女はアルバム2枚だけ残して、私の知らぬ間にこの世を去っていたのだから。1997年12月に亡くなったとき、エイミーはわずか21才。この「Moving Out」はエイミーが10代の時に残した唯一のオリジナル・フル・アルバムである。ブックレット(歌詞カード)を広げると、エイミーのピン・ナップになっていることからもレーベルがどのようにプロモーションしようとしていたのかが窺い知れるが、その音楽の内容は思いのほかオーセンティックで本格的だ。といってもメロディは実にポップでメロディアス。過度に洗練されたアレンジがなされているわけではないが、各楽曲のメリハリの効いた優れたメロディと、瑞々しく透き通るようなエイミーのヴォーカルが、自然なかたちでキャッチーなポップ・センスを形作っているのだ。ポップな"Moving Out" "Takin' It Back" "Who's She To You"といった曲から、"I Want The First To Last" "Blue" "You Belong To Me"(パティ・ペイジがオリジナルを歌った有名曲)といったメロウな曲まで、名曲は数多い。現在は入手困難のアルバムだが、興味のある方は探して是非聴いてみてほしい。オフィシャル・サイト  (5/12/2006)
 + 301 +
Willi Jones Willi Jones/Willi Jones
(Japanese CD/1990)

★★★☆
  ネット検索したところ、米Yahooではこのアルバムについての情報はいくつか出てきた。日本のYahooではほとんど何も出てこなかった。結局はネットでもこの日本版CDについているライナー・ノーツ以上に詳細な情報は得られず。サウス・キャロライナ州出身の女性SSW 唯一のアルバム。中古CD屋の特価コーナーに置いてあるのを見つけて購入。これはまた新鮮な空気と、まるで360度広々とした山に囲まれているような清清しさを与えてくれる素晴らしいアルバムだ。と、同時に覚える切なさと、表現し難い喪失感。何故これほど優れたミュージシャンがたった一枚のアルバムを残して姿を 消してしまったのだろうか? 日本版オビにも載っているワディ・ワクテル、バーニー・リードン、スティーヴ・ジョーダン、J・D・サウザー、ウィリー・ ディクソンといった豪華ゲスト陣。(ウィリーは"Long Legged Goddes"ではソングライティング及び、ヴォーカルでも参加。かっこいいんだこれが) カントリー、ブルーズ、サザン・ロック、フォーク…出だしは、ちょっとパティ・ロスバーグ似(わかりにくい比較ごめん)のキュートな声を活かしたポッ ピーなルーツ寄りロックかと思ったが、アルバム中盤にも差し掛かる頃になると、その思った以上にタフで地に足の着いた音の重みにハッとさせられる。楽曲のクオリティは申し分なく、また曲調のバラエティも十分で飽きさせない。85年に一度メジャー・レーベルと契約を一度交わしながら、その話はおしゃかになり、1990年に満を持してのデビュー…だったのに…。  (5/12/2006)
 + 300 +
Rebekah/remembertobreathe Rebekah/remembertobreathe
(Japanese CD/1998)

★★★★☆
  オハイオから出てくる音楽に私の嫌いなものはない…とそんな極論を吐きたくなるほどオハイオ産のロック/ポップには私の好みに合うものが多いが、この Rebekahもオハイオ出身の黒人SSW。しかし、彼女もこの傑作デビュー・アルバム以降全く消息を聞かなくなってしまった…。そもそも、まだ音楽活動 を続けているのだろうか? 16ビートの、リズムを強調した曲もあるが、概してオーセンティックなブラック・ミュージック色は薄く、レベカのキュートな ヴォ−カルを活かしたポップでメロディアスなポップ・ロックとして完成されている。含まれる音楽要素は実に多彩で、ミクスチャー的と表現してもよいが、作為的な感じや押し付けがましさは全くない。柔軟な楽曲アレンジと抑揚の効いたヴォーカルと、ヒューマンでストレートなメッセージ。ぬくもりあるサウンド。プロデューサーは自身80年代にヒットを飛ばしたあのマシュー・ワイルダー。"Hey Genius"  "Sin So Well"  "Love Song"  "Pining"…記憶に残る名曲は数多い。  (5/12/2006)
 + no.299 +
Hoobastank/Every Man For Himself
Hoobastank/Every Man For Himself
(Japanese Deluxe Edition CD+DVD/2006)

★★★★
  ふぁ〜これはちょっと驚いた。大ヒット作「The Reason」に続くHooberstank2年ぶりの3rdアルバムは、予想以上の大きな飛躍をみせた秀作だ。前作までのHoobastankは楽曲単位ではインパクトをみせても、メロディの質と楽曲のバラエティが平均的であったので、アルバム単位でみるとかなり物足りなさが残ったのだが今回は違う。アグレッシヴなヘヴィ・ロックから、バラード、ホーン・セクションまで取り入れた大作"More Than A Memory"のような新境地まで曲調は非常に多彩で、且つ楽曲アレンジもトリオのバンド・サウンドに拘らない自由度の高さをみせている為、全体に絶妙なアップダウンが生まれている。こういった土台の上でこそ本当にダグラス・ロブの歌唱力も活かされるというもの。まあ、曲調がどっちの方に転んでも"行き過ぎず"あくまでも美麗なメロディをフィーチュアしたHoobastankの音楽は良くも悪くも中道的なわけだが、このメロディ・センスと明快なメッセージ性は何にも換えがたい普遍性を有していると思う。"Crawling In The Dark"や"Same Direction"のような疾走感とヘヴィネス、"The Reason"の泣きを求めるとスカされるが、バンドが新たなステップを刻むに不可欠な実験が見事に結実したトータルとしてのアルバムのクオリティを評価したい。初回限定デラックス・エディションにはサマソニ04でのライヴ3曲と、「Let It Out+3」DVDよりライヴ・ビデオとPVをそれぞれ2曲ずつ収録したDVDが付いてくる。  (5/6/2006)
 + no.298 +
The Goo Goo Dolls/Let Love In
The Goo Goo Dolls
/Let Love In

(Japanese CD/2006)

★★★
 
  プロデューサーに大御所グレン・バラードを迎えた、スタジオ作としては2002年の「Gutterflower」以来4年ぶりの新作。グレン・バラードの起用ということは、まちがいなく歌メロ優先の方向でいくのだろう…という推測は、オープニングの"Stay With You"ですぐ明らかになる。パンク/HR的なアグレッシブなそれでなく、洗練されたサウンドで聞かせるメロディックギター・リフ。空間を活かしたインストゥルメンツの上で響く、一際エモーショナルなヴォーカル。このAOR寄りといってもよいメロディック・ロック路線はバンドの資質に合っているし、ゆったりした美しいメロディは聴いていて非常に心地よい。なのに聴き終えて残るものが少ないのは何故だろう?  ジョン・レズニックもロビー・テイケックもソングライティングは相変わらず安定しており、"Stay With You"  "Let Love In"  "Better Days"をはじめとして佳曲は多い。ヴォーカルのパフォーマンスも過去最高ではないか。しかし、折角グレン・バラードを起用して新生面を打ち出すのであれば、"楽曲ストラクチャーそのもの"に大幅な変化をみせて欲しかったと思うのだ。極端にいえば、もうジャンルとしての"ロック"に拘らなくてもよいからもっと劇的なメロディを作ってほしかった。過去のどのアルバムよりもリラックスして聴ける、味わい深い良作であることは確かである。  (4/30/2006)
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