Music Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
新譜(おおよそ3ヶ月以内にリリースされた作品)には
マークがついています。
は管理人のお勧め度で、星5つで最高。
2つで大体平均点と考えてください(
は1/2点)
※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
※左にメニューが見えていない方は表紙よりどうぞ

2007年 5月(no.403〜)
 + no.411 +
Maroon 5/It Won't Be Soon Before Long
Maroon 5
/It Won't Be Soon Before Long

(Japanese CD/2007)

★★★★☆
  演奏力、作曲能力とも非常に高いバンドである。デビュー作「Songs About Jane」(2003)の売り上げが1000万枚超…と聞いてちょっと驚いたが、「Songs About Jane」をクオリティは高いけど、"それほど"凄いかな…と思っていた私にも、Maroon 5はこのニュー・アルバムでバンドの本質を分かりやすく示してくれた気がする。個性的な声質ではあるが、特別ソウルフルでもディープでもないアダム・レヴィーンのヴォーカルを最も心地よく響かせるバッキングのサウンドが鍵と思っていたが、メンバーも語っているように70年代(後半)〜80年代のディスコ/ソウル・ミュージック、ブルー・アイド・ソウル、ニュー・ウェーブ風アレンジを盛り込んだ、グルーヴィでタイトなリズムの上で、セクシーなアダムの歌声が素晴らしく映えている。「Songs About Jane」よりロック色はやや抑え目に、その柔らかで洗練されたサウンドと美しいメロディのブレンドは耳と身体に実に心地よい。正直、音楽性に目新しいメソッドは見当たらないのだが、その様々な素材の調理法の見事さと、メロウな曲でも常にタイトさをキープするリズム、シャープなギター・カッティング。そして何より生音に拘ったエモーショナルなサウンドはレトロさを微塵も感じさせない。これぞ21世紀型ミクスチャー・ロックの完成形だ。アルバムを聴き進め中盤…後半と至るごと、そしてアルバムをリピートする度ににバンドの奥深さが段々と見えてくる。(5/19/2007)
 + no.410 +
Travis/The Boy With No Name
Travis/The Boy With No Name
(Japanese CD/2007)

★★★★☆
  興味はあったものの、CDを買って聴いたのは今回がはじめて。この新作が気に入ったので、過去のアルバムも全て手にいれ聴きこんだが「The Boy With A No Name」はキャリア最高作ではないか?  バンド自らとチャド・ブレイクの共同プロデュースで製作された前作「12 Memories」も、2nd「The Man Who」(1999)、3rd「Invisible Band」(2001)でのナイーヴで美しいメロディの魅力を引き継いだ名作であったが、変化の意志と音楽スタイル保持の狭間で、やや分岐点的な感じも滲ませていた「12 Memories」と比較すると、ポピュラリティと楽曲のバラエティを増しながらより自然に進化しているのが伺える。同じ叙情メロでも、「12 Memories」のそれが胸の奥にじわじわと染み入ってくるのに対し、「The Boy With A No Name」は身体全体をやさしく包みこんでくれるような暖かさと包容力がある感じだ。メロディがこれまで以上に秀逸で、フラン・ヒーリィの歌うキャッチーなメロディが全編を貫いている。モータウン調の"Selfish Jean"  ダンサブルな"My Eyes"といったリズム面で意欲をみせた曲がまた実に心地よいが、曲調がどちらへ向かおうと、常に仄かな叙情味が漂っているのがTravisの魅力だ。様々な試みと困難を経て、一皮むけた力強さを感じる。サマソニが楽しみ!  (5/12/2007)
 + no.409 +
Travis/At The Palace Travis/At The Palace
(Live At Alexandra Palace)

(Japanese DVD/2004)

★★★★☆
 + no.408 +
Travis/More Than Us:Live In Glasgow Travis/More Than Us:
Live In Glasgow

(import DVD/2001)

★★★★☆
  実際のライヴを観てガツンと衝撃を受けるバンドも世の中に多いが、Travisの音楽は私にとってそんな即効性のあるバンドとは対極を行く、聴くほどに心に沁みてくる自然体の美しさと深みを持っていた。先ず、オリジナル・アルバムを十分に聴きこんでから2枚のライヴDVDを続けて見たが、これは正解だった。Travisの核には常に曲がある。装飾に頼らず、音とメロディと歌詞で表現するTravisの、その繊細なサウンドはライヴでどう再現されているのだろうか…?  骨太なロック色の強い部分とメロウな部分のバランスは果たして…?  この2枚のライヴ・ドキュメンタリーは、曲の持つありのままの美しさが大観衆の前で完璧に表現されている様子と、ファンが発するエネルギーによって、曲が大きく成長する瞬間が捉えられている。時に、ややダイナミズム不足ではと感じるそのインストゥルメンツは、信じられないほど大きなファンの声によってどこまでも広がる。そう、Travisのライヴを見てまず衝撃を受けたのが、どちらのDVDでも確認できるが、その最初から最後まで常に歌詞を歌っているファンの熱狂振りだ。なるほど、Travisにとってはファンの存在が完全にライヴ・サウンドの一部になっているんだなあ。2001年「Invisible Band」リリース後の8月。地元Glasgowで行なわれたReading And Reeds Festivalの模様を収録した「More Than Us: Live In Glasgow」と、2003年「12 Memories」リリース後にロンドンのAlexandra Palaceで収録された「At The Palace」  今のところ、「12 Memories」という転換期的アルバムを経て、成熟した様子が伺える「At The Palace」の方がより気に入っているけれど、今後繰り返し見たらまた印象が変わりそう。「At The Palace」のラスト、"Why Does It Always Rain On Me?"を見ていたら自然に涙が出てきてしまった。あぁ、サマソニに備えて歌詞を覚えねば!  (5/26/2007)
 + no.407 +
Rush/Snakes & Arrows
Rush/Snakes & Arrows
(import CD/2007)

★★★★
  ソリッドさとエモーショナルさが融合したコンパクトな構築美は、これまで同様のRushであるが、サウンドの質感はより柔らかくエモーショナルに、より多彩になったアレンジがそのまま幅広い感情表現に繋がっているよう。自分からメンバーに売り込んだという若手プロデューサー:ニック・ラスキュリネッツの貢献度の高さがメンバー自身の口から語られているが、なるほど。そのケミストリーの高さは顕著で、過去のアルバムの美点をそこかしこで受け継ぎながら、新生面もしっかり加えた進化し続ける姿勢をしっかり見せ付けている。アコースティック・ギターを使って書かれたという楽曲は実に風通しがよく、心地よく耳に響き、またそれは曲展開のダイナミズムを生むのにも働いている。"Armor And Sword"など、まるで70年代から現在まであらゆる時代のRushをミックスさせ現代的なアレンジを施したようだ。以前のように聴いていてあっ!と驚かされることこそなくなったが、Rushの作り出す孤高の世界はいつ聴いても感動を与えてくれる。アルバムラストを締めくくるのは"We Hold On"  陰りあるメロディとやや冷たさを感じるインストゥルメンツの中に秘められた確かなポジティヴィティ…。この絶妙なミックスこそRushの真骨頂であると思う。  (5/12/2007)
 + no.406 +
Heart/Alive In Seattle(DVD) Heart/Alive In Seattle
(Japanese DVD/2002)

★★★★
  アンとナンシーのウィルソン姉妹に加え、ベン・スミス(ds)、元Alice In Chainsのマイク・アイネズ(b)、スコット・オルソン(g)、トム・ケロック(key)というラインナップで行なわれた新生Heartの"2002 Summer Of Love"ツアーより、地元シアトルでのショウを収録したもの。オリジナル曲の選曲は70年代中心でかなり偏りがあるし、Zepの"Battle Of Evermore"  "Black Dog"  エルトン・ジョンの"Mona Lisas And Mad Hatters"  Sonicsの"The Witch"とカヴァー曲がやたら多く、しかも"Sister Wild Rose"をはじめ結局アルバムに収録されなかった"新曲"が4曲もプレイされており、何故こんな構成に?と一瞬疑問符が沸くのだが、これが見てみると意外な程違和感なく自然なショウの流れを生んでいることに驚かされる。ツアー最終日ということでパフォーマンスが成熟しているということがまず大きいだろうが、バンドのカラーに合ったカヴァー曲の選曲の妙、新曲のクォリティの高さ。ハードな曲とアコースティックな曲を交えたテンションのつけ方の上手さ。そして何より全く衰えを知らないアンとナンシーのパワフルなプレイはレイドバックという言葉とは無縁の瑞々しさを発散する。体型こそ変わってしまったものの、豊かな声量で硬・軟あらゆるタイプの曲を歌い上げるアンは"女性"という括りがなくともトップ・クラスのロック・シンガーであることを実感させるし、チャーミングさとクールさを兼ね備えたナンシーのパフォーマンスも若々しい躍動感に溢れている。"Alone"  "These Dreams"という80年代を代表するヒット曲は装飾を抑えた素朴なアレンジで、メロディそのもののもつ美しさを前面に出している。"Alone"でのアンの絶唱の素晴らしさといったら…。ウイルソン姉妹以外のメンバー〜特にスコット(最新作「Jupiters Darling」には彼の名前はない)とマイクにはもう少しプレイで主張してほしい気もするが、これを気にするファンはきっと僅かだろう。来日ツアーしてくれないかな、Heart…。  (5/3/2007)
「Heart」
Disc Review(2004)
 + no.405 +
Sun 60/Headjoy Sun 60/Headjoy
(Japanese CD/1995)

★★★★
  Soundgardenあたりにも引けをとらないズ太くヘヴィなギターを配し、一気にハード・ロック色をアップ。一方で、ジョーンのキュートで瑞々しいヴォーカルを活かした歌メロのキャッチーな魅力もより磨かれ、ダイナミックで多面性に富んだ集大成的な傑作として結実。ハードさとポップさが絶妙に融合した"Cmon + Kiss Me"はSun 60を代表する傑作といってよいだろう。叙情的なスロウ・チューン"Lay Down"もジョーン・ジョーンズのメロディ・センスが遺憾なく発揮された名曲だ。時代性と個性の折り合いもしっかりつけたこれだけのアルバムを作りながら、Sun 60は静かに姿を消した…。  (6/2/2007)
 + no.404 +
Sun 60/Only Sun 60/Only
(Japanese CD/1993)
★★★☆
  デヴィッド・ラッソのプロデュースで、クリフ・ノレルをエンジニアに、スコット・リットをエグゼクティヴ・プロデューサーとして迎え(最初デヴィッドはスコットに「意見を聞く」つもりで自分達の音源を聴かせたところ、気に入られ結局製作に関わることになったと語っている)LAでレコーディングされた2ndアルバム。日本版も9月にリリースされている。アコースティックでメロディアスな楽曲がかなりの割合を占めていたデビュー・アルバムと比較すると、エレクトリック・ギターのフィーチュアの度合いが増え、力強いロック・バンドらしさを主張している。一聴してガツンとくる派手さこそないものの、その優れたメロディ・センス、ポップ・センスは、ちょっと捻りのある歌詞同様、聴くほどにじわじわと効いてくる。ディヴ・ナバロやElevenのアライン・ジョハネスもゲスト参加。また、同時期にSun 60は「So I Married An Axe Murderer(邦題:アックス・マーダラー)」なる映画のサウンドトラック・アルバムに"Maybe Baby"というアルバム未収録の佳曲を提供しているが、これが唯一のサントラ・アルバム参加と思われる。  (5/19/2007)
 + no.403 +
Sun 60/Sun 60 Sun 60/Sun 60
(import CD/1992)

★★★★
  Sun 60はロサンゼルス生まれのジョーン・ジョーンズ(ヴォーカル、トランペット)と、デヴィッド・ラッソ(ヴォーカル、ギター、ピアノ、パーカッション)を中心としたユニット。1992年から1995年にかけて3枚の優れたアルバムを残したが、日本はおろか本国アメリカでも目立ったヒットを生めずフェイドアウトした悲運のバンドである。アルバムを重ねる毎にロック色が濃くなり、音はラウドにソリッドに変化していったSun 60であるが、その音楽のベーシックな部分は既にこの時点で完成の域に達している。アコースティック・サウンドを基調にしたサウンドは、弾けるようなポップ・センスを備えたメロディが映え、愛らしいジョーンの声質とも相俟ってとても親しみ易い世界を作り上げている。ギターもリズムもアレンジが多彩で全編飽きさせない。ジョーンのプレイするトランペットも要所で牧歌的な良い雰囲気を生んでいる。アルバムを代表する名曲"Landslide"(Fleetwood Macのあの曲とは同名異曲)にも表れた、夕暮れの空を想起させるような叙情メロが最もフィーチュアされているのもこのアルバムだ。"Cold Water"と"Too Much Tube"ではデヴィッドがリードvoをとっているのだが、彼の声がまた色気と艶があって良いんだなぁ〜。まさに90年代の"隠れた名盤"と呼ぶに相応しいデビュー作である。※日本版未発売  (5/5/2007)
「Joan Jones」
Disc Review(2005)
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