Disc Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
新譜(おおよそ3ヶ月以内にリリースされた作品)には
マークがついています。
評価の
は5つで最高。2つで大体平均点と考えてください(は1/2点)
※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
2003年
10月(27〜41) / 11月(42〜52) / 12月(53〜54)
Everclear/So Much For The Aftergrow <52>Everclear
/So Much For The Aftergrow(1997)
  驚いた。最近Everclearは何やってるのかな…と何気なく検索をかけてみたら、バンドはなんと解散の危機にあるという。オフィシャル・サイトも既に消えている…。
  今年リリースされたアルバムで、期待はずれだったもののひとつとして挙げられるのが、Everclearの「Slow Motion Daydream」  過去の作品同様、アート・アレクサキスならではのポップ・センスがそこかしこに散りばめられた("Volvo Driving Soccer Mom"なんてアートしか書けない)秀作ではあったのだが、物足りなさは否めなかった。機知に富んだ歌詞と、サウンド面で冒険が無いのはいいとして、全体的にメロディに冴えが感じられなかったからだ。"Wonderful"のような名曲を聴いてしまった今、アートにかなり高い期待をかけてしまうのは致し方ない!
  お世辞にも器用なヴォーカリスト方ではないが、優れたメロディ・センスと豊富なアイディアで、自身のダミ声を最高に魅力あるかたちで聴かせてしまう。そんなアートのアイデンティティが結実したこの「So Much Aftergrow」はEverclearの最高傑作だ。ルーツであるパンク・ロックを基調にしつつ、エレクトリック・ギターに拘らない多彩なアレンジでキャッチーなメロディを絶妙に彩ってみせる。疾走感のあるアルバム・タイトル曲や"Father Of Mine"に、奇妙なギター・リフと跳ねるリズムが調和した"Everything To Everyone"  カントリー/ウエスタン風の"Why I Don't Believe In God" 更にはインストゥルメンタルの"El Distorto De Melodica"と、曲調は様々で、飽きさせるということがない。(日本盤にはボーナス・トラックとしてCheap Trickの"Southern Girls"と、"Speed Racer"のカヴァーを収録)このアートの引き出しの多さからすれば、もっともっとバンドは飛躍できたと思うのだが…。
  ★★★★
Shelby Lynne/Identity Crisis
<51>Shelby Lynne
/Identity Crisis(import・2003)
  CDストアへ行くとこの人のCDは大抵"カントリー"のコーナーに並んでいる。勿体無い話だ。「I Am Shelby Lynne」(1999)以前のアルバムを未聴なので断言は出来ないのだが、恐らく最初に"カントリー"に区分けされて以来、そのまま現在までズルズルときてしまっているのではないだろうか。前作「Love, Shelby」ではプロデューサーにグレン・バラードを起用して思いきり洗練されたポップ・ロック寄りのサウンドを提示していたが、セルフ・プロデュースの本作では、再びルーツ・ミュージックの旨みを凝縮した"生"のサウンドを作り上げている。カントリー、フォークからロックに至る多彩な要素をソウルフルに、そしてクールに歌い上げるシェルビイに痺れます。文句なし。  ★★★★
The Beautiful South/Gaze
<50>The Beautiful South
/Gaze(import・2003
)
  数えてみると家のCDラックには50枚以上ものBeautiful SouthのCDシングルがあった。あのパート1、パート2とご丁寧に分けてリリースされるそれぞれのシングルを集めていたらいつの間にかこんなに集まってしまった…一生懸命集めてたからなあ。ここ数年CDシングルを買う機会がめっきり減ったのだが、どうなんだろう。今もイギリスの各レコード会社はこのマニア心理をついた「商売」続けているのだろうか。
  と、シングルCDも片っ端から揃えたくなるほど好きな(笑)Beautiful Southではあるのだが、正直バンドに対する情熱は1992年の「0898」アルバムを境に段々と冷めてきている。いや、ブリティッシュ・ロックそのものに対する興味がこの頃から急に薄れてしまったような気がする。そういえば、最後にハマったXTCのアルバム「Nonsuch」が出たのもこの年だったな…。
  誤解されると困るのだが、Beautiful Southに悪いアルバムは無い。どれも、彼らを語る際にキーワードとして使われる"ウィットに富んだ歌詞"+"美しいメロディ"というアイデンティティが発揮された平均点以上の作品ばかりだ。しかし、初期の彼らには曲調に対する歌詞の絡ませ方にもっと鋭さを感じたし、メロディの質にも"普通に良い"以上のひらめきが溢れていたように思う。
  Beautiful Southの21世紀最初のアルバムは、脱退したジャクリーン・アボットの後任として、アリスン・ウィーラーを迎えた新ラインナップでの録音。サウンド的にはスタッフからノーマン・クックの名前が消え、初期の方向性に揺り戻された感がある。アリスンのヴォーカルも、地味ながらとても安定感がある。(声質はジャクリーンに非常に近い)  これも安心して楽しめるアルバムだ。:けど、シングルCDはもう買わないかも…。
★★★☆
Blink182/Blink182
<49>Blink 182/Blink 182
(2003)
  正直いうと、途中で帰ろうかとも思ったのだ。今年のSummer Sonic東京初日。8月2日の千葉マリンスタジアム。その数か月前に初めてCDを聴いて気にいり、期待していたNew Found Gloryだが、実際に観たライヴはかなり厳しかった。会場の盛り上がりはひとつ前に出演したCheap Trickとは比較にならないほど凄かったが、何しろ音が悪い。エコーかかりまくりで、しかもプレイにキレがないので、楽器の音もヴォーカルのジョーダンのヴォーカルもまともに聞こえてこない。何とか音がバランス良く聞こえるポジションを探して、広い(でも混雑した)アリーナ内をあちこち移動するが、状況は変わらず。まるで銭湯にいるようだった。最後、ノリの良い"My Friends Over You"で何とか救われたが、NFGが終わったときにはかなりの疲労を感じていた。

  腹も痛くなってきた。ただ立っているのも辛い(苦笑)

  もう帰ろうか…明後日はCheap Trick観るために仙台まで行かなくちゃならないし…。しかし、頑張って残って良かった。続いて出てきたBlink 182が一転、とてもタイトで楽しいライヴを披露してくれたからだ。サウンドのバランスはNFGとは比較にならないほど良好だし、彼ら持ち前のポップなメロディがしっかりとこちらまで伝わってくる。MCは普段より押さえ気味(笑)だったようだし、後でTVの映像を見るとメンバーは「パワー全開」とまではいっていなかったようだが、40分足らずの演奏時間の中に彼らの本質がギュッと凝縮された良いパフォーマンスだったと思う。さて、これはそのサマソニでもプレイされた"Go"を含むBlink 182、2年ぶりのニュー・アルバム。噂に出ていた通り、メロディック・パンクから逸脱し、音楽性の幅をぐんと広げた意欲的な作品だ。前作「Take Off Your Pants And Jacket」がBlink流メロディック・パンクの完成形とすれば、このセルフ・タイトルのアルバムは新たな武器を得たロック・バンドBlink 182がネクスト・ステージに突入したことを宣言する傑作といえるだろう。売りのひとつであったトムとマークの掛け合いヴォーカル(&コーラス・ワーク)はもはや円熟味さえ感じさせるほど冴え渡り、曲調の幅が広がるのに呼応して、トラヴィスのドラムもこれまでとは比較にならないほど多彩になっている。(大げさでなく、このアルバムはドラムを聴いているだけでも楽しめる) これだけバラエティに富みつつ、ライヴ同様サウンドのタイトさとスピード感を全く失っていないのだから素晴らしい。キーボードを弾いているのはロジャー・マニング。そして何と"All Of This"ではThe Cureのロバート・スミスがヴォーカルで参加している。私にとっては文句なしで本作がBlink 182の最高傑作。  
★★★★
The Cure/Disintegration <48>The Cure/Disintegration(1989)
  Blink 182のアルバムで超久々にロバ・スミの声を聴いて、何年かぶりにCureのCDを引っ張り出してみたのだが……どの曲もイントロ長っ!(笑)   曲のテーマに辿りつくまでに我慢を要するのだが、 このドラマの組み立て方がCureらしさなんだなぁ。曲調も暗い+耽美のワン・パターンなようでいて実はきちっと色分けされており、音の選び方からリズムの多彩さまで、決め細やかなアレンジが70分を超えるこの長丁場のアルバムにアップダウンを与えている。当時Cure"らしくない"曲と話題になった大ヒット"Love Song"をはじめ、"Pictures Of You"  "Lullaby"  "Fascination Street"といった曲もチャートを賑わした。残念ながら、今の私の趣味からはかなり離れた音だが、1年に1回はじっくり対峙してみたいアルバムだ。  ★★★☆
Queen/Innuendo <47>Queen/Innuendo(1991)
  Queenのフェイバリットを選ぶのはちと難しい…「Jazz」か、「Sheer Heart Attack」か、気分によっては「A Day At The Races」を選ぶかも。しかし、思い入れと聴いた回数を考慮するとこれしかない。「Miracle」が高校生の私の耳をスルッと通り過ぎてしまったので、(でも、今では「The Miracle」は大好きなアルバム)この「Innuendo」が最初に買ったQueenのCDだったのですが…。
  私、いい年して"These Are Days Of Our Lives"で泣きます。でもこらえきれないんです…。  ★★★★☆
TNT/Intuition <46>TNT/Intuition(1989)
  彼らもQueenに大きな影響を受けたバンドのひとつだ。ビッグなコーラス・ハーモニーにギター・オーケストレーション。特徴的であるが故に、模倣すればすぐそのカラーに飲まれてしまいかねないQueenサウンドをここまで大きく取り入れながら確固とした自らのスタイルを築き上げたHMバンドはTNTくらいのものではないだろうか。これはひとえに彼ら自身の持つ資質と、ソングライティング能力の高さゆえ。透明感と力強さを併せ持つトニー・ハーネルの美しいハイ・トーン・ヴォーカルに、時に"変態的"という言葉さえ浮かぶロニー・ル・テクロの独創を極めたギター・ワーク&サウンド。(トニーの書く歌詞も重要な要素であるのだが、これは次作「Realized Fantasies」(1993)で開花する)  ソリッドな北欧メタルに、トニーの持つアメリカン・ロック的要素が絶妙に溶け込んだTNTサウンドは前作「Tell No Tales」(1987)で完成を見ていたが、この「Intuition」ではその路線はそのままに、ポップな要素を強めたより普遍的なサウンドを提示している。トニーの伸びやかな歌声が気分を高揚させる荘厳な"A Nation Free"から、ギター・リフのユニークさが鮮烈な"Caught Between The Tigers"に繋がるイントロダクション。メンバーはコマーシャルすぎて気にいっていないそうだが、ここ日本では間違いなくファン層拡大に一役買ったアルバム・タイトル曲。繊細さとダイナミズムを兼ね備えた美麗を極めた名バラード"End Of The Line"  そしてTNTサウンドの究極として、そしてHM史上に残る名曲として語り継がれるであろう"Tonight I'm Falling"  アメリカでの成功こそ思ったとおりにはいかなかったものの、TNTミュージック、そして北欧メタルのひとつの型をつくりあげたこのアルバムの影響力は未だもって大きい(と思う)
  今年、「Tell No Tales」まで在籍していたドラマーのディーゼル・ダールを呼び戻してミニ・アルバム「Taste」をリリースしたTNT。フル・アルバムの完成が待たれます。  ★★★★
Mary Chapin Carpenter/The Essential
<45>Mary Chapin Carpenter
/The Essential(import・2003)
  元々カントリー・ミュージックというジャンルの垣根を越えて、数多くの普遍的なポップ・ソングの名曲を生み出してきた人であるが、その音楽のわかりやすさと多彩さが過去最高のかたちで発揮されていた現在のところの最新オリジナル・アルバム「Time * Sex * Love」(2001)の日本盤がリリースされなかったというのは非常に残念だった。この"Essential"シリーズは、Legacy Recordingsが出しているソニー・ミュージック系列の各アーティストの代表曲を集めたベスト盤。このシリーズは基本的に既出の代表曲のみで構成され、アウトテイク等は収録されていない。MCCの全てのアルバムを揃えている私が何故これを買ったかというと、まずMCCに関するアイテムは何でも揃えたいというのがありますが…麗しいジャケットに惹かれたから(笑・実際は、映像で見てみると、各アルバムのジャケット・ブックレットの写真よりMCCはかなりふっくらした容姿である。閑話休題)  4曲も大ヒット曲が生まれた「State Of The Heart」(1989)からの曲がたった1曲というのは少ない気がするし、前述した「Time * Sex * Love」からの1stシングル"Simple Life"が収録されていない。おまけに、確かにMCCのアルバムとしてはクオリティが今ひとつとはいえ、「A Place In The World」(1996)の曲が1曲もないというのはいかがなものか…と選曲には文句をつけたくなる面もあるのだが、めぼしい名曲は一通りおさえられているので、MCC入門用のアルバムとしては十分な内容を備えていると思う。CDブックレットの中に、来年はじめにニュー・アルバムが出ます、という小さな広告が。今から楽しみ!  ★★★
Eric Carmen/Eric Carmen(1985) <44>Eric Carmen/Eric Carmen
(import・1985)
  昨日は、休みだというのに夕方から夜まで家で仕事をしていた。頭を"休みモード"に切り替える間もなく一日が足早に過ぎ去ってゆく…。何か最近、こうやってあたふたした生活を繰り返しているうちに私の人生いつの間にか過ぎ去ってるのかなぁ、なんてふと考えたり(涙)
  Rasberriesのベスト・アルバムとエリックのベスト・アルバムを各1枚ずつ、そして「Winter Dreams」は所有していましたが、先日その他の全てのアルバムをお友達にコピーしてもらいまして(ベニーナさん、Thank you!)、初めてじっくり聴きました。この人も、大ヒットした"All By Myself"  "Never Gonna Fall In Love Again"他、代表曲を数多く含むソロ・デビュー作「Eric Carmen」(1975)が良すぎるので損をしている感があるが、その他のアルバムもみな優れた出来だ。このデビュー作と同じく自分の名前がタイトルにつけられたアルバムは、1984年にゲフィンからリリースされた唯一のアルバム。恐らくエリックのキャリアの中では人気、セールス共底辺にいた頃のアルバムであろうし、間違えても最高傑作というつもりはないが、普通にみれば、これは平均点を余裕でクリアした優秀なポップ・アルバムだ。1stシングルとしてTop 40ヒットを記録した、オープニングの"I Wanna Hear It From Your Lips"こそ時代性を意識しすぎ(装飾過多すぎ)てインパクトに欠けるが、2ndシングルとなった美しいバラード"I'm Through With Love"は改めてエリックの作曲能力の高さを窺わせる名曲だし、ジョー・コッカーも歌ったマイケル・ボルトンの"Living Without Your Love"も文句のつけようのないバラードの傑作。一方で、いかにもエリックらしい溌剌とした"American As Apple Pie"  "Maybe My Baby"といったロックンロールもしっかり収録されており、バラエティにもぬかりはない。LPでいうB面1曲め"Come Back To My Love"(ソングライティングに元Sugarloafのジェリー・コルベッタが名を連ねている)はレーベルのお仕着せかな? この曲と、アレンジがBon Joviやリック・スプリングフィールドを連想させる"Spotlight"は今聴くとやや古臭く感じないこともないが、こういったいかにも80年代的なポップ・ロックの中にもエリックのメロディ・センスは十分に生きている。この数年後、エリックは"Hungry Eyes"(映画「Dirty Dancing」サウンドトラック収録曲)  "Make Me Lose Control"の大ヒットを飛ばすものの、なんと次のオリジナル・アルバム「Winter Dreams」がリリースされたのは14年後、1998年のことであった。
  疲れている時、元気な時。その時の精神状態、シチュエーションを問わずいつ聴いても同等の感動を与えてくれるエリックの暖かいヴォーカル。やはり素晴らしいです。
★★★☆
Brent Bourgeois <43>Brent Bourgeois
/Brent Bourgeois(1990)
  80年代に2枚のアルバムをリリース。1987年には"I Don't Mind At All"という大ヒット曲を生んだBourgeois Taggというコンビの片割れの1stソロ・アルバム。Bourgeois TaggではXTCやトッド・ラングレンに通じる(Bourgeois Taggの2ndアルバム「Yo Yo」はトッドのプロデュース)、"ひとひねり"あるハード・ポップを披露していたブレントだが、ここでは生音を活かした思いきりAOR寄りのサウンドで、うっとりするような美しいメロディを聴かせている。全米Top 40入りするヒットになった"Dare To Fall In Love"  "Scene Of The Crime"  "Compromise"といった曲はブレントの深みと艶のある歌声とメロディ・センスが見事にマッチした名曲といえるだろう。Zombiesの大ヒット曲のカヴァー"Time Of The Season"の説得力も流石だ。ゲストとしてFleetwood Mac(当時)のクリスティン・マクヴィーも参加している。この後ブレントはアルコール依存症になってしまい、立ち直った後90年代半ばにコンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック系レーベルのリユニオン・レコードに移籍。音楽の作風も変え、プロデューサー、ソングライターとして幅広く活躍している。関係ないですが、自分はお酒に弱い人間だとずっと思っていたのですが、先日生まれて初めてパッチ・テスト(例の腕の内側に貼って調べるアレね)をやってみたら「あんたはそこそこ飲める人」という結果が出ました(汗)  どうも、単にお酒の大部分が自分の口に合わない、というだけの話しみたいでっす(笑)  ★★★★
Stevie Wonder/Songs In The Key Of Life <42>Stevie Wonder
/Songs In The Key Of Life(1976)
  スティーヴィー・ワンダー来日決定!…と、喜び勇んで公演日程をチェックしてみると、年末あ〜んど週末という、"仕事休めない条件"がパーフェクトに揃っているいる悲しさ。あ゛〜さいたまあり〜なあ゛!!!  なんだか、この天才アーティストを見れる機会が私には一生巡ってこないような気が(涙)  今更私なんぞがいちいち語る必要など何もない2枚組の大傑作。今夜は、"Knocks Me Off My Feet"の美しいメロディで疲れた心身を癒そう…。   ★★★★★
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