Disc Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
新譜(おおよそ3ヶ月以内にリリースされた作品)には
マークがついています。
は管理人のお勧め度で、星5つで最高。
2つで大体平均点と考えてください(
は1/2点)
※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
2005年
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2006年 11月(no.344〜)
 + no.348 +
Rick Springfield/Live In Rockford
Rick Springfield/Live In Rockford

(import DVD/2006)

★★★★☆
  このDVDは、是非こちらの2005年の来日公演リポを読みながらお楽しみ下さい。ヴェテラン・ロッカー〜リック・スプリングフィールドの最新ライヴDVDは、当然ながらレイド・バックという言葉とは無縁の実にソリッドなロック・ショウである。来日公演と同様、"Don't Talk To Stranger"のサビをファンに歌わせ(なんと日本語で歌う綺麗な日本人女性が!)たり、また"I Get Excited"では10数人のファンをステージに上げたりするほのぼのしたパートもあるにはあるが、これはまったりしてる…とマイナスにとらえるのでなく、むしろ中盤で客席まで降り、ファンの真ん中でプレイするパートを含めたリックの"盛り上げ手法の多彩さ"を褒めるべきであろう。ほんと、何をやらせても嫌味が無くて格好いいんだ、リックは。そのきびきびとしたアクションも、軽やかでタイトなギター・プレイも、パワフルなヴォーカルも、とても50代後半とは思えないほど若々しくエネルギッシュで、大袈裟でなく1秒たりとて飽きさせることがない。これぞ真のエンターテイナー!と叫びたくなる素晴らしいパフォーマンスだ。客席を見ると、妙齢の女性が圧倒的に多いのだが、皆往年のヒット曲は勿論「Shock/Denial/Anger/Acceptance」の楽曲も大声で歌っているのに驚かされる。素晴らしいファンを持っているなー、リックは! (11/11/2006)
 + no.347 +
Rick Springfield/Rock Of Life Rick Springfield/Rock Of Life
(import CD/1988)

★★★☆
  「Live In Rockford」のDVDにはForeignerの"Waiting For A Girl Like You"がボーナスとして収録されていたけれど、そういえばこのアルバムに収録されている"Woman"のイントロは"Waiting〜"のそれとそっくり…。当時からリックはForeigner好きだったんだろうか? それはさておき、本人も「それ以前の私のアルバムとは全く違う」と語っているように、リックの人生の過渡期に生まれたこの作品。子供が産まれ、変わった人生の優先順位。難しい局面を迎えた結婚生活。そして、長きに渡るセラピー…。しかし、痛切なメッセージ性をも、上質のコマーシャリズムで包んだロック・チューンにしてしまうリックと、プロデューサー・キース・オルセンの手腕には唸らされる。レゲエ風(1stシングルとしてヒットした"Rock Of Life")、モータウン風("Hold On To Your Dream")と、要所にアクセントとなる曲を配しつつも全体的な統一感は保たれており、いかにも80年代的な、洗練された音像でリックの冴えわたるメロディ・センスを味わえる。セールス面では決して成功しなかったが、間違いなくリックのキャリアにおける最重要作の1枚であろう。キース・オルセンは"Honeymoon In Beirut"がリックのフェイバリット・チューンだそうだが、私もこの曲が最も好きなリックの曲の1曲だ。  (11/22/2006)
「リック・スプリングフィールド」
過去のCDレビュー / ライヴ・レビュー
 + no.346 +
Winger/WingerW
Winger/Winger W
(Japanese CD/2006)

★★★★☆
  これは見事な復活劇だ。新曲を収録したベスト・アルバム(2002)もあったが、オリジナル・フル・アルバムとしては「Pull」(1993)以来13年ぶり。セールス面で大成功を収めた1st、2ndの路線に回帰するのでなく、Pullの単なる続きでもなく、これまでのWingerの美点を十分抽出しつつ、しかしこれまでになかった要素もプラスし、実に意欲的な内容に仕上がっている。「Pull」と同路線のダーク&ヘヴィ&ソリッドなトーンも強くはあるが、重い中にもよりマイルドかつドラマティックな普遍的アメリカンHRの"わかりやすさ"がメロディーに生きているのが「Pull」との違い。それでいて、これまでになかった疾走感のある曲や、プログレ風味の新奇な展開も盛り込むという、技能集団にふさわしい濃い〜エレメンツが内包されている。円熟したキップ・ウインガーのヴォーカルはどこまでもエモーショナルだし、レブ・ビーチは1st、2ndのようなきらきらしたタッピングこそみせないものの多彩なプレイで魅了。要所で弾きまくっている("泣き"を発散するソロも素晴らしい)。ソロ・アルバムやプロジェクトも良いが、やはりこの2人の真の居場所はこのバンドでしょう。キップ、レブ、ロッド・モーゲンステインというオリジナル・メンバーに加え、今作からジョン・ロス(ギター)、センク・エログル(キーボード、ギター)をメンバーに迎えている。名曲満載の新たな代表作。 (10/29/2006)
「Winger」過去のCDレビュー
 + no.345 +
Le Roux/Higher Up Le Roux/Higher Up
(import CD/2003)

★★★☆
  先日中古CD屋さんでたまたま発見。知らなかった。こんなアルバム出てたのね〜!  前身バンド時代には現TOTOのボビー・キンボールがヴォーカルを努めていたという、ルイジアナ州出身のバンドLe Rouxが1980年にリリースしたライヴ・アルバム。1978年にアルバム「Lousiana's Le Roux」でデビュー。ケイジャン風味も備えた、サザン・ロック色濃い音楽性を主体に、いきなり"New Orleans Ladies"のヒットも飛ばす。プロデューサーにジェイ・ウィンディングを迎えた3rdアルバム「Up」(1980)から、よりモダンな、都会的アメリカン・ロックに音楽性をシフトし、ヴォーカリストにファーギー・フレデリクセン(彼も又ex.TOTO)を迎えた唯一のアルバム「So Fired Up」では、初期の泥臭いサウンドからは想像もつかないソリッドで洗練された高品質アメリカンHRを完成させる。このライヴCDは、アルバム「Up」に伴うツアーをワシントンD.C.で捉えたものであり"I Won't Be Staying"を除く「Up」収録曲が全て収められている。"New Orleans Ladies"  "Take A Ride On A River Boat"といった初期の代表曲を要所に配しつつも、コーラス・ハーモニーを効果的に使ったHR色の濃い「Up」アルバムのカラーが前面に出たこのライヴ・アルバムは、バンドの転換期を記しつつも、同時に1980年代に入り、いよいよ産業ロック全盛を迎えるアメリカン・ロック・シーンをまさに予見しているといえるだろう。お世辞にも音質は良くないが、ジャム・セッション的な、バンドの技量を端的に表すインストも収録したバンドの多彩さを詰め込んだ充実のパフォーマンスが楽しめる。宣教師となり、既に業界を引退してしまったジェフ・ポラードの歌声は艶があり伸びやかで、いつ聴いても実に耳に心地よい。そうそう、Le Rouxが再結成して現役で活動していたというのも、恥ずかしながらこのレビューを書くために情報を集めていてはじめて知った!  (11/3/2006)
 + no.344 +
Le Roux/Last Safe Place Le Roux/Last Safe Place
(Japanese CD/1982)

★★★☆
  デビュー・アルバム収録の"Take A Ride On A Riverboat"  ヴォーカリストにファーギー・フレデリクセンを迎えて作成した唯一のアルバム「So Fired Up」収録の"Carrie's Gone"  そして、この4thスタジオ・アルバム収録のバンド最大のヒット曲"Nobody Said It Was Easy"  この3曲を聴き比べてみれば、いかにこのバンドが極端な音楽的変遷を辿ってきたかわかるだろう。良くいえば多彩、悪くいえば一貫性のない音楽性は、そのまま当時の音楽シーンの移り変わりを表しているともいえまいか。しかし、改めて歌詞を吟味して聴いてみて"Nobody Said It Was Easy"というバラードの美しいこと。"一発屋"なんて有難くない称号を頂くことも少なくないLe Rouxだが、このバンド史上最も美しい傑作が、バンドの顔のひとつになったことは決して悪いことではないと思う。  (11/20/2006)
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