Music Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
新譜(おおよそ3ヶ月以内にリリースされた作品)には
マークがついています。
は管理人のお勧め度で、星5つで最高。
2つで大体平均点と考えてください(
は1/2点)
※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
※左にメニューが見えていない方は表紙よりどうぞ

2007年 11月(no.452〜) 
 + no.458 +
Avenged Sevenfold/Avenged Sevenfold
Avenged Sevenfold
/Avenged Sevenfold

(import CD/2007)

★★★★☆
  凄い。笑っちゃうくらい凄い。Iron Maidenの持つ繊細且つ華麗なツイン・ギター、Panteraのようなシャープなギター・リフと荒々しさ、Queenのような華麗な展開美と音楽性の多彩さ。そんな相反するような雑多な要素を、ハード・ロックの美点である重さとスピード感を完璧に保ちながら表現しているAvenged Sevenfoldはまさにモンスターである。自らの音楽性をへヴィ・メタルだといって憚らないA7Xの音楽がそう"簡単でない"ものであることは、大きな飛躍を遂げた前作「City Of Evil」によく表れていたが、そのポテンシャルとセンスが想像以上のスピードで進化。濃いわ〜。楽曲のつくりこそ「City Of Evil」よりかなりコンパクトになっているものの、M・シャドウズのハスキー・ヴォイスによって歌われる叙情メロの魅力と、ドラマ性を引き立てる凝った楽曲アレンジは更にパワー・アップ。ラスト、牧歌的なサウンドとアグレッシブなハードコア・メタルが融合した新奇な"A Little Piece Of Heaven"(こりゃ、ケヴィン・ギルバート meets Queen meets Panteraといった感じだ)、そして土着的なカントリー調バラード"Dear God"で締めくくるという構成も実に大胆。やはりとてつもない力を備えたバンドだと再認識した。プロデュースはバンド自身、ミックスは前作同様アンディ・ウォラス。  (11/1/2007)
「Avenged Sevenfold」
Disc Review(2006)
 + no.457 +
Gretchen Peters/Burnt Toast & Offerings
Gretchen Peters
/Burnt Toast & Offerings

(import CD/2007)

★★★★☆
  ニューヨーク出身の女性シンガー・ソングライター(主な演奏楽器はアコースティック・ギター)。元々は特にカントリー・ミュージック・シーンでソングライターとして名を馳せた人だが、2001年のデビュー以降ソロ・アーティストとしても精力的に活動しており、スタジオ録音作としては本作が既に4作め。1st、2ndではカントリーを基調にしつつ、快活なポップ・センスが映えるコンテンポラリーな側面が強かったが、その後よりルーツ色、アコースティック色を強めたサウンドへ進む。前作スタジオ「Halcyon」(2004)の路線を更に推し進めた本作は、これまでで最もアコースティック・ギターのフィーチュアの度合いが高いと思われる、かなり地味なサウンドだが、楽曲のクオリティはこれまででベストといって良いほどの素晴らしさ。リピートする度そのメロディ・メーカーとしての力とストーリーテラーとしての表現力の豊かさに感嘆させられる。アメリカのポピュラー音楽の歴史(=美点)を折衷した相当に土着的な音楽なのだが、グレッチェンの少女っぽさを残す伸びやかな声をもってわかりやすく、さわやかに聴かせてくれるのが良い。対訳つきの日本版が欲しいけど、無理だろうな…。※過去、グレッチェンの日本版がリリースされたことは一度もない  (10/26/2007)
Gretchen Peters
Disc Review(2004) / Disc Rebiew(2005) / Disc Review(2005)
 + no.456 +
The Pipettes/We Are The Pipettes(Japanese)
The Pipettes/We Are The Pipettes
(Japanese CD/2007)

★★★★☆
  ようやくリリースされたThe Pipettesの日本版CD。既に輸入盤を聴きまくり、ライヴにも2度足を運んだ後では今更、という感もあるが、歌詞対訳はついているし、ボーナス・トラック2曲、エンハンスドでビデオ2曲("Your Kisses Are Wasted On Me"  "Pull Shapes")、更にポスター(笑)もついているといったら買わないわけにいかんでしょう。ジャケット・デザインもUK盤より断然好き!  優れたコンセプトを活かすには、優れた楽曲が必要…いってしまえば当たり前なのだが、この簡単なようでいて難しい命題を完璧に成し遂げているのがこのPippetesというグループだ。彼女たちが決してルックスがいいだけのお人形さんでなく、プレイヤー、パフォーマーとしても優れた力量を持っているのはライヴで証明済みだし、もはや"クラシック"といえるほどの完成度を誇るこのアルバムの楽曲群は、ソングライターとしての能力の高さも並ではないことを伝えてくれる。あまりにコンセプトがかっちりしすぎているだけに、今後どうやって音楽性を発展させていくのかという心配もあるが、何しろまだアルバム1枚リリースしただけ!  当分はこの傑作を楽しみたい。  (10/26/2007)
The Pipettes
Live Review(2007) / Live Review(2007: Summer Sonic)
 + no.455 +
Motion City Soundtrack/Even If It Kills Me
Motion City Soundtrack
/Even If It Kills Me

(import CD/2007)

★★★★
 + no.454 +
Motion City Soundtrack/Commit This To The Memory Motion City Soundtrack
/Commit This To The Memory

(import CD/2005)
★★★★
  今年のフジ・ロックでもプレイした、ミネソタ州ミネアポリス出身の5人組バンド。実に伸びやかで張りのあるジャスティン(vo/g)のヴォーカルをフィーチュアしたエモ〜メロディック・パンク系のバンドである。今回2ndの「Commit This To The Memory」と最新作「Even If It Kills Me」を同時に購入して聴いてみたが、とにかくこのバンドはフックのあるメロディを書く能力に長けている。その疾走感のある曲調と、シャープなギター・サウンドと相俟って、2枚連続して聴いても全く疲れを感じないほど。また、ジェシー・ジョンソンの弾くムーグ・シンセサイザーがバンドのアイデンティティとなっており、そのレトロなサウンドが要所で実によいアクセントを生んでいる。スタッフ陣も豪華で「Commit This To The Memory」はマーク・ホッパス(ex.Blink 182、現+44)によるプロデュース。「Even If It Kills Me」は大御所リック・オケイセック(ex.The Cars)と、アダム・シュレシンガー(Fountains Of Wayne)&エリ・ジャニー(Girls Against Boys)のコンビがプロデュースを曲によって分け合っている。そのちょっぴり切ないメロディーは普遍的な魅力に満ちており、幅広い音楽ファンにお勧めできる。  (10/26/2007)
+ no.453 +
Angels & Airwaves/I-Empire
Angels And Airwaves/I-Empire
(import CD/2007)
★★★☆
  ex.Blink 182のトム・デロング率いるAngels & Airwavesの2ndアルバム。Blink解散後の活動を追っていなかったのでこのバンドの存在自体はじめて知ったのだが、これはもっと早く聴くべきだったなぁ。それまでのソリッドで疾走感のあるポップ・パンクから一転、リズム、メロディ、アレンジ、全ての面で多彩な表現をみせたBlink 182のラスト・スタジオ作「Blink 182」  サウンド、歌詞両面でシリアスに迫ったBox Car Racer  そしてこのAAAでは、過去にトムが披露した音楽の要素を要所で滲ませつつ、更に一歩進んだ世界を披露している。時にU2を連想させるサスティンの効いたギターと、浮遊感のあるキーボードの絡みは80年代的な煌びやかさも湛えるが、そこにネイキッドでグルーブ感のあるリズムとトムの特徴的な声によって歌われるエモーショナルなメロディが加わり、時代もジャンルの壁も超えた一種独特のサウンドへ昇華。その歌メロには、もう少しグッとくるようなキャッチーなパートがあればアルバムによりメリハリがつくようにも思うが、Blink 182でもBox Car Racerでも聴けなかったポップさと陰りの入り混じったメロディには浸るほどに胸に迫る魅力がある。トムの才能を侮っていた訳ではないが、まさかここまで大胆な進化を遂げてくれるとは。PVでも見れるように、一旦ギターを置き、新しい自己表現に目覚めたトムの姿には違和感を感じる人も多いだろうが、私は支持したい。  (11/16/2007)
「Blink 182」
Disc Review(2003) / Disc Review(2005)
 + no.452 +
Cy Curnin/Mayfly Cy Curnin/Mayfly
(import CD/2005)

★★★★
  The Fixxのリード・ヴォーカリストによる1stソロ・アルバム。2年前にリリースされたアルバムだが、実際はFixxがアルバムをリリースした後、1991年から1994年に渡ってレコーディングされた音源を集めたものだそう。「Ink」でもプロデューサーを務めていたブルース・ガイチがサイと共同プロデュース、またミックスを担当。「Ink」に収録されていたメロディアスな"Falling In Love"をブルースと共作していたビル・チャンプリンがオルガンをプレイ…と、「Ink」同様のAOR寄り路線であることが予想できるのだが、アルバムの完成度はこちらの方が上。楽曲ごとにプロデューサーを使い分け、外部のソングライターの曲を収録したことで、それまで築いたソリッドで捩じれたサウンド・楽曲と、アダルトで落ち着いたサウンドがぎこちなく混在していた「Ink」と比較すると、サウンドはすっきりしていてアルバム全体のまとまりも良い。サイが全てプロデュースしたこと、曲順がよく考えられていることも大きいが、ポイントは多様な曲を披露しつつ、インストゥルメンツの主張を抑えめにして、サイのヴォーカルをフィーチュアしたことだろう。Fixx的な風変りなリフを備えたオープニングの"Traded The Wind For Gold"や"When Push Comes To Shove"にしても、ソリッドさ、重さは控え目で、何より先ずサイの素晴らしく張りがあり、エモーショルなヴォーカルの魅力がインプットされる。今更ながら凄いシンガーだなあ。アルバム・タイトル・トラック"Mayfly"は後にFixxで再録される。  (11/9/2007)
「The Fixx」
Disc Review(2005)
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