Especially For You(1986)



1.Srangers When We Meet
2.Listen To Me Girl
3.Groovy Tuesday
4.Cigarette
5.I Don't Want To Lose You
6.Time And Time Again
7.Behind The Wall Of Sleep
8.In A Lonely Place
9.Blood And Roses
10.Crazy Mixed-Up Kid
11.Hand Of Glory
12.Alone At Midnight
13.White Castle Blues
14.Mr.Eliminator
Produced by Don Dixon

※日本盤はMr.Eliminatorを除く全13曲


   「Girls About Town」(1980)、「Beauty And Sadness」(1983)という2枚のEPに続く、Smithereens初のフル・レングス・アルバム。個人的には、次作「Green Thoughts」以降のSmithereensと比較すると、このアルバムはややダイナミズムに欠け、こじんまりとまとまりすぎているような気がしていたのだが、今回この文章を書くにあたって改めて聴き直してみたら、実のところ大変優れた、間違いなく彼らの作品中ベストの1枚に数えられるアルバムであると確認することができた。Dennis Dikenのライナ−・ノ−ツによれば、メンバ−は当時まだ別の仕事を持っていたそうであるが、レコ−ディングはとても良い雰囲気、状態の中行なわれたようで(レコ−ディングの最中にリッキ−・ネルソンが亡くなったのが唯一悲しかった出来事だ、と書いてある)、それがアルバム全体にしっかり反映されていると思う。とにかく曲が粒揃い。例えば、60年代の音楽の要素を必ず"ひとひねり"してから自分達の楽曲に取り入れる、同時期にトップ・スタ−の仲間入りをしたカレッジ・ロックの雄REMと比較すると、パット・ディニジオの手法は非常に明快で、素直過ぎるとさえ言ってよいほどだ。しかし、この60'sサウンドのエッセンスが全編にちりばめられた楽曲群がいやみを全く感じさせず、単なる"リバイバル"で終ってもいないのは、パット独特のメロディ・センスと歌い回しに拠るところが大きいだろう。このアルバム以前に既に7年ものキャリアを積んでいるだけのことはあって、1stフル・アルバムとはいえ既に余裕さえ感じさせるのだが、これは決して老成しているわけではない。普遍的なポップ・ソングを体現しながらも、ふとした瞬間でさらりと奥深さを感じさせてくれるのだ。この辺は"Stranger When We Meet"に"Jerome Jerome"という名前で参加し、ハモンド・オルガンとピアノを弾いているマ−シャル・クレンショウとも通じるものがある。ちょっぴり切なくも親しみやすいメロディ−、印象的なコ−ラス・ハ−モニ−、パワフルなギタ−・サウンドとSmithereensの基本形は既にここで完成しており、以降の彼らは多少のサウンド面での変化を経ながらも、この路線をずっと維持し続けていく。「Solitude Standing」でメジャ−・ヒットを飛ばす前のスザンヌ・べガ(なんと、パットが下積み時代にアルバイトをしていた先で上司をしていたそう)も、美しいバラ−ド"In A Lonely Space"にバックグラウンド・ヴォ−カルでゲスト参加。(8/7/2002)



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