Through The Night > Discography > Album part.4
Albums part.4 (2009〜)
The Latest / Bang Zoom Crazy...Hello / We're All Alright!
2009
The Latest The Latest
produced by Cheap Trick, Julian Raymond
& Howard Willing
1.Sleep Forever
2.When The Lights Are Out
3.Miss Tomorrow
4.Sick Man Of Europe
5.These Days
6.Miracle
7.Everyday You Make Me Crazy
8.California Girl
9.Everybody Knows
10.Alive
11.Times Of Our Lives
12.Closer, The Ballad Of Burt And Linda
13.Smile

  Cheap Trickが、アルバム全体でここまで大胆に自らのルーツを剥き出しにしたのは長いキャリアではじめてではないか。きっかけは、他の多くのアーティストと共にBeatlesのマスターピース「sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band」を再現したコンサート"sgt.Pepper's revisited"だったのだろう。自らの血肉の一部となっているBeatlesの音楽に改めてじっくり触れたとき、メンバーが音楽の持つ普遍性、楽しさを実感したことは想像に難くない。小気味のいいコンパクトなハード・ロック・チューンと、特に後期Beatlesの影響が色濃い凝ったアレンジが施されたミディアム〜スロウ・チューンが均等に収められ、それらが間をおかず次々に飛び出してくる。Sladeのカヴァー"When The Lights Are Out" ロビンのソロ・アルバム「Robin Zander」(1994)のアウトテイクだった"Miss Tomorrow" 1995年前後にドリンク"Pepsi"のCM用に書かれた曲を基にした"Everyday You Make Me Crazy" 「All The King's Men」収録の"Bad Little Girl"をリック、トム、バー二ー、ジュリアン・レイモンドの手を借りてリ・アレンジした"California Gril"と、純粋な新曲でない曲も多く含まれ、"コンセプト・アルバム"といえるほどの大テーマへの意識は感じられないのだが、それでもアルバムとして驚くほどの統一感が生まれている。サウンドも歌詞もThe WhoやThe Kinksといったブリティッシュ・ロックのオリジネイターへのトリビュートと受け取れる"Sick Man Of Europe"のようなアグレッシブ(トムのへヴィにうねるべースの存在感が凄まじい)なロック・チューンがある一方で、ポップに軽快にロックする"California Girl"のような曲もあり、これまで同様ブリティッシュな要素とアメリカンな要素が絶妙にミックスされている。ポップでキャッチーなメロディは何れの曲も流石CTと思わせるクオリティ。CTの全カタログの中で最も"メロウさ"が強調されたアルバムともいえるが、曲調もアレンジもバラエティに富んでいるためメリハリがあり、"Everybody Knows" "Smile"のような新たなスタイルの名曲も生まれている。円熟した各メンバーの表現力の豊かさは特筆ものだが、特に楽曲の求めるまま様々な歌い回しを披露するロビンのヴォーカルはキャリアのベスト・ワークといってもよいほど。そのロビンのスィートな声の魅力が発揮されたイントロダクションの小品"Sleep Forever"(9.11で亡くなったメンバーの友人への鎮魂歌)で哀感に満たされるが、その後CTらしいポジティヴさを湛えた楽曲が続き、ラスト"Everyting will be alright"と歌われる壮大な"Smile"で幕が閉じられる。懐古主義ではない。自らの過去を内包しながら、同時に未来もしっかり見据えた新たな代表作。(7/24/2009)
2016
Bang Zoom Crazy...Hello Bang Zoom Crazy...Hello
produced by Julian Raymond and Cheap Trick
1.Heart On The Line
2.No Direction Home
3.When I Wake Up Tomorrow
4.Do You Believe Me?
5.Blood Red Lips
6.Sing My Blues Away
7.Roll Me
8.The In Crowd
9.Long Time No See Ya
10.The Sun Never Sets
11.All Strung Out
- Japanese edition bonus tracks -
12.Arabesque
13.I'd Give It Up

  「The Latest」以来7年ぶりにリリースされた、通算17作めのスタジオ・アルバム。ツアーを離れたバーニー・カルロスに代り2010年より加入したダックス・ニールセンがプレイした初のアルバムとなった。「The Latest」に続きジュリアン・レイモンドがバンドと共にプロデュースを担当。ロビンのヴォーカルのメロウな部分を活かした、メロディ重視の曲が多かった「The Latest」と比較すると、ギターの硬質なリフを主軸に組み立てられた曲が増えており、アコースティックの曲が1曲もないことと相まってCheap Trickの全カタログの中でも特にエネルギッシュでハードなアルバムという印象を受ける。ライヴ感を保ちつつ適度に洗練されたサウンドがとても爽快だ。"Do You Believe Me?"(ギター・ソロでウェイン・クレイマーが参加)と日本版CDのボーナス・トラック"Arabesque"は1970年代初期に書かれた曲。"Heart On The Line"は元々House Of Lordsに提供した「Cheap Trick'97」アルバムのレコーディングの際にデモが録られた曲。"Roll Me"は、元々"Rosie"のタイトルで、これも「Cheap Trick'97」の際にデモを録音。"The In Crowd"はブルース・シンガーのドビー・グレイのカヴァー。書かれた時期が多期に渡る楽曲は1曲毎に異なる個性を持ち、4ピースのバンド・サウンド (=実際のライヴの音)に拘らない柔軟なアレンジが施されているため、綿密で凝った音像のポップ・ロックから、骨太なハードロック曲まで振り幅は広いのだが、Cheap Trickらしいキャッチーなメロディで繋ぎとめられ全編スムースな流れを生んでいる。リックがデヴィッド・ボウイを引き合いに出した、アルバムの先行シングル"When I Wake Up Tomorrow" 70年代のグラム・ロック風"Blood Red Rips" アルバムのリリースに先駆けて2015年よりライヴでプレイされていたダンサブルな"Long Time No See Ya"と、バンドの新生面を主張した楽曲も収録した、Cheap Trickの持つハードなサウンド、ポップさ、叙情味が絶妙なバランスで合わさった傑作。
(4/2/2016)
2017
We're All Alright! We're All Alright!
produced by Julian Raymond and Cheap Trick
1.You Got It Going On
2.Long Time Coming
3.Nowhere
4.Radio Lover
5.Lolita
6.Brand New Name On An Old Tattoo
7.Floating Down
8.She's Alright
9.Listen To Me
10.The Rest Of My Life
- deluxe edition bonus tracks -
11.Blackberry Way
12.Like A Fly
13.If You Still Want My Love
- Japanese edition bonus tracks -
14.When I Wake Up Tomorrow(live in Japan 2016)
15.The 'In' Crowd(live at Red Rocks 2017)

  前作「Bang Zoom Crazy Hello」から1年2か月という短いスパンでリリースされた通算18作めのスタジオ・アルバム。過去2作に引き続きプロデューサーにジュリアン・レイモンドを起用。ダックス・ニールセンが演奏した2枚めのアルバムとなる。「The Latest」「Bang Zoom Crazy Hello」同様、過去にレコーディング、またライヴでプレイされた時期が多岐に渡る楽曲が収録され、非常にバラエティに富んだ作風になっている。
  "You Got It Going On"は、重厚なギター・サウンドにロビンのシャウト・ヴォーカルが乗るハードロック(以下HR)・チューン。ドライブするギター・リフはこれまでのCheap Trickに見られなかったタイプで、アグレッシヴなドラミングが推進力になっている。アルバムからのリーダー・トラックとして公開された"Long Time Coming"は、Cheap Trickが得意とする伝統的なブリティッシュ・ロック・マナーに則った(ギター・リフはThe Kinks風)キャッチーなHR "Nowhere"はパンク、オルタナティヴ・ロックに通じるシンプルな構成の曲で、エフェクトがかかったロビンのヴォーカル、中間部のストリングス風のキーボードにより、疾走感と浮遊感が生まれている。"Radio Lover"は「Cheap Trick'97」レコーディング時にデモが録音された、Cheap Trick史上最もアグレッシヴ且つヘヴィ・メタリックな曲の1曲。"Lolita"は、4ピースのバンド・サウンドから逸脱した、キーボードとエフェクトを多用したポップ・チューン。多彩な歌い回しを聴かせるロビンのヴォーカルの多重録音が聴きどころ。"Radio Lover"同様、"Brand New Name On An Old Tattoo"も「Cheap Trick'97」セッション時に録音された曲。ボトムの効いたリズム、激しいギター・サウンドのうえでロビンがシャウトを交えながら歌い上げるミディアム・テンポのHRで、収録曲の中で特に王道のCheap Trickサウンドを感じさせる。ソングライティングにトッド・サーニー("Let Go" "Wrong Side Of Love" "Didn't Know I Had It")が参加。アコースティック・ギターをバックに、ロビンがハイトーン・ヴォーカルを使いながら優しく歌い上げ、後半ドラマティックに盛り上がるバラード調"Floating Down"も過去のCheap Trickになかったタイプの曲。"She's Alright"は、最初にダックスがヘルプで加入した2001年前後に、ライヴでアコースティックでプレイされていた曲だが、ここではダンサブルなアレンジが施されている。ロビンの歌い回しからはボブ・ディランの影響が伺える。"Listen To Me"はパンクとHRの中間をいくような、重厚なコーラス・ハーモニーを備えたキャッチーな曲。アルバムを締めくくる"The Rest Of My Life"は「The Latest」アルバムのサウンドを想起させるロック・チューン。ロビンの伸びやかなヴォーカル、Beatlesに通じるサイケデリック風のアレンジが施された、ドラマティックな展開はCheap Trickが得意とするスタイルといえる。
  4ピースのバンドサウンドによるストレートなHRを基調としつつ、実験的な楽曲を配した構成は「Bang Zoom Crazy Hello」と同様だが、"The Rest Of My Life"を除く全曲が2〜3分台というコンパクトにまとめられた楽曲と、楽曲のバラエティの降り幅の広さにより印象は過去のどのアルバムとも異なる。Cheap Trick史上最高のスピード感に、激しさ、ポップさ、ドラマティックさが内包された、バンドの新しい姿を提示した名作だ。

  デラックス・エディションには3曲ボーナス・トラックが追加され、日本版CDには更にライヴ音源を2曲追加収録曲。"Blackberry Way"はThe Moveのカヴァー。"When I Wake Up Tomorrow"は2016年の来日の「Classic Rock Award」でのライヴ
(6/30/2017)

Through The Night



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送