Fall Out Boy & New Politics
at Studio Coast March,30 2015


-- Fall Out Boy set list --
1.The Phoenix
2.I Slept With Someone In Fall Out Boy
And All I Got Was This Stupid Song
Written About Me
3.Irresistible
4.Thriller
5.A Little Less "Sixteen Candles",
A Little More "Touch Me"
6.Sugar, We're Going Down
7.Alone Together
8.This Ain't A Scene, It's An Arms Race
9.The Kids Aren't Alright
10.Immortals
11.Dance, Dance
12.American Beauty/American Psycho
13.Grand Theft Autumn/
Where Is Your Boy
14.Uma Thurman
15.I Don't Care
16.My Songs Know What You Did
In The Dark (Light Em Up)
17.Centuries
18.Thnks Fr Th Mmrs
19.Saturday

  2年前のサマソニ以来のFOBのライヴ。単独公演は、会場も同じ新木場スタジオ・コーストでの2009年のライヴ以来だ。

  最新作「American Beauty/American Psycho」はあまり好きな作風でなかった。「Folie A Deux」と並んで、FOBのカタログの中では最も入りこめないアルバムだったといえる。「Infinity On High」以来、加速度的に進んだバンド・サウンドよりも素材(楽曲)をいかに引き立たせるかを主目的にした意匠を凝らしたアレンジが極ったという感じで、曲を聴いていてヴォーカルのパトリック以外のメンバーの姿が浮かんでこないのだ。

  しかし、今回(も?)ライヴというファンのエネルギーが大きく作用する場で、「American Beauty/American Psycho」の楽曲が変容するのを体感し、FOBとアルバム「American Beauty/American Psycho」の魅力を再発見することができた。いや、楽しいライヴだった!

  オープニング・アクトのNew Politicsが超ハイ・エナジーの30分のパフォーマンスでフロアを熱狂に包んだあと、20時ほぼきっかりにFOBが登場。オープニングは前作「Save Rock And Roll」収録の"The Phoenix"だ。FOBの楽曲の中では"Thriller"と並んで特に即効性のある、ドラマティックでライヴのオープニングを飾るのに最適な曲といえるだろう。会場内のテンションはいきなり最高潮に達した。息つく暇も与えず、続けてスピーディな"I Slept With Someone In Fall Out Boy And All I Got Was This Stupid Song Written About Me"をたたみかける。サビの"Can't cover it up!"は大合唱が巻き起こった。

  ピートの「コンニチハ、Tokyo!You're Irresistible!」というMCを挟み、打ちこみのシンセサイザーのイントロダクションから"Irresistible"がスタート。パンキッシュな"I Slept〜"の後だとかなりリズムがゆったりとしているように感じるが、コーラス部分ではフロア全体から驚くほど大きな合唱が起こり、全くテンションは落ちない。何だ、CDで聴くより全然良いじゃないか!こんなにライヴ向けの曲だったとは。

  4曲めは"Thriller" 4曲目にして、既にFOBのアルバムのオープニング・チューンが3曲登場している。私にとってFOBのライヴで特に期待している1曲だ。聴けて良かった!サビのみならず歌詞を全て歌っているファンが多いように見受けられた。メロディのキャッチーさということでは続く「From Under A Cork Tree」からの2曲"A Little Less "Sixteen Candles",A Little More "Touch Me"と"Sugar, We're Going Down"も強力で、ヴォーカルと楽器の音がやや霞むほどの大合唱が会場全体から響いている。

  ここで再びピートのMCが入り、観客をあおった後、FOBのメロディ・センスの素晴らしさが際立つ名曲"Alone Together"がスタート。この辺で、私の驚きが増してきた。今日のファン、ヴァースもコーラスもきっちり歌いあげている…!あたりまえのように"Alone Together"のサビの"Say Yeah!"も、、続く代表曲"This Ain't A Scene, It's An Arms Race"の"goddamned arms race!"のパートも完璧! パトリックがステージ左右を行き来し、大きな身振りでアピール。"Arms Race"のコーラス前で「イッショニ・ウタッテ・クダサイ!」と煽り、フロアは今日これまでで最高の熱狂を生み出した。

  ここで再びMCが入り、パトリックが覚えた日本語の挨拶を披露。「ボクタチハFallout Boyデス」発音上手い!(笑) 日本では初披露だとピートが紹介した"The Kids Aren't Alright" ミディアム・テンポの落ち着いた曲が多いニュー・アルバムの中で地味めな曲だと思うのだが、場内のテンションは落ちることなくファンは大きな手拍子でこの新曲を迎えた。やはり期待していたファンが多かったか、ディズニー映画「ベイマックス」の主題曲で使われた"Immortal"では、イントロが流れただけでより大きな歓声が起こる。近年のFOBの方向性である豪奢なアレンジが施されたリズミカルなポップ・ロックであるが、ライヴ向けのロック色の濃いアレンジが施されており、心地よくリズムとメロディに浸れた。この日は、初めてピート側前方で見ることが出来たのだが、これまで以上にピートのベースサウンドを堪能することができた。よりリズムが多様化している復活後のFOBでは、やはりピートとアンディのリズム隊が肝になっている。

  FOBの、というよりアメリカン・ロックのもはやクラシックの1曲といってよい"Dance, Dance"から「American Beauty/American Psycho」のアルバム・タイトル・トラックへ。ステージを走りファンを煽るパトリックの姿は、フロントマンとしての存在感に満ちていた。再び時間を遡り初期の代表曲"Grand Theft Autumn/Where Is Your Boy"と続く流れでは更に観客のテンションが上がったように感じた。この、今のFOBを象徴する、自由自在でバラエティに富んだセット・リストも去ることながら、やはり歌詞、コーラスを完璧に歌いあげ、パトリックのコールに全力で応える観客には驚いた。今日ここに来ているファンの殆どは、FOBの歌詞を全て覚えているのではないかと思えるほど。ここまで熱いファン・ベースが日本で築かれていたとは!

  観客のハンドクラップが彩りを添えたポップな"Uma Thurman"が終わると、ピートが舞台袖からこの日オープニング・アクトを務め素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたNew Politicsのヴォーカル・デヴィッド・ボイドを呼び「曲のスタートの合図にバック転してくれないか?」とリクエスト。ドラムライザーからデヴィッドが見事にバック転しヒット曲"I Don't Care"がスタート!コーラス・パートは勿論大合唱。本編最後は"My Songs Know What You Did In The Dark (Light Em Up) コーラス・パートがキャッチーで印象に残る曲が多いFOBの曲の中でも、特にコマーシャルでライヴ向けの1曲といえるだろう。この曲でも、ファンによるコーラス、ハンドクラップが会場全体で響き渡った。

  「このままステージに残って(アンコールを)数曲プレイしたらクールだと思うんだけど、どうかな?」と、ここでピートがMC。「ステージ前方のファンが大変だ。皆3歩下がってくれ。1、2、3!」とフロアのファンを下がらせ、スペースを作ったあとクルーを呼んで、前方のファンにペットボトルの水を渡している。ピートの気づかい、素晴らしい!アンコール1曲め「American Beauty/American Psycho」からのリード・シングルとなった"Centuries" これまでのFOBになかった重厚な雰囲気を持った曲であるが、そのドラマ性がライヴでも見事に発揮されていた。パトリックのヴォーカルの表現力はやはり素晴らしい!ここからラストスパートだ。"Thnks Fr Th Mmrs"の持つ疾走感はいつ聴いてもたまらない高揚感を与えてくれる。くるくるとスピンするピートを見ると、何だか嬉しくなってしまうんだよね。ラストは勿論"Saturday" ピートがフロア前方の観客の中に飛び込みシャウト!あまり余韻を残さずメンバーはクールにステージを後にした。

  「American Beauty/American Psycho」アルバムで、音楽性の幅を広げ、ライヴにおいて更に起伏を生めるようになったFOBであるが、ライヴにおいて一貫した流れをつくり、初期の曲と最新の曲とを違和感なく繋ぎとめていたのは、その演奏力も去ることながら熱心な日本のファンの歓声が大きかったと思う。最初から最後まで全くテンションを落とさず、全力で歌い、拍手するファンによって楽曲の魅力は何倍も増していた。バンドの熱演とファンの相乗効果によって生み出される、ライヴならではの感動を味わえることが出来て幸せだった。

   (4/13/2015)
 Fall Out Boy/American Beauty/American Psycho

American Beauty/American Psycho
(2015)




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