The All-American Rejects
at Club Quattro, Shibuya Jan, 11 2006

The All American Rejects/Move Along

Move Along(2005)
1.Dirty Little Secret
2.Stab My Back
3.Move Along

4.It Ends Tonight
5.Change Your Mind
6.Night Drive
7.11:11 PM
8.Dance Inside
9.Top Of The World
10.Straightjacket Feeling
11.I'm Waiting
12.Can't Take It
13.Night Drive(Acoustic)*
14.Eyelash Wishes*
15.Kiss Yourself Goodbye*
* Bonus Tracks

※アルバムのレビューは
こちら
  若さならではの勢いとパワー、類まれなポップ・センス。1st アルバムにみられた(良い意味での)チープなアレンジを捨て、持ち前の魅力的なメロディをタフなロック・サウンドで披露した最新作「Move Along」は、流行とは無縁のところで楽曲の完成度を追求した傑作であった。彼らのライヴは一昨年のサマソニでちらっと見てはいるのだが、私が現在彼らに抱いている期待感は、もはや当時の比ではない。この数年での飛躍的な成長をどのようなかたちでみせてくれるのか、"個人的2005年度ベスト・アクト"All-American Rejectsを観に渋谷へ向かった。なんと、よく考えたら渋谷クアトロでライヴを見るのは初めて(基本的に小さすぎるハコが昔からキライでして(汗))。スペ−スは予想したよりも小さく100人も入れば一杯だろうか。意外だったのは観客が8分程度の入りだったこと。AARクラスのバンドならO-Eastクラスの会場でも十分いけるのでは…なんて考えていた私の認識は甘かったのか。噂に聞いていた通り、クアトロはステージ下手側のぶっとい柱が異様に邪魔で、最初左側後方にいた私は視界を広げる為に前座のTegan And Saraの1曲目の途中で、中央後方に移動した。ある意味良かったよ、満員じゃなくて。

※そのTegan And Saraですが、一発で気に入ってしまい急遽翌日の単独公演も観ることにしたのでレビューは2日分まとめて別枠で書きました。

  Tegan And Saraのステージがかなりの好反応を得て終了。セット・チェンジに15分ほど経過した後、"Cant Take It"のイントロが流れ、暗転したステージにメンバーが登場。勿体をつけるように後ろ向きに立ったタイソンが振り向くと同時に"Dirty Little Secret"の強烈なイントロが刻まれ、フロアは初っぱなから大盛り上がりとなる(良かったわー。後ろに陣取って…)目下アメリカのヒットチャートでも大ヒットを記録している"Dirty Little Secret"の持つメロディのキャッチーさは、ストレートで親しみやすい楽曲揃いのAARの楽曲の中でも特に即効性のあるノリとパワーを備えており、ものの数秒で場内のテンションをタイソン・リッターは表情こそまだ20代前半の無邪気さを残しているものの、そのべース・プレイと歌は余裕を感じさせ、そのひょろっとした大きな身体を更に大きくみせるダイナミックなアクションで観客の注意を引き付けずにおかない。凄く楽しくて親しみやすいキャラクターだ。ステージ下手のニック・ウィーラーは何時ものようにクールに堅実なプレイを聞かせる。ニックの時々ファンに向かって見せるその"カッコかわいい"笑顔には往年のロビン・ザンダーにも通じる魅力があり、このルックスと楽曲があれば全盛期のCheap Trickに通じるフィーバーをみせてもおかしくないと思うのだが。って、やはり時代が違うのか…。サイド・ギタリストのマイク・ケナーティ(確かギブソンSG使用)は、最初からこんなに飛ばして大丈夫?と心配になるくらい激しいアクションをみせ、狭いステージを動き回る。クリス・ゲイラーのドラムスは恐ろしいまでの重さとシャープさを兼ね備えており、凄くインパクトがある。ほとんどアニメのテーマ曲のような陽気でキャッチーなポップ感覚を持ちながら、決して軽く聴こえないのはこのクリスのへヴィなドラム・サウンドに拠るところが大だろう。指を立てて「1、2、3…」とサビの部分をメンバーとファンで一緒になってカウントする"Happy Endings"もAARの曲の中では特にポップな曲で、私くらいの年だとCDで聴いていると思わずこっぱずかしいくらいの若さに満ちているが(笑)、生の芯がしっかりしたサウンドだと意外なほど違和感がない。サンプリングがピコピコするポップなヴァースから、図太いギター・リフが炸裂するコーラス/サビへの展開は迫力がある。タイソンのヴォーカルも非常に力強い。"Happy Endings"に続いて間髪いれず新作から"Stab My Back"へ。「Move Along」の曲ならどれをプレイしてもウェルカム、な私であったがこの"Dirty Little Secret" "Change Your Mind"等と並ぶFavorit-estな曲の登場は嬉しい。しかし、このポップを極めたメロディの連発は凄い。嫌でも盛り上がるね(笑) "Top Of The World"も「Move Along」アルバムより。世に数多い"Top Of The World"と名のつく曲だが、このAARの"Top Of The World"も彼らのポップ・センスが遺憾なく発揮された佳曲だ。1stアルバムでは聴けなかった、やや陰りのあるメロディに新境地を感じる。5曲目の"My Paper Heart"は1stアルバムの記念すべきオープニングを飾った、素晴らしくポップで、「Move Along」では姿を消したサンプリングをフィーチュアしたちょっと”可愛らしい”アレンジが印象的な名曲だ。20年後もAARが恥ずかしがらずにこの曲をプレイしていることを望みます(笑)ここでタイソンがMCを挟み、Tegan And Saraについてコメントしたあと、大阪のファンも良かったけど、トキオがFuckin'  Ichibanだ!etc.と叫んで観客を煽る。続く"I'm Waiting"はメロディ・ラインといいギター・リフのセンスといいサウンドといい、アメリカン・ロックのクラシックなメソッドを満載した、私のような30代半ば世代にとっては堪らない魅力を持った名曲である。それを未だ20才そこそこのメンバーが、余裕たっぷりのプレイでパワフルに聴かせてくれるのだからいうことなしなんである。サンプリングのイントロですぐ1stアルバムの曲だとわかる"Time Stands Still"は、"ロック"というより"ポップ"な、ARRの持つ繊細さが巧く活かされた曲。サビでは合唱が起こる。聴こえてきたちょっとパンキッシュな、シンプルなギター・リフにフロアのモッシュの激しさが増す。"Your Star"は、力強さ/繊細さ/ポップさ/展開の妙とAARの魅力の全てが詰まった名曲である。CDより数段へヴィなギター・サウンドに、伸びやかで耳に心地よく響くタイソンのヴォーカル。ブリッジから、ニックのソロ・パートに展開するパートも鳥肌もの! ニックは恐らく早弾きもしようと思えばいくらでも出来る人と思うのだが、この曲でのソロのように音数の少ないコンパクトなソロで印象付けるのが非常に巧い。"Your Star"のアウトロはそのまま代表曲中の代表曲"Swing, Swing"のイントロへと繋がる。息をもつかせぬとはまさにこのこと。えーもう終盤か、まだ40分くらいしか経ってないぞ! しかし、この名曲の登場にそんなに残念がっている暇はない。この心憎いばかりのライヴ後半のドラマの生み方、改めてAARのセンスと楽曲のクオリティに脱帽である。本編最後は新作「Move Along」よりタイトル・トラックがプレイされる。このミディアム・テンポの曲を最後に持ってきたのは"Your Star"  "Swing, Swing"と続く流れからすると一瞬異質に思えたのだが、これが悪くなかった。力強くもポジティブなメッセージ性が込められたこの曲は、AARの新たなアンセムになるのでは…というポテンシャルをはっきりと感じさせたのだ。場内の盛り上がりもそれをはっきり証明していたと思う。アンコールは、そうこの曲を演らずに終われない。"The Last Song"今日プレイされた曲の中では最もドラマティックという表現が相応しいこの曲を、メンバーは物凄いエネルギーをもってぶつけてきた。身体に響く音は太くへヴィだが、感覚に訴えるメロディはあくまでポップ。これぞAARの真髄だ。中間部でタイソンはべースを巨漢のローディ(?)に任せ、ファンの波の上へダイブ!短いながら濃密な1時間は過ぎた。この若いバンドが、これからどれだけの進化をみせるのか本当に楽しみでならない。  (1/13/2006)
Set List

1.Dirty Little Secret

2.Happy Endings
3.Stab My Back
4.Top Of The World

5.My Paper Heart
6.I'm Waiting
7.Time Stands Still
8.Your Star
9.Swing Swing
10.Move Along

Encore:
11.The Last Song

The All-American Rejects 2006/Ticket
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