Disc Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
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※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
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2004年 11月(no.140〜)
  
The Beautiful South/Golddiggas, Headnodders&Pholk Songs
<148>The Beautiful South
/Golddiggas, Headnodders
&Pholk Songs
(import CD/2004)

★★★★
  流石はBeautiful South!と思わず唸ってしまう彼らの新作は、彼らのフェイバリット・ソングを集めたカバー曲集。先ずは取り上げたアーティストのバラエティが凄い。オリヴィア・ニュートン・ジョン&ジョン・トラボルタに、ELOに、Lushにウイリー・ネルソンにBlue Oyster Cultにルーファス・ウェインライトに…とどめのRamonesときた。それも全ての楽曲には一筋縄ではいかないアレンジが施されており、オリジナルに敬意を払いつつBeautiful Southにしか出来ない解釈を加えた、トリビュートのお手本のような作品になっているのだ。Stylisticsの"I'm Stone In Love With You"なんかは予想どおりいじくり回さずポール・ヒートンの歌唱力を活かした美麗な仕上がりになっているが、オリジナルの性急なポップ・チューンを気だるいミドル・テンポの曲に変えてしまったオリヴィア&ジョンの"You're The One That I Want"をはじめとし、全編を貫かれた「拘り」には感嘆しきり。1stシングルの"Livin' Thing"(ELOの1976年のヒット曲)で印象的なダブル・べースを弾いているのは大ヴェテランのダニー・トンプソン。ところで、今回も日本盤はなしですか〜っ!?  (12/4/2004)
Jeff Buckley/Grace
<147>Jeff Buckley/Grace
(Legacy Edition)
(Japanese 2CD+1DVD/2004)
★★★★★
  最近やっとジェフの声を冷静に聴くことができるようになった気がする…が、ボーナスDVDの"Making Of Grace"を見ていたら、後半でやはり込み上げてきてしまった。ある意味ジェフ・バックリーという人そのものが音楽なのだ。音楽は自分の母であり父であると語るジェフ。音楽に無限の可能性をみていたジェフ。音楽こそが究極のコミュニケーションだと信じていたジェフの姿勢は、「Grace」の多彩でエモーショナルな世界にはっきり表れているが、これだけ多くのものを詰め込みながら全く破綻のない、究極に美しい名作を残してくれたジェフに、改めて感謝せずにはいられない。ところで、DVD収録のプロモ・ビデオを見て、私、以外にジェフのPVを知らないことに気がついた…わわわ。("Grace"だけかも、過去まともに見たことがあるのは…)どのPVもジェフのキャラクターがよく出たクールなビデオだが、個人的にはジェフのリラックスした表情が見れる"So Real"のビデオが特に気に入った。オリジナルの「Grace」リリース年は1994年。CDはデジタル・リマスターされています。  (11/13/2004)
Collective Soul/Youth
<146>Collective Soul/Youth
(import CD/2004)

★★★
  長年在籍したアトランティック・レコードを離れ、インディ・レーベル「El Music」からの第一弾リリースとなる本作は、ギタリスト・ジョエル・コッシェをロス・チルドレスの後任として迎えた新生Collective Soulとしての初のアルバムでもある。グレイテスト・ヒッツ「7Even Year Inch」のリリースもあったが、オリジナル・アルバムとしては2000年の「Blender」以来の作品。しかし、この4年という月日と環境の変化に彼らのアイデンティティは少しも揺らいでいない。決して"歌い上げる"タイプの美麗な声を持ったシンガーではないエド・ローランド。ポイントはバンドのブレイン(メイン・ライター)である彼がどれだけメリハリのあるキャッチーなメロディを書けるかということにあるが、これは全く抜かり無し。全11曲。相変わらずポップ・センスに溢れ、コンパクトに纏まったロック・チューンが矢継ぎ早に繰り出され、37分あまりの時間はあっという間に過ぎてしまう。方向性としてはCollecvtive Soul史上最もカラフルな作風だった前作 「Blender」をもっとシンプルにして、ロック色を強くしたサウンドかな。エドの歌唱に円熟味を感じるメロウな"How Do You Love"をはじめとして、新たな代表曲になりそうな曲もいくつかあるが、この派手さの無さ。どれだけ新しいファンを掴めるかと考えると少々不安にもなる。  (11/20/2004)
Better Than Ezra/Live At House Of Blues
<145>Better Than Ezra
/Live At House Of Blues
(import CD/2004)
★★★★
  いやはや、素晴らしいライヴ・アルバムだ。レビューで「名盤!」だとか「お勧め!」って声高に叫ぶのは好きでないが、このBetter Than Ezraの「Live At House Of Blues」はアメリカン・ロックのファン必聴の傑作であると言い切りたい。彼らの地元であるニュー・オリンズの実況盤とあって、ファンの声援は熱狂的だし、また演奏もタイトで聴き応え十分。しかし、何よりこうして改めて代表曲を並べて聴いて思うのだ。ケヴィン・グリフィンはこの10余年いかに多くの名曲を書き続けてきたことか。オープニングのイントロダクションから、ポップな"Misunderstood"〜"Good"と続く「つかみ」の巧さ。メンバー個々のプレイをきっちり魅せる"Rosealia"での盛り上げの手法。そして、最大の山場となる中盤。ケヴィンのソングライティングの粋を見せつけるメロディアスな傑作"At The Stars"〜"A Lifetime"の感動的な流れには胸が打ち震える。これだけの聴き所をつくっておいて、まだ最後にとどめの名曲"Desperately Wanting"が控えているのだからたまらない。サポートのジム・ペイン(キーボード、ギター、ヴォーカル)以下ゲスト・ミュージシャンを迎え、「Closer」アルバム、 「Garden Grow?」アルバムの凝ったカラフルな音像も完璧に再現している。最後に"Cold Year"  "Stall"というスタジオ録音の新曲が2曲ボーナスとして収録されているが、これは共にいかにもケヴィンらしいメロディアスでポップな旋律を持った佳曲。これを聴く限りでは、現在のBTEのサウンドはよりシンプルでダイレクトな、初期のサウンドにやや揺り戻された方向に向かっているように感じる  (11/20/2004)
<144>Better Than Ezra
/How Does Your Garden Grow?
(Japanese CD/1998)

★★★★
  比較的ストレートなロック・サウンドを基調としていた前作「Friction Baby」から一転、サウンドの大胆な変化に挑んだBTEは新たなステージでいきなり傑作を作り上げる。プロデューサーにはヴェテランのマルコム・バーン(U2、ピーター・ゲイブリエル)。またビブラフォンのカール・ベルガーほか多くのゲストを迎えただけでなく、ケヴィンがピアノをプレイする等メンバー自身も普段の担当以外の楽器に取り組んだ実験の成果は、BTE史上最もバラエティに富んだアルバムとして結実した。ケヴィンのソングライティングはここへきて一段と浸化し、リズム面にかなり重きがおかれているにも関らず、メロディ・ラインは明快でそれぞれの楽曲のキャラクターがはっきりしている。要はメリハリがあるんだね。続く4thアルバム「Closer」(2001年・日本盤未発売)も、この路線を更に推し進めた名作だ。  (12/6/2004)
Better Than Ezra/Deluxe <143>Better Than Ezra/Deluxe
(Japanese CD/1995)

★★★☆
  バンドのブレインであるケヴィン・グリフィン(ギター/ヴォーカル)、トム・ドラモンド(べース)、キャリー・ボーンケイズ(ドラムス)というトリオから成るBetter Than Ezraがリリースしたメジャー・デビュー・アルバム。ソリッドなギター・サウンド、太く重いベース。多彩なリズム・パターンを披露するドラムス。3ピースのサウンドを基調に、ケヴィンのちょっと粘りつくような、しかし同時にメロディアスな独特のヴォーカルを乗せたBTEの個性は既にこの時点で完成型に達しており、とても新人とは思えないほど成熟した多彩な楽曲を披露してくれている、のもある意味当然か。そう、既に彼らはこのアルバムリリース時7年のキャリアを重ねていたのだ。当時はメロディにしろ演奏にしろサウンドにしろパンチ力に欠ける感じがして、"Good"  "In The Blood" "Rosealia"といったシングル・ヒット曲ばかりリピートしていた覚えがあるが、今改めて聴きこむとケヴィンの深みのあるソングライティング、閃きに満ちたメロディ・センスに感嘆させられる。意外なほどのブリティッシュ・ロック色の濃さも興味深い。  (11/22/2004)
Amy Grant/Greatest Hits 1986-2004
<142>Amy Grant
/Greatest Hits 1986-2004
(import CD/2004)
*Limited Edition

★★★★
  ぼやっとした緑のジャケット写真がいまいちパッとしなくて、裏ジャケのエイミーの笑顔の写真のが良かったのではないかなどと思ったのだが、それはともかく(笑)  内容は流石に素晴らしい。1988年の「Lead Me On」アルバムから昨年リリースの「Simple THings」アルバムまでのヒット曲、代表曲を集めたグレイテスト・ヒッツ・アルバムだが、ある意味これはエイミー・グラントの"アダルト・コンテンポラリー/ポップス"時代を総括するアルバムといってよいだろう。最初のクロスオーバー・ヒット"Find A Way"が収録されていないのが残念だが、その他の目ぼしい曲はひととおり押さえられており、満足度は高い。全米No.1ヒットを記録したピーター・セテラとのデュエット"The Next Time I Fall"が入っていたのは意外(元々はピーターの2ndソロ・アルバムに収録されていた曲) 特筆すべきは、1996年のサウンドトラック・アルバム「Mr.Wrong」のオープニングを飾っていた10ccのカヴァー"The Things We Do For Love"が収録されていることだ。このサントラ、ショーン・コルヴィン、フェイス・ヒル、Queen他豪華アーティストが参加した、アルバムとしてみて非常にクオリティが高い作品だったのだが、その中で出色の出来だったのがエイミーの艶やかな声によって蘇ったこの10ccのクラシックだったのだ。これは名演ですよ。ケヴ・モをフィーチュアした"Come Be With Me"と、"Water"の2曲は新曲。限定盤のボーナスCDには"Every Heartbeat"  "That's What Love Is For"  "I Will Remember You"  "House Of Love"のそれぞれ別ミックスが収録されている。  (11/22/2004)
Shawn Colvin/Polaroids: A Greatest Hits Collection
<141>Shawn Colvin
/Polaroids: A Greatest Hits Collection
(import DVD/2004)
★★★
  さてさて、年末のベスト盤商戦真っ最中ですが。出ました。ショーン・コルヴィン初のベスト・アルバムだ…がっ。う〜ん、これは微妙。勿論ショーンの名曲の数々がたった1枚のCDに収まるはずもないのだが、エイミー・グラントの実のぎっしり詰まった2枚組を聴いた後ではあっさりしすぎというか、意外性がないというか…。記念すべきデビュー・アルバムからのヒット曲"Steady On"からボーナス・トラックの新曲"I'll Be Back"(Beatlesのカヴァー)まで全15曲、メランコリックでメロディアスなポップ/フォーク・チューンがずらりと並んでおり、初めて聴く方にもショーンの魅力は十分に伝わるだろう。でもでも、ショーンはこれだけじゃないんだよ。素晴らしい曲が他にもいっぱいあるんだよぉぉぉ!  ↑のエイミー・グラントのレビューでもちょっと言及したサントラ「Mr.Wrong」にも収録されている"Nothin On Me"やFleetwood Macトリビュート・アルバムに提供した"The Chain"といった"裏"名曲が無いのは100歩譲って我慢するとして、ショーンのメロディ・センス、ソングライティングの粋を極めた"Climb On(A Back That's Strong)"をはじめ"Tennessee"や"Monopoly"といった「Fat City」(1992)収録の名曲、「Whole New You」(2001)の"Anywhere You Go"あたりは入れてほしかったなと。あ、でもこれじゃ「Fat City」の曲だらけになっちゃうか(苦笑)
  ということで、これからショーン入門される方は、このベスト盤と同時に9月のレビューで紹介した傑作「Fat City」も是非チェックしてくださいね〜。なお、同時に「Polaroids: A Video Collection」なるDVDもリリ−ス。後日、このDVDについても書くつもりです。 (11/30/2004)
Saxon/Lionheart
<140>Saxon/Lionheart
(Japanese CD/2004)

★★★★
  
  おいおい、何だよこの異様な元気さは?!(笑)  Saxonのニュー・アルバム「Lionheart」は一点の曇りもないピュア・へヴィ・メタルの名曲が満載のアルバムだ。「引退のことは考えないのかって?いや、俺は年をとるごとに若くなっていってる気がするんだ。まだまだこれからさ」…な〜んてのはインタビューにおけるヴェテラン・ミュージシャンの常套句だが、この人達の場合20代の時より確実にサウンドの過激さが増しているのが驚異的。Heartにスコピにリック・スプリングフィールドと、今年このDisc Reviewセクションでは何組かの「恐るべき50代」アーティストを取り上げてきたが、このデビュー26年を数えようかというSaxonの充実ぶりは、確実に一段上のレベルをいっている。ヴェテランの"味""渋さ"といったものを超越したところでへヴィ・メタルの王道を追求しているのが素晴らしい。楽器隊(ドラマーがヨルグ・マイケルに代わった)のアグレッシヴなプレイに呼応するように、ビフ・バイフォードのヴォーカルもよりパワフルに響いてくる。それにしてもビフ・バイフォードの歌唱は、昔の一本調子で平坦な声が嘘のように多彩な表現をみせている。10年近く前に煙草を止めたのも大きいのだろうが、やはり日頃の節制とツアーで歌い続けていることがモノをいっているに違いない。タイトル・トラックで聴けるような豪快なシャウトは決してレコーディング技術の賜物でなく、最近のライヴでもこういった凄まじいヴォーカルを聴かせてくれるそうだ。それを聞くと、益々来日公演への期待が高まる……おっと、その前に持っていないアルバムをしっかり揃えねばね(汗) 中心メンバーの年齢が50代になってから全盛期を迎えたメタル・バンドというのはほとんど聞いたことがないが、今のSaxonはそのキャリアにおいて最高の状態にあるのではないかと思う。  (11/10/2004)
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