Disc Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
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※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
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2004年 5月(no.84〜)
The Datsuns/Outta Sight-Outta Mind
<95>The Datsuns/
Outta Sight/Outta Mind
(Japanese・2004)

  昨年初参戦したサマーソニック。しまったーと思った時は遅かった。JR海浜幕張駅から千葉マリン・スタジアムって思ったより距離があるんだよね。スタジアムのゲートのところまで着くと…既に"Sittin' Pretty"が大音響で鳴ってるうぅ〜!  急げ〜とばかり会場内に飛び込む。前の方には絶対行くまいと誓っていたのだが、轟音ギターに誘われるように無意識のうちにステージ左手最前列に到達した私(笑)、気付くと、ガッツィーな"Harmonic Generator"のリフに合わせて拳を振り上げていた。…か、かっこいい〜! 各メンバーの演奏力も確かで、全ての楽曲がアルバムの数倍のパワーとダイナミズムを持って響いてくる。ライヴ・バンドDatsunsのポテンシャルは私の予想をずっと越えたところにあったのだ。いいライヴだったなぁ〜。でも、今年の単独公演は行けないんです私(涙)
  さて、ジョン・ポール・ジョーンズのプロデュースということでも話題を呼んでいるDatsunsの2ndアルバム。結論からいうと、かなり意欲的な作品である。私が注目していたのは、ライヴでのあまりに豪快なバンド・サウンドをどのように、生々しく聴かせるか、ということと、お世辞にも「美メロ・ライター」とはいえない彼等がいかによりメリハリのある歌メロを持った曲を書き、新たなクラシックを産み出すか、ということであった。デビュー作同様、どこかで耳にしたようなブリティッシュ・ロックのエッセンスがそこかしこに散りばめられているが、様式美的なギター・リフ/フレーズが無くなった分、全編でガレージ的な色が濃くなっている。最初は地味に思えたのだが、そこに含まれる音楽は多様性を増しており、リピートする度に"効いてくる"曲が多い。それにしても、若さに似合わず恐ろしいほど70年代のロックが"身について"いるバンドだ。サマソニは炎天下だったけれど、このアルバムの曲は屋根つきの会場で聴きたいね。
 ★★★☆
SR-71/Here We Go Again
<94>SR-71/Here We Go Again
(Japanese・2004)
  データを調べたわけじゃないんだけど、間違いなくミッチ・アラン(リード・ヴォーカル、ギター)は私と同世代の筈だ。もしかしたら同い年かも(笑)  巧妙なフックが施された楽曲アレンジ、ユーモアに溢れた歌詞。そのひとつひとつがツボに嵌ってしょうがない。中学校から高校にかけてはMTV全盛期。ビルボードTop 40のヒット曲を聴きまくって、大学の時にグランジ・オルタナティヴ・ムーブメントでしょ。さては小学生の時はファミコンに夢中だったんじゃない?(笑)  既に話題を振りまいている「どこいっちまったんだアクセル・ローズ?」と繰り返される"Axl Rose"(Guns N' Rosesの"Sweet Child O' Mine"他のギター・フレーズを大胆にも挿入)に、アレンジがCarsを想起させる"1985"にも80'sへのオマージュが満載。しかし、勿論SR-71は80年代べったりのバンドではない。Cheap Trick系のオーソドックスなアメリカン・ハード・ロックをベースに、疾走感あるパンキッシュ・サウンドにも交差する。おっ、パーツをよく吟味すると以外にミッチはブリティッシュ・ロックにもかなり影響を受けているんだな〜などと思っていると、2曲めはピーター・ゲイブリエルの"In Your Eyes"じゃないの!普通にいったらまず失敗する名曲のカヴァーだが、この美しいバラードをSR-71は見事に彼ら流のロック・チューンとして蘇らせている。ミッチのセンスと才能がこれまで以上に発揮された「Here We Go Again」は、American Hi-Fi、Cheap Trickといったアメリカン・ロックのファン、そして現在30才前後(笑)の音楽ファン必聴のアルバムだ。ところで、シークレット・トラックとして収録された"お遊びソング"はミッチ自らのことを歌っているの?  ★★★★
Scorpions/Unbreakable
<93>Scorpions/Unbreakable
(import・2004)
  オープニング・チューン"New Generation"の中途半端なヘヴィさに少々違和感を覚える。トレンディでもなく、かといって70年代のScorpionsのような陰りのあるヨーロッパ的なメタル・サウンドでもない妙に肩肘の張ったギター・リフからは「メタル・ルーツへの回帰!」という意気込みこそ感じるものの、決してアルバム全体の色を反映してはいないからである。しかしその後、特に中盤以降はアメリカンなカラっとしたポップ・センスをベースにしつつ、Scorpionsらしい哀愁を湛えたメタル・チューンが連続し、非常に楽しめる。系統としては「Crazy World」(1991年)の流れを汲むサウンドだろうか。個人的には「Pure Instinct」(1996)が持っていた様な"泣き"がもっとあれば…とも思ったが、これだけ良い曲が揃っていればそれは贅沢な望みでしょうね。バラードの"Maybe I Maybe You"も素晴らしいし。Hootersのエリック・バジリアンがソングライティングに参加した"Remember The Good Times"もアルバムの流れから浮いてはいるものの、エリックらしいメロディ・センスが活きた佳曲だ。
  なんだかんだ注文をつけてしまったが、キャリア30ン年を数え、今なおこれだけエナジーに満ちたメタルをプレイしている彼らには敬意を表したい気持ちで一杯だ。だってクラウス・マイネもルドルフ・シェンカーも四捨五入すればもう60だよ! 本当に凄い。
 ★★★☆
Avril Lavigne/Don't Tell Me
<92>Avril Lavigne/Don't Tell Me
(CD single) (import・2004)
  正直、これまで興味の持てなかったアーティストだが、我がブッチ・ウォーカー先生がプロデュースしているとあっては聴かないわけにはいけません。ニュー・アルバム「Under My Skin」からの先行シングル。う〜ん、しかしこれはイマイチだ。うるさ過ぎない適度にハードで、耳に心地良いポップさを備えていて、そしてとってもキャッチーで…。確かに楽曲のクオリティは高いのだが、個性が感じられないのだ。アラニス・モリセットの影響大な、90年代の典型的カナダ産オルタナティヴ・ロックの枠から抜け出せていないサウンドは、ウェンディ・ランズ、ローレン・クリスティ(今年3月にレビュー済)といったアーティストを連想させた。サマソニはスタンド席からゆっくり見ようかな。  ★★☆
Sophie B. Hawkins/Wilderness
<91>Sophie B Hawkins/Wilderness
(import・2004)
  ソフィー・B・ホーキンスってこんなに良かったっけか!?  と思わずデビュー・アルバムから前作「Timble」まで聴き返してしまったよ。 いや、確かに優れた作品を生み続けてきたアーティストではあったけれども、好きなシンガー・ソングライターではあったけれども、この新作はこれまでにも増して鮮烈。時に妖しさを帯びる美麗なメロディ・ラインに、それを歌い上げる存在感のあるハスキー・ボイス。多彩な音楽的要素が盛り込まれた楽曲群。ソフィーならではの独特なリズム・パターンが活きた、ハッと息を飲む曲展開。最初に2曲めの"Open Your Eyes"を聴いたときは思わず「オオッ! 」と声をあげてしまった。ストレートな歌詞も素晴らしく、ソフィーにしか造れない世界が全編を貫く傑作だ。  ★★★★☆
Mary Chapin Carpenter/Between Here And Gone
<90>Mary Chapin Carpenter
/Between Here And Gone
(import・2004)
  いってしまえば地味。メロディの美しさと、アルバムを湛える温もりはデビュー当時から変わらないものの、前作「Time * Sex * Love」よりもさらに方向性が一貫しており、ミディアム〜スロウ・テンポの楽曲でエモーショナルなメロディを聴かせる事に徹している。変わらぬメロディ・メーカーとしての突出したセンスに、聴き手の胸の奥まで染み込んでくるような凛としたヴォーカル。MCC初心者なら、即効性のある他のアルバムをまず聴くことを薦めるけれど、これは聴く毎に味の出る傑作。"成熟"という言葉が良く似合う。  ★★★★
Cyndi Lauper/Shine
<89>Cyndi Lauper/Shine
(Japanese・2004)
  久々に落ち着いて音楽を聴き(見)ました。このCDと同時にビデオ・クリップ集「Twelve Deadly Cyns...And Then Some」も買って見たのですが、シンディって本当にきれいなんです。いや、ルックスも勿論のこと、凄く純粋なんだ。純粋で、無垢で、音楽に対してとても真面目。そして、常にチャレンジし続ける姿勢の素晴らしさ。改めて聴いてみたら、「She's So Unusual」(1983)から「True Colors」(1986)への進化の大きさには驚いた。あれだけ売れたアルバムの後でも、全然守りに入っていない!
  この「Shine」は、2001年にリリースされる予定ながら、所属レーベルの消滅により日の目をみなかったアルバムの完成版。(収録曲全13曲のうち、アルバム・タイトル・トラックとそのリミックス各種。そして"It's Hard To Be Me"  "Madonna Whore"  "Waters Edge"は2枚のEPに分けてOglio Recordsからリリースされた)  プロデューサーにウィリアム・ウィットマン。ゲストにはロブ・ハイマン(Hooters)という参加ミュージシャンからも分かるとおり、やや初期のサウンドを意識した方向性も見られるものの、通して聴けば多彩で起伏に富んだ、キャリアの集大成的なシンディの魅力がギュッと詰まった作品集だ。文句なしに楽しめます。  ★★★★
Toy Matinee/Toy Matinee <88>Toy Matinee/Toy Matinee
(Japanese・1990)
   ポピュラー・ミュージック史において、数少ない天才と呼べるアーティストのうちのひとりケヴィン・ギルバート。ケヴィンが、決して長くは無いそのレコーディング・キャリア(ケヴィンは1996年に29才という若さで亡くなっている)で遺した作品のほとんどが一聴に値する秀作だが、中でもサウンドの方向性が最もメインストリームに近づいた(=洗練された)「Toy Matinee」はケヴィン入門用としてまず最初に聴くべき一枚であるといえるだろう。Toy Matineeはケヴィンとプロデューサーのパトリック・レナード(マドンナ、ジュエル等。70年代末にはTrillionというバンドに在籍)を中心としたバンド。ケヴィンのフェイバリット・バンドであるXTCに通じる一風変わったメロディ・ラインと、対照的に憂いを帯びた美しいメロディの絶妙なコンビネーション。プログレッシヴな展開美を備えた楽曲構成。そして知覚を刺激する機知に富んだ歌詞。こういったケヴィンの個性がパトリックによって絶妙にプロデュースされており、それぞれの曲がコンパクトでありながら非常に情報量の多いアルバムに仕上がっている。その実情は決して"幸福"ではなかったプロジェクトだが、このアルバムに関していえば、このふたりだからこそ生まれたアメリカン・ロックの名盤であると言い切れる。  ※「Toy Matinee」はリマスターが施されて、レア音源を5曲追加した"Special Edition"も輸入盤でリリースされています。  ★★★★★
Kevin Gilbert/The Shaming Of The True <87>Kevin Gilbert
/The Shaming Of The True
(import・2000)
  ※ごめんなさい。レビュー完成しませんでした。このアルバムについてはまた日を改めて必ず書きます!  ★★★★★
Madonna/Like A Prayer <86>Madonna/Like A Prayer
(import・1989)
  様々な論議を呼んだアルバム・タイトル・トラックの鮮烈なビデオ・クリップの印象が未だに脳裏に焼きついているが、実はアルバムを買ってきちんと聴いたのはつい最近(笑)  でも、もっと早くに聴いておくべきだったなあー。恐ろしく完成度の高いアルバムですよ、これは。"Like A Prayer"  "Express Yourself"  "Oh Father"  "Keep It Together"  "Cherish"("Borderline"と並んで私が最も好きなマドンナの曲)といった一連のヒット・シングルは勿論、"Till Death Do Us Part"や"Dear Jessie"の小粋なポップ・センス、"Promise To Try"の切なさもたまらなくいい。ソングライティング、プロデュース面におけるパトリック・レナードの貢献はいうまでもなく高い。90年代に入ると、パトリックはケヴィン・ギルバートと組んだToy Matinee、元Mr.Misterのリチャード・ペイジとのThird Matineeと、自らのプロジェクト活動を推し進めていく。  ★★★★
Richard Page/Shelter Me <85>Richard Page/Shelter Me
(Japanese・1996)
  このアルバムを初めて聴いたときは、そのあまりの素晴らしさに思わず眩暈さえした。リチャード・ペイジのキャリアにおける最高到達点。1996年にリリースされた初のソロ・アルバムは完璧といえるAOR作品だ。類稀に美しいメロディ・ライン。エモーショナルではあるが押し付けがましくない、心にじんわりと染み込んでくるリチャードのヴォーカル。言葉のひとつひとつ、音の一音一音が静かに存在感を主張し、無駄というものが全くない。ソウルからレゲエまで多様な音楽のエッセンスを備えつつ、PagesやThird Matineeにも通じる普遍性も持ったサウンドは、派手さはないものの濃く深く、リピートするほどに新たな発見がある。スロー〜ミディアム・テンポの曲が中心だが、そのほとんどが名曲。最後に収められたスティーヴィー・ワンダーのカヴァー"Heaven Is 10 Million Light Years Away"も秀逸な出来だ。  ★★★★☆
Mr.Mister/Welcome To The Real World <84>Mr. Mister
/Welcome To The Real World
(Japanese・1986)
  家のすぐ近くにコンビニがあるんだけれど、そこは余程のことがない限り利用しないことにしている。理由は唯一つ、店員の態度が最悪だから(笑)  先日、買い物し忘れたものがあって、止むを得ずそのコンビニに寄ったのだ。超久々に。そうしたら、アルバイトが新しい人に代わっていたのだが、この男の接客態度がやはり最悪で(苦笑) あ〜やっぱり来るんじゃなかったと後悔したのだが、ひとつ嬉しかったのがそのとき店内の有線で流れていたのがMr. Misterの"Kyrie"だったんだよね(笑)  リチャード・ペイジの熱唱と叙情味溢れるメロディ・ラインが胸を打つ全米no.1ヒット"Broken Wings"に続き、この曲もまたシングル・チャートのトップまで到達した。個人的にこのアルバムで最も思い入れのある曲は3rdシングルとなった"Is It Love"なんだけど、Mr.Misterというとやはりまずこの"Kyrie"を連想する人が多いんじゃないかなあ。メンバーはリチャード(リード・ヴォーカル、ベース)の他、スティーヴ・ジョージ(キーボード、ヴォーカル)、スティーヴ・ファリス(ギター)、パット・マステロット(ドラムス)と、皆が膨大な数のアーティストとの共演で名を馳せた真の実力者達。前身バンドのPagesと比較すると、演奏面で細かなニュアンスは控えめで、アリーナ・ロック的なダイナミックなサウンドだが、それが1985年という時代にピタッと合い大成功を収めたのだ。大フェイバリットというわけではないけれど、時々ふと聴きたくなる、リラックスさせてくれるアルバムだ。  ★★★
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