Disc Review
旧譜、新譜問わず、お勧めのCD/DVD作品を紹介します。
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評価の
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※2003年9月以前のCDレビューはこちらです
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2004年 6月(no.96〜)
Velvet Revolver/Contraband
<103>Velvet Revolver/Contraband
(Japanese・2004)
  繰り返し聴くほどに味が出てきた。アルバムを聴いた後、1stシングルとなった"Slither"のPVを見て、そのバンドとしての"完成度"に驚かされた。.元Stone Temple Pilotsのスコット・ウェイランド、スラッシュ、ダフ・マッケイガン、マット・ソーラムというex.Guns N' Roses組に、デイヴ・ナヴァロのバンドにいたギタリストのデイヴ・クシュナーを加えたいわゆるスーパー・バンド。これだけのメンツを揃えたからには1+1+1+1+1の足し算じゃ当然×で、プラス・アルファの要素が評価の絶対条件になるが、メンバー各々の色を薄めることなく、見事に新しい風景を作り出している。それにしても、スコットのスリージーなヴォーカルと、スラッシュのアグレッシヴなギターのコンビネーションがここまでハマるとは予想しなかった。ダフとデイヴのセンスも、マットのタイト極まりないドラムスもしっかり活きている。惜しむらくは、RosesやSTPが残した"クラシック"に匹敵するほど破壊力のある曲が見当たらないことだが、それを差し引いても耳に残る楽曲が軒を並べているし、ファストなロック・チューンも、スコット色(STP色)の濃いスローな曲も、ライヴではもっとインパクトを与えてくれそうな予感がする。祈来日公演!
★★★☆  
Wilson Phillips/California
<102>Wilson Phillips/California
(import・2004)
  なんとWilson Phillipsとしては12年振りのオリジナル・アルバム!と一瞬色めき立ったものの、内容が「California」をテーマにした有名/ヒット曲のカヴァー集で少々テンションが下がった。Mamas And The Papasの"Monday, Monday"、Beach Boysの"Dance Dance Dance"  "In My Room"はお約束として(メンバーのチャイナ・フィリップスはMamas And The Papasのミッシェル&ジョン・フィリップスの娘。カー二ーとウェンディのウイルソン姉妹はブライアン・ウイルソンの子)  他の曲もFleetwood Macの"Go Your Own Way"  ニール・ヤングの"Old Man"  Byrdsの"Turn Turn Turn"  Eaglesの"Already Gone"と、カリフォルニア産というよりは"60s〜70s洋楽クラシック基本アイテム集"という感じで正直選曲に特筆すべきものはない。と、なると後は楽曲アレンジでどれだけ面白みをだせるかだが、最大の売りであるさわやかなヴォーカル・ハーモニーこそアルバム全編で活きているとはいえ、お世辞にもそれぞれの原曲のポテンシャルが最大限に表現されているとは言い難いのだ。"Go Your Own Way"も、オリジナルが持っていたテンポとロックン・ローリンなノリを敢えて捨てるなら、最初から"Rhiannon"  "Dreams"あたりの陰りのあるミディアム・テンポの曲で良かったんじゃないかと思うし、テクノロジーを駆使した"Turn Turn Turn"にしても、中途半端にリズムを強調してしまった為にオリジナルの完全無欠の美メロの良さが伝わってこないという…。彼女たちの歌唱力には何の文句のつけようがないが、これだけ"完成された"名曲群を料理するのはやはり大変だ。しかし、なんだかんだいってWilson Phillipsの見事なコーラス・ワーク、久々に堪能させてもらいました。最後、ブライアン・ウイルソンがヴォーカルとピアノでゲスト参加した"In My Room"(これは美しい!)でアルバムが幕を閉じると、「君たちは素晴らしいよ!」(父)  「お父さん、どうもありがとう」(娘たち)という会話の後しばらくして、シークレット・トラックがスタートします。  ★★★
Wilson Phillips/Wilson Phillips <101>Wilson Phillips/Wilson Phillips
(Japanese・1990)
  私が最も熱心に、沢山音楽を聴いていたのは80年代の終わり−高校生の頃だ。自由な時間が腐るほどほどあったのはともかく、現在と比べて経済的に恵まれていなかった当時どうしてあれだけ音楽に浸ることができたのか……そうだ。レンタルCDだ。今はめっきり少なくなってしまったレンタルCDがその頃は全盛で、家の周りにも小さなレンタルCD屋さんが沢山あった。CD1枚、150円もあれば借りれたのかなあ。借りたCDは勿論きっちりカセット・テープにダビングして、歌詞カードもしっかりコンビニのコピー機でコピーして(笑)、そのテープは約1時間強の学校の登下校時にエンドレスでリピートされるのであった。そりゃ歌詞の一つ一つ、メロディの一片一片が完璧に頭に刻まれるってもんです。90年代初期になると、バブル崩壊、そして著作権法の改正もあって、レンタルCD屋さんは一気に減少してしまうのだ。Wilson Phillipsが出てきた頃は、既に私はCDをレンタルすることはなくなって、ほとんどセルCDだけで音楽を楽しんでいたと記憶している。聴く枚数が少なくなった分、一枚のCDを繰り返し繰り返し、飽きずに聴いていた。この「Wilson Phillips」アルバムみたいにね。Wilson Phillipsはデビュー・シングル"Hold On"を聴いて一発でハマった。"Hold On"の後もシングル・ヒットが続いたけれど、どの曲も皆好きだったなあ。ただ、このまま成長したらさぞかし凄いグループに成長するだろうと思っていたのに、いきなり2枚目のアルバムで失速してしまったのは予想外だったけれど…。 ★★★★
惑星/Void
<100>惑星/Void(Japanese・2004)
   惑星は昨年たまたまその存在を知った。5月のAmerican Hi-Fiの来日公演で彼らは前座を務めていたのだが、そのパフォーマンスのまあ凄かったこと。"予備知識ゼロ"だったところにとアグレッシヴ極まりない、暴風雨のような音をぶつけられ、圧倒されて思わず座席で固まってしまった。惑星は岸田研二(ギター、ヴォーカル)、清水義将(ベース)、平田智美(ドラムス)というトリオ編成。生で見た後、前年にリリースされた「shiroitoroi」  「kuroitori」という2部作のアルバムを聴いたら、妙にサウンドが軽く感じ、ライヴとのギャップに物足りなさを覚えたのだが、その不満はメジャー・レーベル第一弾「Wakusei」(2003年、惑星入門にはまずこのアルバムから。傑作!)ですっきり解消。アグレッション、独特の陰りを持つメロディ・ライン、静と動の対比が活きた曲構成。メイン・ライターである岸田の独特の言語感覚と歌いまわし…う〜ん、上手く説明できないのがもどかしいもどかしいもどかしい。とにかく。

かっこいいから聴いてみ(←逃げた)

惑星のクールさ、アイデンティティはこの最新ミニ・アルバムにも満載されている。そうそう、今年のフジ・ロックに、惑星は彼らも影響を受けているPixiesと共に参加するんだよね。とっても見たい……でも仕事で絶対行けないんだねこれが(涙)  ★★★
Patty Griffin/Impossible Dream
<99>Patty Griffin/Impossible Dream
(import・2004)
  とにもかくにも忙しすぎて、音楽を聴く時間が大幅に減ってしまった今年の上半期。そんな中で特に印象に残った新作CDを挙げるとなると、ソフィー・B・ホーキンス、インディゴ・ガールズ、シンディ・ローパー、そしてこのパティ・グリフィンということになるだろうか。それにしても、コンスタントに良作を届けてくれるものだ、パティという人は。というか、パティのアルバムって過去に出たもの全てが名作だよね(笑) 正直いうと、この手のアコースティカルな弾き語り中心の音楽って、私の苦手な部類に入るのだが、パティに関しては退屈さを感じたことが不思議なくらい無い。私にとっては本当に心地良く響いてくるサウンドなのだ。最近、よりパティの歌に"癒し"を感じるのは疲れているから、なのか?  ★★★★
Kate Jacobs/You Call That Dark
<98>Kate Jacobs
/You Call That Dark
(import・2004)
  まるで少女のような、舌足らずな愛らしいヴォーカルがトレード・マークのシンガー・ソングライター。外資系の大型CDストアでは、カントリー/ウエスタンのセクションに陳列されていることが多いが、その音楽性は正確には「カントリーを基調にしたフォーク/ポップ・ロック」といってよいだろう。前作「Hydrangea」がリリースされたのは1998年。6年というのは結構なインターバルだが、その間にはお子さんが生まれるという人生の大きな転機があったそう。サウンド面でとりたてて大きな変化はない。シンプルで素朴な演奏の上で、日常の様々なテーマをケイトが情感いっぱいに歌い上げる。初期の2作品、「The Calm Comes After」(1993)  「What About Regret」(1995)にあったはじけるようなポップ・センスこそやや薄まってきているものの、その歌声は変わらず清楚で繊細で(とても40代半ばの女性の声とは思えない!)、スピーカーの前で対峙していると広大な田舎の景色とともに、ゆったりとしたケイト独特の空気が身体を満たす。過去一度も日本盤のリリースされたことのないアーティストだが、いつか日本盤で、歌詞の和訳をじっくり見ながらアルバムを聴いてみたいものだ。とりあえず、これまでにリリースされたアルバムは1996年のミニ・アルバム「A Sister」も含めどれも一聴に値するので女性SSW好きの方は機会があったら是非!  ★★★☆
Prince/Musicology
<97>Prince/Musicology
(import・2004)
  すみません、プリ様については書きたいこと色々あるのですが、今月は文章をまとめる時間がありませんでした。また改めて。ああ、プリ様のように睡眠とらなくても平気な体が欲しいです。  ★★★☆
Saxon/Unleash The Beast <96>Saxon/Unleash The Beast
(Japanese・1997)
  何か急にSaxonが聴きたくなったんですけど(笑)  そういえば、最近のアルバム、全然チェックしてないなー。「Killing Ground」も評判いいみたいだし、中古CD屋で探してみようかな。今更繰り返すこともないが、日本での評価は切なくなるほど低いSaxon。メタル・ファンの間でも過去のバンド〜"NWOBHM(New Wave Of British Heavy Metal)ムーブメントにおける重要バンド"〜程度の括りで終わることが多いと思う。てか、普通の洋楽ファンからすると、

誰それ?

…てなもんでしょうが(涙)
しかし、良いバンドなのですSaxonは。1979年デビューのヴェテラン。今なおヨーロッパ各地では絶大な支持を得ている現役バリバリのブリティッシュ・HMバンドだ。このアルバムのひとつ前のアルバム「Dogs Of War」(1985)が、それ以前のやや疲れの見えた作品のモヤモヤを吹き飛ばす快作だっただけに期待も大きかったのだが、その内容は期待を遥かに超えるものだった。ギター、ベース、ドラムス。インストゥルメンツに漲るエナジー、音圧ばっちりのアグレッシヴなサウンド。さらには煙草を止めて節制したというビフ・バイフォードのヴォーカルも過去のそれとは比較にならないほど張りがあり、楽曲の完成度を数段高めている。このバンドが調子のいい時は、個人的にJudas PriestやIron Maidenより好きだが、このアルバムに収録された緊張感に満ちた"Unleash The Beast"や"Circle Of Light"、Deep PurpleとMolly Hatchetを足して2で割って加速させたような"Bloodletter"を聴けば、それも理解していただけるのではないかと思う。"Terminal Velocity"なんて、個人的フェイバリットHMチューンのTop 10に確実にランク・インするくらいハマった曲だ。良く知られているようにSaxonはポップな曲("Ministry Of Fools")もお手の物だし、一方で"Absent Friends"のようなしっとりしたバラードも聴かせる。随所に配されたミディアム・テンポのゴシック調の色付けがされたメタル・チューンだって悪くない。久しぶりに、他のアルバムも聴こうっと(笑)
  ★★★★
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